幹事クリタのコーカイブログ

テニスをはじめあれこれ好き勝手書いています。「幹事クリタのコーカイ日誌」のブログ版です。

何でもありの紅白

2015-12-31 23:55:40 | テレビ・芸能
 さて恒例の紅白歌合戦の雑感です。いま紅白が終了して10分後くらいから書き始めています。ちなみに永平寺は雪のない大晦日のようです。

 今年の紅白は何よりNHKスタッフの勝利でした。とにかく「盛り上がるのであれば何でもあり」という姿勢。これは大いに評価したいと思います。これまでの紅白なら自主規制していたようなこともどんどん取り入れて、紅白の「規制緩和」を実現していました。本来の「今年の歌を聴かせる」というところから大きく逸脱し、何でも良いから盛り上げようという意識が感じられました。各歌手ごとにディレクターをつけて、それぞれが視聴率が取れるように企画をぶつけ合ったような印象です。

 これまでなら「トイレタイム」になっていたような演歌歌手の時にも、単に歌わせるだけではなく若手歌手やらお笑い芸人やらとコラボをさせたり、歌を聴かせる時でも演出やセットをかなり凝って作りこんでいました。しかも合間のショーも昔なら寒い企画が多かったのですが、今回はアニメだろうがディズニーだろうがスターウォーズだろうが、とにかくタイアップできるものはタイアップしてでも話題性を盛り込み、視聴者に休む間を与えないように進行していました。

 司会のイノッチをフォローするためにジャニーズ勢も一丸となって協力していて、嵐や中居、木村らが次々と臨時MCとして加わるし、相変わらずAKB48グループは人数が多いせいもあって、あちらこちらに駆り出されて大忙しという感じでした。ジャニーズやAKBの獅子奮迅に比べてEXILE、三代目、E-girlsが働きが悪いのですが、あれはNHK側が使う気がないのか、本人たちがバラエティ的なことを断っているのか、どちらなんでしょう?

 選曲があまりにも懐メロに偏っていて、「今年の歌」を歌わせてもらえた出場者が少なかったのは残念ですが、こういう演出意図では仕方ないのかも知れません。ただそうなると、余計にぱみゅぱみゅとももクロを落としたのは合点がいきません。女性演歌歌手をあと2人落としてでも入れるべきではないでしょうか。なにせ小林幸子の「千本桜」に弾幕コメント入れてしまうのです。もう年配の視聴者には訳がわからないのを承知の上なのですから、だったらもう演歌減らしても良いでしょう。もし今年の紅白の視聴率が高かったら、来年は一気に視聴ターゲットを若返らせるかも知れないなと見ていて感じました。

 個々に印象に残った演出は、先ほどの小林幸子の弾幕、セーラームーンに扮するAKB、芥川賞作家の相撲、Perfumeの高度な映像との合成、そして前田敦子と大島優子のサプライズ登場です。AKBに関しては事前にイリュージョンをやるという話は流されていました。Mステで2度もやっているのにまたやるの?と思わせておいて、実は2人のサプライズのためのフリだったというのは、なかなかNHKもやるなと感心しました。きっとAKBのファンからは「最近卒業生が出過ぎではないか」と批判も起きそうですが、受けたし、話題になったし、たかみなも喜んでいたし、何より見ていてほっこりしたから良いんじゃないかと思いました。

 歌に関して良かったと思ったのは、ゲスの極み乙女。、NMB48、椎名林檎、Superfly、X JAPAN、レベッカあたりで、これはもしかして紅組が勝ったんじゃないかなと思って見ていたら、本当に勝ちました。紅白ではどちらが勝ってもあまり重要視はしていないのですが、さすがに最近は白組が勝ち続けていて納得できなかったので、久しぶりに紅組が勝って良かったです。
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レコード大賞個人史

2015-12-30 23:07:28 | テレビ・芸能
 今日、日本レコード大賞が発表されました。と言っても、この30年近く興味を失っていたコンテンツなので、実はどうでも良いんですけど、たまたま珍しく他に見たい番組もなかったし、この手の番組を娘と突っ込みを入れながら見るのも悪くないので、マンガ片手に右目で見ていました。

 新人賞は4人いたのですが、見事なまでに知らない歌手ばかりで、もちろん知っている曲もありませんでした。さすがにこれだけ無名の人が勢ぞろいするというのはスゴイことです。各有力プロダクションのプロモート合戦だとは言え、もう少し誰かいないのかと思いましたが、今年の新人歌手で他に誰がいたっけ、と考えてもパッと思いつきません。辛うじてクマムシくらいですが、彼らに新人賞を与えるわけにもいかず特別賞をもらっていました。

