幹事クリタのコーカイブログ

テニスをはじめあれこれ好き勝手書いています。「幹事クリタのコーカイ日誌」のブログ版です。

アニメ『葬送のフリーレン』最終回

2024-03-23 23:42:12 | マンガ
 アニメ『葬送のフリーレン』が昨日の放送で最終回を迎えました。と言っても、ストーリーはまだ一級魔法使いの試験が終わったところで、マンガの方はその後もずっと続いていますので、いったんここで休止というところです。ただアニメ第2期の発表がなかったので、しばらくはアニメは放送されないと思われます。アニメファンとしては寂しい限りでしょう。

 何度も書いているように僕はマンガ好きであってアニメファンではないので、やらないならやらないでも良いのですが、とは言え、アニメを普段見ない僕が毎週ちゃんと見るほど、『葬送のフリーレン』のアニメ化は原作ファンも納得するほどの良い出来でした。アニメはマンガでは表現できない「動き」「音」「間」が表現できます。さらに週刊連載のマンガは全編カラー化は至難なので、アニメなら「色」もわかります。原作の改悪がされていない限りは、アニメ化は原作ファンとしても歓迎です。

 アニメ『葬送のフリーレン』はかなりのヒット作です。今の日本テレビでは全番組の中でもバズっていることではトップクラスですから、このまま終わりということはあり得ないでしょう。勝手な僕の憶測ですが、いったん最終回にして第2期の発表がないのは、いつから再開するかについて原作者もしくは小学館との調整がついていないだけなのではないかと考えるのが一番素直です。なにせオリジナルストーリーを入れ込んで引き延ばしをするようなことをしていませんから、原作をどんどん消化していってしまいました。第2期を始めるにしても、どこまで原作のストックがあれば良いのか計算する必要があります。

 もちろん次は劇場版ということもあり得ます。『鬼滅の刃』方式です。劇場版を作るとしたら恐らく「黄金郷のマハト」の話になるでしょう。テレビアニメからの流れとしても自然ですし、劇場版にするには適度な原作のボリュームがあり、さらにエピソードとしてもバトルもあり感動もありで盛り上げやすいです。理想としては夏に映画を公開して、秋からテレビアニメ第2期というのが良いところですが、原作の連載が最近滞っているので、そんなにトントンと進むかどうかはわかりません。全ては僕の憶測なので、全然当たらなかったとしてもスルーしていただければと思います。
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『龍と苺』の驚きの新展開

2024-03-22 23:47:44 | マンガ
 僕が少年サンデー連載中の作品で『葬送のフリーレン』とともに楽しみにしているのが将棋マンガの『龍と苺』(柳本光晴)です。フリーレンと連載開始時期も近く、どちらの作品もずっと面白いままのテンションをキープして続いています。『龍と苺』では女子中学生の藍田苺が将棋を覚えて天才的な才能を発揮して、異常なスピードで上達をして竜王位を目指すというストーリーでしたが、先月にはそれも達成してしまいました。

 マンガが始まった当初の目標がクリアされたとともに、苺の保護者役だった宮村がガンで死んでしまい、これはもう最終話になるのかと覚悟しました。新しい展開が難しいところまでストーリーが進んでしまいました。2020年5月から始まった作品だったので4年で終わるのは短いなとは思いましたが、これ以上はもう面白くしようがないだろうとも感じました。

 ところが今月に入って始まった新展開が想像の斜め上をいくものでした。理由は不明ながら、なぜか竜王になったはずの苺はいきなり100年後の世界にタイムリープしてしまうのです。今のマンガ界では流行の展開ですが、まさかこの作品でやるとは想像もしていませんでした。訳がわかりません。100年後の世界で新装された将棋会館に行き、そこで伝説の棋士である「藍田苺」と名乗り、奨励会の少年と対局して圧倒します。そして100年後のトップ棋士たちと出会って、というところまでが今週の連載分です。

 この展開からすると、新しく登場した100年後の棋士たちとまた戦っていくのかと思いますが、これはとても難しい展開を選んだものです。去年、羽生善治が七冠当時の羽生と今の藤井八冠が戦ったらどうなるのか、という記者の質問に笑って「勝てません」と答えましたが、それは時代が進んでいくにつれて過去の棋譜を研究して棋士たちは進化を続けているからです。今の最強が当然史上最強だということを羽生は言っています。

