またドラマ『季節のない街』の話ですが、原作に忠実に重くて暗く救いのないエピソードが多い中で、それでもクドカンならではのユーモアが随所に織り込まれていて、どこかでホッとさせる手腕はさすがだと思います。またいろいろと名シーンや名言も多く、それを演じてみせる俳優陣のレベルの高さにも感心します。深夜ドラマの予算ではできない配信チャンネルの力を見せつけられています。
先週の第8話では主人公が元彼女と付き合った理由が「嫌いなところが一緒」だということを言っていました。嫌いなところが一緒だから悪口をふたりで言ってスッキリするし楽しいということでした。よく「好きなことが同じ」だから結婚したというカップルの話は聞きますが、むしろ「嫌いなことが同じ」方が生活をしていく上では大事ではないかと僕も思います。好きなことはお互い個々に楽しめば良いし、一緒じゃなくても困りません。しかし嫌いなところがズレていると、ケンカの原因になりやすいです。
嫌いなモノやコトを持ち込まれたり、ましてや押し付けらたりれるのは本当に苦痛です。ドラマの中でも言っていたように、嫌いなものについて一緒になって悪口を言うのはストレス発散に最高です。今の時代、好きなことは公言しやすいですが、嫌いなことを表明するのは気を遣います。特にSNSの時代になってからは、下手に何かについて「嫌い」だと発信しようものなら、炎上さえしかねません。大昔はこのブログでも時々嫌いなモノや人について触れていましたが、いまは極力控えるかオブラートに包むようにしています。
ただ政治に関しての批判は良いし、大いにすべきだと思っています。政治を語るのをタブーにするのは、時の権力の増長と腐敗に加担することになります。ロシアや中国、そして北朝鮮などでは政治に対して何も言えません。言えば捕まって下手すれば殺されてしまうかも知れません。政治について黙っていることは独裁国家への第一歩なのです。だから気に入らないことがあれば言う癖は手放してはいけないと思います。