 賞レースが華やかなりし頃の70年代は、新人賞は本当に誰が貰うのかわからないくらいの豪華なラインアップでした。僕が小学校4年生だった1970年の新人賞は野村真樹とにしきのあきらの一騎打ちでしたが、個人的には「走れコータロー」のソルティシュガーを応援していました。1971年は小柳ルミ子と南沙織、1972年は麻丘めぐみ、森昌子、郷ひろみの三つ巴、1973年は浅田美代子、アグネス・チャン、桜田淳子とアイドル全盛でした。この頃は毎年のように応援している歌手がいてレコ大は大晦日のビッグイベントでした。大賞の行方も気になりましたが、小学生・中学生にとって親しみがわくのは、大賞よりも歌手の年齢が近い新人賞でした。

 高校生の頃は、大ファンだった山口百恵がいつ大賞を受賞するのかを毎年気にかけていました。1977年は「秋桜」の年でしたが沢田研二に敗れ、1978年は「プレイバックPart2」がヒットしたもののピンクレディーに攫われてしまい、1979年の「しなやかに歌って」もジュディ・オングの前に完敗。そして翌1980年に引退をした百恵は特別大衆賞というわけのわからない表彰をされてレコ大無冠のまま終わってしまいました。新人賞も貰えなかった百恵は本当に賞レースには縁が薄かったのです。

 1980年代前半はまだレコード大賞は権威がありましたが、中森明菜が連覇を果たした80年代後半になるとそれが揺らいできました。賞レースに金や派閥の争いが絡んでいるという記事が週刊誌などで掲載されるようになってきたからです。近藤真彦が「愚か者」で大賞を受賞した1987年には僕はすっかり白けてしまい、翌年の光GENJI「パラダイス銀河」で「ああ、レコ大は終わったな」と感じました。

 実際、この年を最後に視聴率も20%を切ったままですから、レコード大賞が国民的行事だったのは1980年代までだったということです。1990年から「ポップス・ロック部門」と「歌謡曲・演歌部門」に分かれるようになり、それを機会に僕はもう興味を完全に失ってしまいました。また以前はレコード大賞が終わってから紅白歌合戦が始まっていたのに、紅白が大幅に開始時間を早めたり、賞獲りレースを辞退するアーティストが多数出てきたりして、この頃から権威も大きく揺らいでしまいました。

 僕は大学生の頃までは大賞受賞曲を第1回の水原弘「黒い花びら」から20数曲、すべて諳んじることができました。何の役にも立ちませんが、それくらい気合を入れて見ていたのです。今年の大賞受賞曲は先ほどまで見ていたのに、もう曲名を忘れてしまいました。と言うか、そもそもあまり聞いたことがない曲でしたし。それに三代目JSBならせめて今年は「Summer Madness」でしょう。彼らがエイベックスの力で取ることがわかっていたとしても。

 

 
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6連休の目標

2015-12-29 23:42:34 | 健康・ダイエット
 年末年始の6連休に入りました。初日の今日は午前中に年賀状を仕上げて投函し、午後からサックスとピアノを練習。サイトの更新、溜まっているマンガを少し読み、溜まっているテレビ番組をかなり消化。これだけやっていたらもう深夜です。1日でできることなど本当に限られています。6連休と言っても、実家に行ったりしていると、すぐに終わってしまうので、いつも大したことはできません。

 それでもサックスとピアノだけはしっかり練習しておかないと、年明け4日にはどちらもレッスンがあるので、練習不足がバレバレになってしまいます。休みだからと言って丸一日練習できるわけではないので、コツコツと時間を見つけて練習するしかありません。

 ただこの連休の一番の目標はそういうことではなく、「太らない」こと。誰しもそうでしょうが、とにかく正月太りはします。確実にします。今日一日ですでに1kg近く体重が増えていました。そりゃそうです。ポストまで歩いただけで、一歩も外出せずに部屋にこもっていましたし、おやつばかり食べていたのですからダメに決まっています。風呂上りに体重計に乗ったらショックを受けました。パーソナルベストをたたき出しています。