 そういう意味からしたら、苺がいきなり100年後に行ったら奨励会の三段相手でも苦戦していてもおかしくありません。当然トップ棋士には勝てないはずです。現時点で最強の棋士がより強い相手を望むなら、未来に飛ぶしかないとう発想からの新章だと思いますから、これからまた苺は苦心して100年後の進化した将棋を研究してそれを破っていくという展開になるのかなと思います。ただ100年後の将棋がどう進化しているのか、今の段階ではまるで想像がつかないだけに、本当に納得のいく棋譜を読者に提示できるのか、そこがポイントになってきそうです。

 そして苺が100年後の最強棋士にも勝ったら、次はどうするのでしょう。どこかで現代に戻ってこないと、苺の伝説は始まらないのですが、戻ってきても強すぎて苺としてはつまらないでしょう。じゃあさらに未来へとタイムリープするのか?まあそんな先のことまで読者が心配しなくても良いのかも知れませんが、あまりにも突飛な展開だっただけに、ファンとしては先がちょっと不安になっています。
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鳥山明と言えば

2024-03-08 23:11:15 | マンガ
 突然の訃報でした。鳥山明が亡くなりました。まだ68歳。さすがに早いと思います。鳥山と言えば「アラレちゃん(『Dr.スランプ』)」「ドラゴンボール」「ドラクエ」。どれもデビュー以降、主に1980~90年代に手掛けた仕事です。しかもドラクエはキャラクターデザインであって、本業のマンガの長編作は上記2作品だけ。もしかしたらすでに為すべきことは成していたのかもと思うと、これが天命だったのだと、ファンとしては無理に納得するしかないのかも知れません。

 初めて少年ジャンプでアラレちゃんを見た時は衝撃的でした。新人のはずなのに最初から完成されていて、しかも全く新しかったのです。それまで少年マンガの世界で最先端は江口寿史だと思っていましたが、鳥山明は一気に江口を抜き去りトップランナーになりました。しかも地元愛知県出身で、どんなに売れてもずっと愛知県在住。作品の中には名古屋弁を喋るキャラクターまで登場します。まさに地元の誇り。信長、秀吉、家康の「三英傑」以来の地元の誇りでしたが、地元を出て行かなかっただけ鳥山の方が「誇り」度は上かも知れません。

 『Dr.スランプ』のあとに『ドラゴンボール』がさらに上をいくような大ヒットとなり、加えてドラゴンクエストのキャラクターデザインと、1980年代から90年代の鳥山は無敵状態でした。国民的マンガ家として手塚治虫の後を継ぐのかとも思いましたが、その後が続きませんでした。『ドラゴンボール』を引っ張り過ぎたこともあるでしょうが、手塚のように並行して他誌にも描くような時代でもありませんでした。結局生涯で代表作2作品以外は短期集中連載したものや短編にとどまりました。若い頃にもっと自由に描かせていたら、どんな傑作をいくつ生みだしていたかと思うと、ジャンプ編集部の責任は重いです。

 12年ほど前に「日本の5大マンガ家」を考えた時に「手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄、萩尾望都、鳥山明」かなと書きました。ただ鳥山明を入れることをこの時に迷ったのは、鳥山の作品数が他のマンガ家に比べて圧倒的に少ないからです。鳥山明と言えば、の後が限られてしまいます。逆に言えば、それでも5人の中に入れたいほど魅力的なマンガ家でしたし、後世に与えた影響力の大きいマンガ家でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。 
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アニメ化されたフリーレン

2023-10-21 23:59:07 | マンガ
 僕は子どもの頃からマンガを読むのが大好きで、未だにずっと読み続けていますが、アニメは子どもの頃こそ見ていましたが、今はそこまで熱が入っているわけではありません。特にマンガをアニメ化したものには慎重で、自分のイメージと少しでもズレると違和感を感じます。「原作至上主義者」みたいなところがあるのだと思います。だから最初からアニメとして見る分には抵抗がないので、ジブリあたりはそこそこ見ていますが、『THE FIRST SLAM DUNK』には腰が重くてまだ未見です。

