幹事クリタのコーカイブログ

テニスをはじめあれこれ好き勝手書いています。「幹事クリタのコーカイ日誌」のブログ版です。

二枚目と言えばアラン・ドロン

2024-08-19 23:27:39 | 映画
 アラン・ドロンが亡くなりました。僕が子どもの頃の大スターですから、自分の親と同世代。1935年生まれは母と同い年でした。我々が子どもの頃の「世紀の二枚目」と言えば日本では加山雄三、海外ではアラン・ドロンでした。もう今や二枚目という言葉も死語に近いのではないでしょうか。最近あまり耳にしません。「イケメン」という軽い言葉に取って代わられていますが、アラン・ドロンはやはり「二枚目」の方がしっくりきます。

 『太陽がいっぱい』でスターになったアラン・ドロンですが、1960年の作品で僕が生まれる直前の映画ですから、当然公開時には見ていません。子どもの頃に見て印象に残っているのはテレビの洋画劇場で放映された『レッド・サン』です。三船敏郎、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロンという日米仏の三大スターが共演した西部劇です。監督は「007」シリーズのテレンス・ヤング。もう若い人にはわからない単語だらけで悲しくなります。

 この映画ではアラン・ドロンは三船、ブロンソンに次ぐ三番手で敵役を演じていますが、正義の味方よりも悪役の方が似合う俳優でした。色気が過剰にあり過ぎて、単なる正義マンでは収まりきらないのです。『太陽がいっぱい』や『若者のすべて』など陰のある役柄がはまりました。日本なら沢田研二がまさにそういう俳優で、後に沢田の主演映画『太陽を盗んだ男』を見た時に、「日本のアラン・ドロンだな」と感動したのを覚えています。

 もっともアラン・ドロンが二枚目俳優の代名詞として大衆に人気だったのは日本だけで、ヨーロッパでは社会派作品にも出るちょっと違うスタンスの俳優という捉えられ方だったということです。その後、ロバート・レッドフォードやレオナルド・ディカプリオなど、その時代を代表する二枚目俳優が登場していますが、未だにアラン・ドロンがナンバー1だと思います。ご冥福をお祈りいたします。
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映画『THE FIRST SLAM DUNK』DVD

2024-02-28 23:56:04 | 映画
 本日発売の映画『THE FIRST SLAM DUNK』のDVDを見ました。スラムダンクに関してはマンガ好きの僕としては当然連載時からの大ファンですが、基本的にアニメではなくマンガ派なので、当時のTVアニメも見ていませんでしたし、今回の劇場版アニメも見に行っていません。ただ娘がドハマりしていて、何十回劇場に足を運んだのかわからないくらい熱烈ファンになっています。去年の誕生日プレゼントはこのDVD(および関連グッズ)の購入費用を要求されたので、スポンサーである僕も含めて今日届いたDVDを早速家族で鑑賞しました。

 すでに映画についての評判は飽きるほど聞いていましたし、テレビで公開されている部分の映像も繰り返し見ています。映画のあらすじもすでに知っているので、改めてそれらを確認しながら見たという感じですが、何より原作ファンなので、これが原作者井上雄彦の脳の中で動いていたスラムダンクなんだということがわかって、そこが一番の感動したところです。マンガ原作とドラマの乖離が問題になっている今だからこそ、原作者が脚本・監督を担って作られた映画は原作ファンには安心感たっぷりです。

 アニメーション技術の進歩で、原作の絵の美しさにひけをとらない映像が表現されていますし、マンガでは恐らく限界があって描ききれなかったであろうプレーも、動画なら動きも音も十分に表現できます。当時の日本の高校バスケではあり得なかったようなNBAばりのスーパープレーの連発ですが、それはもちろん原作ファンとしては突っ込みどころではなく、改めて良き鑑賞ポイントとなっていました。

 日本のアニメ映画のひとつの到達点と言っても良いクオリティの作品になっていました、と評するのはアニメファンでもないので烏滸がましいですが、少なくとも原作ファンとしては満足できる内容でした。願わくばマンガファンとしてはこうしたサイドストーリーはアニメだけではなく、マンガでも時々描いてほしいところですが。
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今さらながら『おっぱいバレー』

2024-02-04 23:59:36 | 映画
 時々HDDに録画したまま見ていない昔の映画を時間のある休日に見ることがあります。今日見たのは2009年公開の『おっぱいバレー』。北九州の中学校に赴任し、男子バレー部の顧問になった新米教師の美香子。しかしバレー部メンバーはまともにボールを触ったことがない素人ばかり。それゆえ廃部寸前にあることを知った美香子は、生徒たちに勝ったらおっぱいを見せると約束してしまう、という青春学園コメディ。原作は水野宗徳、脚本は岡田惠和、監督は羽住英一郎。主演は綾瀬はるかです。

 公開された時にはタイトルだけでちょっと「受け狙い過ぎる」とバカにしていたのですが、その後の映画評では意外に悪くないようなので、とりあえず録画したままHDDの奥に眠っていました。最近ドラマ『不適切にもほどがある!』で描かれている1980年代の社会風俗を見ていたら、そう言えば『おっぱいバレー』も似たような時代を描いていたんじゃないかと思い出して、ようやく見てみた次第です。いやぁ、もっと早く見れば良かったです。