 そもそもここ2、3年は血圧も高くて、医者から痩せろと言われているのに、むしろ太り続けています。ここのところ鼻血が長時間止まらないのも高血圧が原因かも知れません。それなのにさらに太るのは、さすがに僕でもヤバいと思います。テニスもしない、食べてばかりの連休に痩せるまではいかなくとも、太るのだけは何とか避けなければなりません。

 2月には人間ドックも控えています。ここから少々強い意志をもって痩せようと思います。2月のドックまでに今より3kgくらいは痩せておきたいなぁ。
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大出血の条件

2015-12-28 23:59:57 | 日記
 今日は仕事納め。少し早く帰れるので、退社後に鍼灸院に寄りました。施術してもらい少し体が軽くなっての帰りの地下鉄。乗って座って本を読み始めたら「あれ?」。右の鼻がムズムズすると思ったら鼻血が出てきました。ひと駅は様子を見ていましたが、これはマズイぞと思って次の駅で下車。ホームのベンチでポケットティッシュを鼻に詰めて様子を見ますが、一向に止まる気配がありません。それどころか、どんどん出てくるので、いよいよこれはマズイと思って、改札口を出てトイレの個室にこもりました。

 出血が激しくて詰めたティッシュがすぐに真っ赤になって溢れてきてしまうので、とても手持ちだけでは足りません。トイレの個室にはペーパーがあるので、それで何とか決壊を防ぎ続けました。個室に立てこもること40分。途中下車したのが乗降客の少ない駅なので、トイレに入ってくる客も少なく、2つある個室のもう一方に入る客も一人もいなかったのが幸いでした。結局最終的に鼻血が止まるまで小一時間。ようやく落ち着いたので地下鉄に乗って帰ることができました。

 鼻血は子どもの頃から頻繁に出るのですが、ここのところ止まるまで時間がかかることが増えました。1時間くらい出血が続くことも時々あって、忙しい時など何かと差し支えるので困ります。鼻血が出るタイミングは大抵決まっています。ひとつは当然のことながら鼻に衝撃が加わった時。中高生の頃はプールへ飛び込んだだけで出血していました。これが周りにバレると「女子の水着を見て興奮したんだろう」とからかわれるので困ります。

 それ以外ではしばらく俯いている時。これは多くが本を読んでいる時で、学生時代なら授業中とか、会社に入ってからは仕事中か通勤途中ですから、これもいきなりの出血はかなり困ります。家でゴロゴロしながらテレビを見ている時とかには出ないで、人目のある、ちゃんとしていなければならないタイミングで出るのです。なるべく今日のようにすぐにトイレに立て籠もりますが、そうもいかない時がたまにあると進退窮まります。

 そして一番頻度が高いのは寒い時に急に暖かい場所に入った時。冬に暖房の効いた部屋とか電車の中とか、一番多いのがお風呂に入っている時です。寒い季節に温かい浴室で俯いて顔を洗うと、条件がどんどん重なって揃っていくので、かなりの高確率で鼻血が出てきます。今日も寒い屋外から暖かい地下鉄に乗って、俯いて本を読み始めたので、条件の2つが揃ってしまいました。と言っても、それは冬場の日常ですから、いつもそれで出血するわけではありませんが、今日はそれに加えて鍼灸院で施術してもらって血行が良くなっていたのも加わっての大出血だったのではないかと思います。

 というわけで、これからの季節は春先まで僕にとっては要注意シーズンです。妙に逆上せそうな生暖かい場所にいるくらいなら、冷たい外気にさらされて、頭を冷やしている方がマシです。昔から言われる「頭寒足熱」がやはり体には一番です。

 
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テニス納めしました

2015-12-27 22:50:08 | テニス
 今日サークルのみんなとテニスをして、今年のテニス納めをしました。27日で終わりというのは例年よりも若干早めな上、来年のテニス始めが6日の予定なので、かなり今回は間が開きます。10日間もテニスをしないことなんて滅多にないので、体が鈍らないか心配です。その分、あちらこちら痛いところはかなり回復するだろうとは思っていますから良いんですけど。

 今年は1年間で160回テニスをしました。昨年は130回だったのでかなりのプラスとなりましたが、昨年は体調を崩して入院までしていましたから少ないのは当然としても、実感としてはよくテニスをした1年だったと思います。調べてみたら、この20年間でもっともテニスをした年は2011年の166回ですが、今年はそれに次ぐ回数でした。160/365というのは、計算すると週3回ペース(3/7)を少し上回っていますから、我ながら大したものだと思います。