 そんな原作至上主義の僕が珍しくアニメ化された作品を毎週見ているのが『葬送のフリーレン』です。日本テレビ系で毎週金曜日夜11時から放送されていて、初回は金曜ロードショーで2時間スペシャルでスタートしました。原作は僕がこの10年間のマンガで最高傑作だと思っているので、正直言えばアニメ化なんて見るだけで幻滅しそうだったのですが、何かの拍子に予告編を見たら「おー、これは実際に動いているフリーレンだ」と思ったので、しっかり見てはまってしまいました。

 昨日の第7話まで見て、本当に見事なアニメ化だと感じています。絵は美しく忠実に原作を再現されているし、声優の演技も微妙に違うかなと思う時もないではないですが、敢えて文句を言うほどではありません。カメラワークも音楽も良いです。主題歌もオープニングテーマがYOASOBI、エンディングテーマがmiletと、きっちり王道をいっています。そして何より脚本というか、構成が良いです。原作通りなのだから誰でもできそうですが、原作をきちんと理解してアニメに再構築しているのがわかります。

 キャストとスタッフが全員で原作の世界観をアニメとして作り上げているので、原作ファンが見ていても本当に違和感がありません。もう一度原作を読んでいるかのような感覚に浸れます。逆に原作を知らずにアニメだけ見始めたら、なんだか退屈で淡々として盛り上がらないアニメだなと思うかも知れません。原作にはまれる人じゃないとアニメにもはまれない(かも知れない)ような作品に仕上がっていて、だからこそ原作至上主義者としては最高のアニメ化だと感じています。全部録画して残しておこうかとも思いましたが、Huluで配信しているので、見直したいときにはそちらで見ることにします。
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我が青春の松本零士

2023-02-20 23:32:09 | マンガ
 松本零士が亡くなりました。小学生の頃から読み親しんでいたマンガ家がまたひとり亡くなりました。手塚治虫、横山光輝、白土三平、水木しげる、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄、水島新司、ジョージ秋山、さいとうたかを、そして松本零士。残っているのは、ちばてつやと永井豪、川崎のぼるくらいでしょうか。

 松本零士を初めて読んだのは、恐らく少年ジャンプに連載されていた「光速エスパー」ではないかと思いますが、まだ7歳くらいだったのではっきりした記憶はありません。松本を意識したのはやはり「男おいどん」です。小学生には良く理解できないところもある作品でしたが、その面白は十分に感じられました。松本に夢中になったのは「銀河鉄道999」と「宇宙海賊キャプテンハーロック」からです。もう高校生になっていましたから、SFモノはドンピシャ世代でした。

 さらにアニメ「宇宙戦艦ヤマト」の大ヒットで、大学に入る頃には松本零士ブームが到来します。バイト代で松本作品を遡って買い集めました。そこで結構エロチックな作品も描いていたことを知りました。またハーロック、エメラルダス、トチローがいくつかの作品にまたがって登場する松本零士ワールドも当時としてはかなり斬新で、手塚が開発したスターシステムに近いけれども、ひとつの世界観の中でキャラクターが相互に登場するところに新味があると当時は思いました。

 残念ながら僕の中でも世間的にも松本零士ブームは大学生の間に終わってしまいました。実際、1980年代以降はヒット作にも恵まれませんでしたが、僕の青春時代を彩ってくれた松本の残した作品たちは、今も我が家の本棚に大事に残されています。謹んでご冥福をお祈りいたします。 
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手塚治虫の『漫勉』

2023-02-04 23:21:07 | マンガ
 NHKのEテレで不定期に放送している『浦沢直樹の漫勉neo』。新シリーズ第1回が手塚治虫でした。故人を取り上げるのは初めてだということですが、本人がいないのにどうするのかと思ったら、アシスタントをしていた石坂啓ら3人が参加して、浦沢と手塚のマンガへの取り組み方、描き方、作画法などについて探っていくという構成で、手塚のマンガを読んで育ったマンガ好きとしては実に面白い回でした。

 最近発掘された資料ということで、手塚の原画や未掲出原稿などもふんだんに登場して、並行する連載をこなす量産のための工夫、色へのこだわりや、ペンの持ち方から線やキャラクター造形について推測したり、『ブラックジャック』や『火の鳥』などの名作に込められた思いなどを深く語っていきました。

