カマラ・ハリスが正式に民主党の大統領候補に指名されました。ギリギリのタイミングでの指名となりましたが、それだけに一気に人気が沸騰した感もあります。女性や若者、黒人に支持されるであろうハリスにとって、取りこぼしそうなのがバイデンを支持していた白人高齢層です。それを補うために副大統領候補にもってきたのがミネソタ州知事のティム・ワルツでした。経歴や人柄を見ると、なかなか巧みな配役だなと感じます。
ワルツは小さな町で軍人の家庭に育ち、17歳で州兵に加わり、退役軍人を対象にした学費支援で大学に通ったそうです。典型的なアメリカの白人中間層であり、リベラルと保守の違いはあれ、トランプの岩盤支持層とも境遇は重なり合うところもあります。検事出身で切れ者のハリスと違って、親しみやすい「隣のオジサン」風です。BBQオジサンとも言われていて、「裏庭でバーベキューやっている」のが似合うオジサンだということです。
トランプの副大統領候補のバンスは貧困家庭出身という経歴を強調していますが、名門エール大学を出て、シリコンバレーの億万長者から資金援助を受けてキャリアを積んだという点を「どこがアメリカの中間層だ」とワルツは批判しました。ワルツの登場で、ミニトランプとも称されるバンスを副大統領候補にしたことが、いよいよトランプの足を引っ張るかも知れません。
ちなみに中国はトランプよりもハリスが大統領になることを期待しているそうです。それはそうでしょう。トランプなんて習近平やプーチン以上に無茶苦茶ですから、交渉相手としてはかなりやりにくいはずです。もちろん日本もトランプよりはハリスの方がやりやすいはずです。3ヵ月後には次の米大統領が決まります。