 ただ来年は多分テニスの回数は減ると思います。と言うのも、8年間通っていたテニススクールを辞めたからです。2008年の1月に出た大会で負けた時に、もうひとつレベルアップしたくなってテニススクールに通い始めました。スクールなんて大学生以来でした。それから8年間ずっとスクールに通って、狙い通りにある程度のレベルアップは果たすことができました。それだけではなく、新たなテニス仲間と知り合うこともできたし、スクールライフは楽しくて悪くはありませんでしたが、そろそろ潮時かなと2年くらい前から感じてもいました。

 馴染みのコーチ陣が大きく変わってしまったのが理由のひとつ。加齢で体力的にきつくなってきたということもありますし、経済的な負担も重く感じるようになりました。サークルに元コーチとかも来てくれて、スクールに行かなくても相手には恵まれるようになったし、山本麻友美プロとの練習会が2010年春に始まりレギュラー化したのも大きな辞める理由になっています。何より自分がレベルアップすると、コーチ相手ならともかくスクール生同士で打ち合っていては練習の質が上がらないのです。むしろコーチ代わりに打ってあげているような場面が増えてしまいました。これではお金を払っている甲斐がありません。

 そんなわけで8年間通って愛着もあるスクールでしたが、年内で退会しました。来年はスクールに行ってない分だけ、自分でさらに企画してテニスする回数を増やそうと考えていますが、確実に週1できるわけではありませんから、恐らく年間で20~30回くらいはテニスするチャンスは減ることでしょう。まあ週3回以上というペースはやり過ぎ感があるので、50代半ばにはちょうど良いくらいに落ち着くんじゃないかと思っています。
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六曜は文化か?

2015-12-26 23:59:00 | 時事
 大分県が県と市町村で作った来年のカレンダーに六曜が入っているのは不適切だとして回収をすると発表したそうです。このニュースに対しては僕は当然の処置だと思います。過去に仕事で企業のカレンダーを作ったこともありますが、基本的にはカレンダー等には六曜は迷信であり差別を助長するという理由で入れないことになっているのも知っています。もしクライアントが六曜を入れたいと言ってきた場合は、そういう説明して、入れることによって人権団体などから抗議がくる可能性もあることを伝えた上で、それでもクライアントが入れると言えば入れます。

 六曜を入れたカレンダーを作るリスクを理解しているので、大分県が不適切だと回収を発表したのは「当然」だと思うのですが、それはあくまでもビジネス上のリスクを避けるための処置としての「当然」です。六曜が本当に差別を助長する人権侵害に当たるのかどうかという論議については考え方は人それぞれでしょう。世の中の多くの人は恐らくそういう認識は薄いでしょうから、このニュースについて疑問が噴出するのもわかります。カレンダーを見て大安とか仏滅とかわかった方が便利じゃないの、と単純に思うでしょうし。

 六曜自体に科学的根拠などないということについては、多くの人は理解を示すだろうと思いますが、じゃあなぜそれなのにみんな六曜にこだわるのか。仏滅に結婚式をするのはまだしも、友引に葬式をするのはさすがにやめておこうとなる人が大半でしょう。友引に葬式をしたことで何か他人に不幸があったら困る。周りから常識がないだのと責められる。だからやらない。本当は日程的な都合で友引に葬式をしたい人だっているはずです。その日に葬式を済ませないと仕事に差し支えるとか、海外にいる子どもが帰ってくるのに間に合わないとか、実際にマイナスの影響が出ているにも関わらず、それでも友引に葬式をしない。なぜか?六曜は一種の宗教になってしまっているからです。

 六曜自体には、例えば血液型で人を差別するほどの害はないかも知れませんが、そういうことを信じて行動する、さらにはそれを他人に強制するようになると、これはもう「布教」であり、信じていない人からしたらかなり迷惑な行為になります。いろいろな新興宗教に勧誘されたことがある人は多いでしょう。それと同じです。信じている人にすれば受け入れるのが当たり前のことでも、信じていない人にしてみたら迷惑な押し付けです。六曜は慣習だから、日本の文化だからと言う人もいますが(そもそも六曜の歴史は浅く広まったのは幕末~明治期だと言われています)、僕は文化や慣習ではなく、迷信で人を束縛する「因習」だと考えていますから、六曜は無くても良いと思います。