 1970年代から1980年代の手塚の話が多かったですが、当時連載を毎週愛読していた身としては、リアルタイムで作品に触れていただけに、より興味深かったり、理解できる話題が多かったです。『ブラックジャック』が劇画ブームで「オワコン」化しつつあった手塚の勝負作であったことは良く知られている話ですが、実際に初回のブラックジャック登場シーンの目の大きさへの迷いを実際の原稿で見ると、手塚の気持ちがひしひしと伝わってくるような気がしました。

 手塚が亡くなる数年前にインタビューで「あと40年は描くよ」とアイデアがまだまだ頭の中にあると語っている映像を見ると、何でさっさと死んじゃったんだと返す返すも残念になります。日本のマンガとアニメは手塚がいたからこそ世界に誇れる文化になったのだと誰もが言いますが、改めてその通りだなと痛感させられた回でした。
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超天才が活躍するマンガ

2022-10-07 23:10:41 | マンガ
 マンガの世界は天才だらけですが、主人公が隠れた才能を持つ雑草育ちの天才という形がひとつの典型的な構造になっています。秘めた才能がありながら埋もれていた主人公が、ある時にその才能を発見されて、エリート育ちで天才と言われているけれども実は努力家のライバルと切磋琢磨していくというのが黄金パターンです。『巨人の星』の星飛雄馬と花形満、『ガラスの仮面』の北島マヤと姫川亜弓、 『ピアノの森』の一之瀬海と雨宮修平などが雑草育ちの天才と、エリート育ちながら実は努力家という組み合わせです。

 僕は昔からこの手の主人公とライバルの物語を見ていると、ライバルが可哀想に思えてなりませんでした。周囲からチヤホヤされているけれども、実は白鳥が水面下で懸命に足を掻いているように秘かに頑張っているのに主人公に負けてしまって報われないのですから。何よりライバル自身が主人公の天才さを誰よりも理解していて、敵わないと思っているのが切ないです。『SLUM DUNK』の桜木花道と流川楓のように、むしろ天才という点ではライバルが上回っていてくれたらスッキリするのですが。

 そんな中、いま少年サンデーで連載中の将棋マンガ『龍と苺』(柳本光晴)は主人公が天才として突き抜けすぎていて、そこが気持ちが良い作品です。2020年から連載を開始していますが、始まった当初から僕は面白いと思っていました。絵は決して上手いとは言えませんが、主人公や周囲の人物のキャラクターの作り方と、展開のテンポの速さが素晴らしいです。主人公は女子中学生の藍田苺ですが、とにかく異常なほどの才能故に、切磋琢磨するライバルがいません。進歩が早過ぎて同じ年頃のライバルがついてこれないのです。

 どんどん強くなっていってしまうので、連載開始からわずか2年ほどで、早くも当初のラスボス的な目標であったトップ棋士・伊鶴航大 との対局が迫ってきています。このままでは連載がもうすぐ終わってしまうのではないかと思うのですが、どういう終わり方をするのか、もしくは終わらせないで次の展開があるのか、作者が何を考えているのか興味深いです。

 
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冨樫義博のTwitter

2022-05-25 23:19:46 | マンガ
 Twitterへ「とりあえずあと4話。」との一文とともに、原稿の一部とみられる画像を投稿した富樫義博。本人かどうかも最初はわからずネットを騒がせましたが、集英社が本物と認めたことで、フォロワーもリツイートも「いいね」も爆発的に増えました。有吉弘行の結婚ツイートよりも「いいね」は多かったそうです。

 富樫が少年ジャンプに連載中というか休載中の『HUNTER×HUNTER』が最後に掲載されたのが2018年11月。すでに3年半も休載が続いているので、Twitterを始めたことでまたぞろ「富樫仕事しろ」がネット上に溢れています。その仕事ぶりをちらっとツイートしたわけですから騒ぎにもなろうというものです。もっとも再開は未定だと編集部は言っているので、この先どうなるかわかりませんが、今秋あたりに一挙10話くらいを毎週掲載するつもりなのかなと予想しています。

 『HUNTER×HUNTER』が連載を開始したのは1998年のこと。僕は個人サイトを立ち上げて3年目でした。当時マンガ批評のページをサイトに載せていて、この作品が始まった時にも取り上げたものですが、まさかそれから四半世紀近く経ってもまだ完結していないとは思いもしませんでした。本人も以前にインタビューで「作品が終わるのが先か自分が死ぬのが先か」と語っていましたが、本当にそろそろきっちり完結させてほしいものです。

