僕が以前から主張している箱根駅伝の全国化の第一歩がついに決まりました。関東学生陸上競技連盟は来年10月に行われる第100回の記念大会となる箱根駅伝予選会について、参加資格をこれまでの関東学連登録者のみだったところを、日本学生競技陸上連合登録者に門戸を広げ、全国からの参加が可能ということにしました。英断だと思います。
学生のみならず全ての駅伝大会で最も知名度も人気も伝統もある箱根駅伝が関東のローカル大会であることがそもそもおかしな話で、箱根駅伝が11月の全日本学生駅伝の予選であるならわかりますが、実際には全日本が箱根の前哨戦扱いとなっています。ローカル大会が全国大会よりも格上の大会とあっては、有望な選手が箱根に出るために関東の大学に進学してしまうのも無理ありません。
関東の大学が強いのは箱根があるから選手が集めやすいだけで指導力や練習環境に優れているからだとは言い切れません。それを証明するように女子は名城大が5連覇を続けていて、それ以前も立命館大学や佛教大学、京都産業大学などが強かった時代がありました。高校駅伝も西日本の高校に強豪校が多いように、本来駅伝は「西高東低」なのです。地元の大学に進学できる方が助かる学生も多いことでしょう。
とは言え、現状男子は全日本の結果からもわかるように関東が他地区を圧倒して強いので、来年の予選会に関東以外の大学が参加しても本選に勝ち上がることができる大学がどれほどあるかというとせいぜい1校か2校でしょう。近年の全日本の結果を見ても、関東の15校の中に食い込めるのは関西の1位がやっと入れるかどうかというところです。予選会突破は関西の1位、2位と東海の1位あたりに可能性がある程度なので、多くは期待できません。
ただ今は100回の記念大会だけの話ですが、101回以降も全国に門戸を開き続ければ、数年後には関東以外の大学も強くなることは間違いないでしょう。日本の陸上界のためには、全国に強い学校がある方が裾野が広がりレベルも上がり、全体として発展できるわけですから、箱根駅伝の全国化はずっと続けるべきだと思います。