 六曜をカレンダーに記載することがストレートに差別や人権侵害に当たるとまでは思いませんが、信じていない人に強制したり束縛するのは人権侵害につながります。「仏滅に結婚式をするなんて」と非難されても、当人たちにとっては特別な思いのある日かも知れないのです。そもそも迷信を何の検証もせずに受け入れるような態度自体、好ましいものではありません。「夫婦は一緒の姓であるべき」と「友引に葬式をするものではない」は同じ地平にあると僕は思います。人それぞれなんだから、好きにすれば良いのであって、押し付けるのはよくありません。
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ポスト古館

2015-12-25 23:58:46 | テレビ・芸能
 「報道ステーション」のメインキャスターを務めてきた古舘伊知郎が来年3月での降板を表明しました。何かと政府与党との軋轢がありながら踏ん張ってきた古館ですが、とうとう力尽きたかなという印象がします。よくここまで戦ってきたと思います。偏向だのなんだのと批判され続けましたし、実際物議を醸すようなことも多かったですが、それでもマスコミは権力と対峙しチェックする存在であるという姿勢を貫いていることは僕は評価すべきだと思っています。

 前任の「ニュースステーション」の久米宏はテレビの申し子であり天才だっただけに、彼の後を継いだのは古館にとってはかなり大きなプレッシャーだったと思います。それまでの古館のイメージはマシンガントークを「芸」の域にまで高めたエンタメ系アナウンサーであり、硬派なキャスターのイメージはありませんでした。報道はあまり向いていないのではないかと思いましたが、それが12年にもわたりメインキャスターを続けるとは少々予想外の出来事でした。本当にお疲れさまと言いたいですし、次はまた充電してかつてのトークモンスター復活を望みたいと思います。

 さて、古館の後任がどうなるのかは注目です。彼が降板することで、テレビ朝日は報道ステーションをどうしていくのか、その方向性も問われることになります。現状のまま政府与党に牙を剥き続けるのか、それとも方向を修正してNHK的な穏健保守路線に向かうのか。新しいキャスターの人選によって、その方向性も自ずと見えてくることになります。

 後任についてテレビ朝日は未定としていますが、ネット上では早くもさまざまな憶測が上がっています。羽鳥慎一や宮根誠司といった知名度の高いタレントMCになれば話題性も高く視聴率も期待できるでしょうが、来年4月からとなると人気者の彼らのスケジュールを確保できるかどうかはわかりません。かつてみのもんたは恐ろしい数の情報番組やバラエティのMCをやっていたので不可能ではないでしょうが、さすがにニュースショーのキャスターとなると打ち合わせなどの時間もかかるし、そう簡単な話ではないと思います。

 と言って、お手軽な局アナでは数字が取れないし「重み」が足りません。局アナが何か世の中に物申したところで、それを視聴者がどう受け取るかと考えると、単なる進行役以上にはなれないでしょう。まして今のテレ朝には世間的知名度が高い人気アナがいないので、仮に時間が足りずに局アナを起用してもワンポイントリリーフの可能性が高いと思います。その後にやはり環境が整ったところで大物の登板があるような気がします。

 個人的には30代の若いキャスターが良いと思います。テレビや報道に若い世代の目を向けさせるには若いキャスターが良いし、柔軟な発想と瞬発力が欲しいです。ただし人気取りに安易にジャニーズとかお笑い芸人を起用するのはやめてほしいですけどね。

 

 
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極私的ドラマアカデミー賞2015

2015-12-24 23:49:51 | テレビ・芸能
 昨日に続き恒例企画。極私的ドラマアカデミー賞2015の発表です。今年もたくさんのドラマが放送されましたが、昨年ほど話題になったドラマが少なかったので選考が難しいです。いつものお断りですが、あくまでも個人的な感想です。また僕が見ていないドラマはどれだけヒットしていてもエントリーされないのでご了承ください。ちなみに昨年はこちら(「極私的ドラマアカデミー賞2014」)で。

 まず作品賞から。エントリーは『アイムホーム』『天皇の料理番』『花咲舞が黙ってない』『コウノドリ』『下町ロケット』。全て原作のマンガもしくは小説がある作品ばかりで、オリジナル脚本の難しさがよくわかります。知名度の問題だけではなく、骨格がしっかりしている、もしくは取材が緻密である作品じゃないと質の高いドラマは作りにくいのでしょう。この中から最優秀作品賞はと言うと『天皇の料理番』が僕の中では断トツでした。ストーリーだけではなく、演出も脚本もキャスティングも素晴らしく、笑いもあり感動もあり涙もありと、ドラマの全てがある作品でした。次点はどれもそこそこで迷いましたが原作のイメージをよく守った『コウノドリ』で。