 なにせ休載する前の作品世界では登場人物が過去最高に増えてしまい、話が錯綜しまくっていて先も見通せず、なおかつ主人公のゴンは全く姿を見せないという、何がなんだかの状態でした。あんなにとっ散らかった物語をどう収斂させていくのか、楽しみであり心配でもあるので、本当に富樫早く仕事しろと願っています。

 

 
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藤子不二雄もか

2022-04-09 23:46:37 | マンガ
 藤子不二雄Aが亡くなりました。相棒の藤子・F・不二雄が亡くなってから既に25年余り経っています。手塚治虫が平成の始まりとともに消え、それからほぼ10年ごとに石ノ森章太郎、赤塚不二夫も亡くなりました。そしてついに藤子不二雄がふたりともいなくなってしまったことで、トキワ荘の奇跡の住人たちもその作品群のみを残していなくなってしまいました。水野英子は存命ですが最近活動を聞かなくなりました。元気なのでしょうか。

 僕が幼い頃はトキワ荘の作家たちの全盛期で、彼らの作品が次々とアニメ化されてテレビで放映されていた時代でした。手塚の「鉄腕アトム」「ジャングル大帝レオ」「どろろ」などを筆頭に、石ノ森の「サイボーグ009」、赤塚の「おそ松くん」「もーれつア太郎」、そして藤子の「おばけのQ太郎」「パーマン」「怪物くん」などで僕の幼少期は成り立っていたと言っても過言ではありません。

 とりわけ藤子不二雄は子ども受けする作家でした。のちにFの「ドラえもん」が国民的アニメとして成長していくわけですが、「おばけのQ太郎」も当時は猛烈な人気でした。この作品がAとFの最後の共作だと言われていますが、おばけを主人公にしようとする発想はいかにもAのものです。その後Aはブラックユーモアの効いた作風になって独自路線をいきますが、その初期の「プロゴルファー猿」は恐らく日本初のゴルフマンガ(ちばてつやが言っているそう)で、ゴルフの何たるかに最初に触れたのはこのマンガだという60代以上はさぞかし多いことだろうと思います。

 先日の水島新司といい、その前のさいとうたかをといい、僕が子どもの頃から親しんでいる漫画家が次々と鬼籍に入っていきます。残るはちばてつやか松本零士くらいです。寂しいです。

 

 
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水島新司が逝った

2022-01-17 23:45:36 | マンガ
 マンガファン歴55年ですが、水島新司はそのファン歴の大半を一緒に過ごしてきたマンガ家です。最初のヒット作である「男どアホウ甲子園」が1970年。当時の少年サンデーの中でも異色の野球マンガでした。僕は小4でしたがいっぱしの野球ファンでした。当時は「巨人の星」が少年マガジンで連載されていて、ライバル誌のサンデーではそれに対抗するような関西を舞台にした野球マンガを始めたなと子ども心に感じていました。

 水島マンガにのめりこんだのは「ドカベン」と「野球狂の詩」でした。「ドカベン」の緻密でリアルな野球観はそれまでの魔球ばかりの野球マンガになかったものでしたし、「野球狂の詩」のロマンやペーソスは勝負にばかり偏った野球マンガとは一線を画していました。とどめは「あぶさん」で、完全に大人向けの内容である上に、実在のプロ野球の中に架空のキャラクターをはめ込んだ「仮想現実」的な作品世界にすっかりはまってしまいました。

 野球マンガの幅を広げて大きなひとつのジャンルに成長させたのは水島新司の功績ですし、水島作品なくして「キャプテン」も「タッチ」も「すすめ‼パイレーツ」も「がんばれ!!タブチくん!! 」も「ROOKIES」も「MAJOR」も「グラゼニ」もなかったでしょう。水島マンガの影響を受けずに野球マンガを描くことは不可能だったと思います。

 さらに言えば日本の野球ファンのすそ野を広げたという功績もあります。水島マンガを読んで子どもたちは野球のルールを覚え、野球界の仕組みを知り、技術や戦術を学びました。昭和の日本における野球の普及に一番貢献したのは長嶋茂雄と水島新司です。我が家には水島マンガだけで数百冊もあります。もうこれ以上、それが増えないのが残念です。ご冥福をお祈りします。
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