 主演男優賞のエントリーは以下の通りです。木村拓哉(『アイムホーム』)、佐藤健(『天皇の料理番』)、綾野剛(『コウノドリ』)、濱田岳(『釣りバカ日誌~新入社員は浜崎伝助~』)、阿部寛(『下町ロケット』)。これは佐藤健の圧勝です。彼のエネルギーを全開にした熱い演技、特にその包丁さばきの見事さは、どれほど練習をしたのかと驚くほどのものでした。時点は濱田岳。西田敏行を前にして見事にハマちゃんを演じきりました。

 主演女優賞は毎年人材不足です。今年も寂しい戦いでした。エントリーは多部未華子(『ドS刑事』)、杏(『花咲舞が黙ってない』)、芳根京子(『表参道高校合唱団』)の3人のみ。主演した女優はたくさんいますが、ドラマとして面白くないと主演も輝けないということです。この中で選ぶとしたら杏になります。パート2ですから評価は厳しくなるのですが、すっかり役を自分のものにして杏=花咲舞のイメージがすっかり定着しました。次点は芳根京子。良いドラマでしたがちょっと地味すぎたのが惜しいところでした。

 多士済々の助演男優賞のエントリーは以下の通りです。桐谷健太、鈴木亮平(ともに『天皇の料理番』)、上川隆也(『花咲舞が黙ってない』)、新井浩文(『ド根性ガエル』)、西田敏行(『釣りバカ日誌~新入社員は浜崎伝助~』)。ここは毎年のことながら激戦です。大減量して鬼気迫る演技を見せた鈴木亮平、立場を変えて軽妙な演技を披露した西田、杏の相棒としてこれ以上はない上川も良かったのですが、ここは主演の佐藤健の陰で何とも言えない哀愁を演じて見せた桐谷健太にします。次点はゴリライモを魅力的に演じた新井浩文。彼は『アイムホーム』『下町ロケット』でも敵役を見事に演じていたので合わせ技です。

 助演女優賞。エントリーは上戸彩(『アイムホーム』)、蒼井優(『Dr.倫太郎』)、黒木華(『天皇の料理番』)、前田敦子(『ド根性ガエル』)、吉田羊(『コウノドリ』)。ここは抑えた演技で魅せた黒木華に。彼女は美人ではないのに美しい演技ができる女優で素晴らしいと思いました。次点は難しいところですが、さすがの存在感を見せつけた蒼井優にします。

 恒例の期待外れ賞は大河ドラマ『花燃ゆ』でとも思いましたが、最初から期待していなかったことを思い出したので除外。作品賞にもノミネートした『下町ロケット』にします。確かに作品として話題になったし視聴率も取ったし面白くなかったわけではないのですが、このスタッフのドラマはあまりにもワンパターン過ぎて途中で少々ウンザリしたことも確かです。勧善懲悪の時代劇風味でわかりやすいのが受けたのだろうと思いますが、『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』に続く3作目ですからもう少し捻りが欲しかったかも。期待が高かっただけに期待外れの部分も大きかったということで。

 また特別賞は満島ひかり。『ド根性ガエル』のピョン吉の声は神がかっていました。声だけでもあれだけの演技ができるとは満島ひかり恐るべしという強い印象を残しました。主演女優でも助演女優でもあるのですが、敢えてその部門から外しての特別賞とさせていただきます。
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恒例冬ドラマ展望

2015-12-23 23:59:34 | テレビ・芸能
 恒例の冬ドラマ(1-3月期)展望です。と言っても今年は本当にドラマを見る数が減ったので、最近この展望もかなり怪しいものになってきました。見ていないのに展望もなにもあったもんじゃありませんが、長年の恒例なのでとりあえずやってみようかなと思います。

 まず今や視聴率がもっとも取れる枠になったTBS系日曜夜9時から。この枠はホームドラマか池井戸原作かという感じですが、今回はホームドラマできました。『家族ノカタチ』。独身主義の30代男女とその親のホームドラマ。主演は香取信吾、共演は上野樹里、西田敏行、水原希子、荒川良々、千葉雄大、柳原可奈子、中村アン、水野美紀、風吹ジュンほか。これで視聴率が取れるかどうかと言われると微妙なキャストですが、枠のパワーでそこそこ期待はできるとは思います。

 最近低迷が続くフジ系月曜夜9時は『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』。東京を舞台にした旬な若手俳優が競演する青春群像劇。まあいかにも月9らしい内容です。脚本はベテラン坂元裕二。主演は有村架純、高良健吾。共演は高畑充希、西島隆弘、森川葵、坂口健太郎、浦井健治、永野芽郁、高橋一生、松田美由紀、小日向文世、八千草薫ほか。いかにも若者向きなのですが、若手を揃えても目玉になるようなスターがいないので大丈夫かなと思います。ターゲット外の僕にはあまりにも興味がわかない内容ですが、果たして今の若者はこういうドラマを求めているのでしょうか?

 TBS系火曜夜10時『ダメな私に恋してください』は気楽に見られそうなラブコメディ。主演のダメ女に深田恭子、共演にディーン・フジオカ、三浦翔平、野波麻帆、ミムラほか。コメディ好きの僕ですし、フカキョンも嫌いではないですが、いかにも低予算で作った感のあるドラマだけにどうかなと思います。朝ドラで人気のディーン・フジオカが注目かな。

 その裏のフジ系火曜夜10時『お義父さんと呼ばせて』も恐らくコメディ。遠藤憲一が年の差婚をする蓮佛美沙子の父親が渡部篤郎。このオヤジ2人のバトルが見どころ。他にあまり情報も出ていないのでわかりませんが、脚本が『離婚弁護士』や『BOSS』の林宏司ですから脚本次第では意外に面白くなるかも知れません。

 日テレ系水曜夜10時は『ヒガンバナ~警視庁捜査七課~』。女性犯罪を担当する女性刑事たちの警察モノ。主演は堀北真希、共演は檀れい、知英、高梨臨、YOU、DAIGO、佐野史郎、大地真央ほか。役者はそこそこ話題性のある人やベテランを揃えていますが、警察モノは内容次第ですからどうなることやら。脚本家を多く揃えているようなので、回ごとのギャップが大きいかも知れません。

 そしてまたその裏のフジ系水曜夜10時『フラジャイル』は医療モノ。マンガ原作で、偏屈イケメン天才医師に長瀬達也。共演は武井咲、野村周平、小雪、北大路欣也ほか。長瀬のドラマは面白い作品が多いですが、医療モノとなるとどうなることか。脚本はベテランの橋部敦子ですし一定のクオリティは担保されているとは思いますが。

 その橋部作品の「僕の生きる道」シリーズに出ていた草なぎ剛が主演するのがテレ朝系木曜夜9時『スペシャリスト』。犯罪者の心理を知り尽くした刑事が事件に挑む警察モノ。共演は南果歩、芦名星、和田正人、夏菜、平岡祐太、吹越満ほか。ちょっとキャストは弱いですが、テレ朝はこうしたジャンルのドラマは得意としているだけにどうでしょう。

 逆に犯罪者側が主人公になるのがフジ系木曜夜10時『ナオミとカナコ』。DVの夫を排除するために完全犯罪に挑む女性2人の話です。原作は奥田英朗。主演は広末涼子、内田有紀。共演に吉田羊、高畑淳子、佐藤隆太ほか。広末と内田という90年代から活躍してきた人気女優の初共演というのが話題です。佐藤隆太が2役なので、ドラマの面白さを決めるのはむしろ佐藤の演技力かも。

 TBS系金曜夜10時はイギリスの作家のサスペンスを原作にした『わたしを離さないで』。脚本は森下佳子。『仁』『ごちそうさん』『天皇の料理番』などヒューマンなドラマを書かせたらいまや天下一品の人気作家。主演は綾瀬はるか、共演に水川あさみ、三浦春馬、真飛聖、伊藤歩、甲本雅裕、麻生祐未ほか。内容がサスペンスなだけに森下のテイストがどう生きるのかが気になります。

 お子さま向けの枠として定着している日テレ系土曜夜9時は『怪盗 山猫』。神永学原作のミステリーをドラマ化。企業から大金を盗み悪事も暴く天才怪盗に亀梨和也。共演は成宮寛貴、広瀬すず、菜々緒、北村有起哉、大塚寧々、佐々木蔵之介ほか。なかなか人気者を揃えたキャスティングです。亀梨が主演じゃなければ見たくなります。少々残念。

 ざっと見渡したところ、「これは見たい!」と思わせるような作品が見当たりません。企画は手堅いですがどれも冒険していないし、俳優も見慣れた連中ばかりで、わくわくさせてくれるような組み合わせもありません。強いて言えば僕の好みでは『お義父さんと呼ばせて』『ナオミとカナコ』ですが、どちらも視聴率は一桁に沈みそうな気配はつきまといます。来年1-3月期は大河ドラマ『真田丸』に集中しようかな。
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悪夢のような話

2015-12-22 23:59:58 | Mっちゃん
 久しぶりにMっちゃんの話です。悪夢のような出来事が起きた話をしてくれました。Mっちゃんがクライアントから大事な大事な商品を預かったんだそうです。商品と言ってもその会社の創業時のもので、博物館に置いておくような記念の商品。それを広告制作に使うために借りてきてイラストに描き起こし、戻ってきたものをMっちゃんが返却するつもりだったそうです。

 ところが先週、気がついたらその商品が入った箱がなくなっていました。デスクのゴミ箱の横に置いておいたので、誰かが空き箱と勘違いして間違って捨ててしまったと思ったMっちゃんは真っ青になりました。あまりにも貴重なものだけに恐ろしくなったMっちゃんは、上司にも周りの同僚にも紛失したと言えず、ひとりで何とか黙って見つけ出そうと考えました。ゴミを集めた業者から辿って、どこにありそうなのか問い合わせたところ、某大型ゴミ処理場に送られているということまでわかりましたが、そんなところに行ってしまっていたらもう見つけ出すのは無理です。テレビドラマじゃないんだからゴミを漁っても見つかるはずがないし、そもそもいつ紛失したかもわからないのですから、とっくに焼却されている可能性が大です。

 焦ったMっちゃんは似たような商品がネットで売りに出されていないか探したそうです。当然そんな貴重な骨董的商品が売られているわけもありません。そもそもネットで類似品が見つかったところで、それをクライアントに持っていってどうしようというのでしょう?「なくしたので似たものを買ってきました」と言えば許されるとでも考えたのでしょうか、それとも知らん顔をして返せばクライアントをごまかせるとでも思ったのでしょうか。

 このままではどうにもならないと思い詰めたMっちゃんは「逃げる」しかないと考えたそうです。会社に何も言わずに会社を辞めて行方をくらまそうと。そんなことをしたって何の解決にもなりませんし、逃げ切れるはずもないのですが、思考が全くおかしくなってきています。テストで0点を取った小学生並みの発想です。とても50代後半のオヤジが考えることではありません。

 紛失に気づいてから4時間後、逃げ出す前にあまりのプレッシャーから解放されたくて、その仕事を一緒にしていた外部のプロダクションの人間にだけこっそり打ち明けたそうです。「大変なことが起きた。驚かないで心して聞いてくれ。借りてきた商品を紛失しちゃったんだよ」と。相手はしばらく黙って聞いてからMっちゃんに言いました。「Mさん、何を言ってるんですか?あれは怖くてとても預かれるようなものじゃないから、借りずにあの場で僕が写真撮って、その写真をイラストレーターに渡したでしょ?僕が写真を撮っているのをずっと横で見てたじゃないですか」と。

 Mっちゃんはようやく悪夢から覚めました。そうか、そう言えばそんな話をして写真を撮っていたっけ。なんだ、あれは借りてこなかったのか、あー、助かった。「いやぁ、クリタさん、本当にこれまでの人生で一番ショックな出来事だったよ。今でもまだその時のショックとストレスで体調が悪いんだよ」だって。

 いやいやいや、この話を聞かされた僕はどう反応したら良いんでしょう?何も問題なくて良かったね、ですか?ストレスで大変だったね、でしょうか?そんなこと、言うはずありません。頭から尻尾まで、あまりにも突っ込みどころが多すぎてクラクラします。行動のひとつひとつ、思考のひとつひとつが間違え過ぎています。これが本当に夢の中の話ならわからなくもありません。そういう変な夢を見ることも時にはあるでしょう。でも寝てもいないのに現実にそんなことする人っていますか?

 なくなったと思った箱って結局なんだったの?中身の入った箱を確かめもせずに勝手に捨てる人がいるの?なぜ早く周囲に確認しないの?だいたい本当にその箱は現実に存在したの?そもそも預かっていないものを預かったと勘違いしたまま、そこまで気づかないで探し回っていられるものなの?イラストレーターに渡したり返してもらった事実もないのに?逃げてどうするつもりだったの?

 これでどうしてMっちゃんが「優秀な営業マン」だと、いま在籍している会社に評価されているのか、僕には全く理解できませんが、飛びぬけたエピソード製造マンであることだけは相変わらず確かです。
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