 映画の舞台は1979年の北九州。まず映像のトーンが少しセピアがかっていて全体に渋いのです。古い映像を見ている気分になります。もちろん街を走る車も登場する人物のファッションも小物もこだわっていて、見ていて懐かしさで胸が熱くなります。さらに劇中歌が我々世代には泣けます。『渚のシンドバット』、『ルージュの伝言』、『HERO(ヒーローになる時、それは今)』、『オリビアを聴きながら』、『卒業写真』、『燃えろいい女』、『微笑がえし』などなど、まさに自分の青春時代ど真ん中。特にラストの電車で街を去っていく先生を生徒たちが見送るシーンで流れるキャンディーズの『微笑みがえし』は最高にはまっていました。

 もちろん懐かしいだけの映画ではありませんし、単なるエロ風味のドタバタコメディでもありません。綾瀬はるか演じる寺嶋美香子の教師としてのほろ苦い成長物語です。彼女が教師になった理由も、その後の辛い失敗も含めて、丁寧にきちんと描かれています。脇を務めた青木崇高や仲村トオルも良いです。綾瀬がこの作品で日本アカデミー賞の優秀主演女優賞などを受賞したのも頷けます。サイボーグだったり座頭市だったりスパイだったり、極端に振った役柄を演じることが多い綾瀬ですが、等身大の普通の若い女性を演じたこの作品は、『海街diary』と並ぶ彼女の代表作と言っても良いでしょう。タイトルで食わず嫌いするのがもったいない映画でした。
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宣伝をしないジブリ映画

2023-07-14 23:31:44 | 映画
 ジブリの宮崎駿監督作品『君たちはどう生きるか』が公開されました。鈴木敏夫プロデューサーの一切公開前に情報を出さないという異例の方針でスタートを切ったので、あまり話題にもなっていませんでしたし、劇場の入場者数も決して良い出足ではなかったそうです。当然と言えば当然でしょう。公開前からバンバンと煽っていくのが普通ですから、これだけ黙っていたら公開されたことすら知らない人が多いのではないかと思います。

 劇場公開されると同時にいくつかの情報も出てきました。吉野源三郎の同名小説にインスパイアされているものの全くオリジナル作品だということです。時代設定は戦時中から戦後。ファンタジー色が強く摩訶不思議な物語だということも聞きました。声優は豪華で主人公は山時聡真、他に木村拓哉、菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、竹下景子、風吹ジュン、阿川佐和子、大竹しのぶ、滝沢カレン、國村隼、小林薫、火野正平らが出演しています。実写映画を作って欲しいくらいのキャストで、さすが宮崎作品という顔触れになっています。

 主題歌は米津玄師。作詞・作曲・歌の新曲「地球儀」。米津はTwitterに4年前から楽曲の依頼があったことや楽曲制作の経緯を語っています。最近仕事をセーブしていたように感じる米津ですが、もしかしたらこの映画に精力を注いでいたのかもと思いました。本人がそのあたりは語っていないのでわかりませんが。

 今後映画を見た人たちがいろいろと語り始めればもっと情報は出てくることでしょう。一切情報がない状態で映画を見るなら今しかチャンスがありませんから、いち早く映画館に行くべきです。とは言え、サスペンスではないので、そこまでネタバレを防がなくてもいいような気はするし、鈴木プロデューサーに踊らされるのも気に食わないので僕は行きませんけど、でもそのうちどこかで見るとは思います。
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ブルース・リーの影響力

2023-02-07 23:34:43 | 映画
 昨日のNHK『映像の世紀~バタフライエフェクト』は「ブルース・リー 友よ水になれ」ということでブルース・リーがテーマでした。彼の生涯、哲学、世界に与えた影響を多くの貴重映像とともに放送。ブルース・リーのチルドレンと呼んでもいい我々世代にとっては、まさに「ワンインチパンチ」の直撃を受けるような内容でした。

 僕が14歳、中学2年の時に地元の映画館で上映された『ダーティハリー2』と『燃えよドラゴン』の2本立て。どうしてもブルース・リーが見たくて、友達を誘い、生まれて初めて親同伴ではなく、自分の小遣いを払って映画館に入りました。先に見た『ダーティハリー2』も十分に中2の少年には刺激的でしたが、次に見た『燃えよドラゴン』の衝撃は半端ではありませんでした。未だにあの衝撃を超える映画を見たことがありません。

 もちろんそれは初めて自分で見た映画であり、中学2年という年齢だからこそであって、それ以上の名作だと思う映画、好きな映画は他にもあります。でも映画を見終わった後の陶酔感、影響力の大きさは未だに超えられないですし、恐らくもう生涯超えてくる映画に出会うこともないでしょう。『燃えよドラゴン』に影響されたといよりは、支配されたという言葉が適切なくらいです。

 そんな少年は日本中、いや世界中にたくさんいたのでしょう。空前のカンフーブーム、ヌンチャクブームが巻き起こり、僕も他の少年たちと同様にしばらくヌンチャクを振り回していました。幸いなことにヌンチャクを振り回す日々はそのうちに終わりましたが、映画が学生時代最大の趣味になったのも、就職先が広告会社になったのもブルース・リーのせいだと思います。

 昨日の放送でブルース・リーの言葉「Be Water,My friend!」が何度も取り上げられましたが、改めて奥深いなと思いました。ブルース・リーと言うと『燃えよドラゴン』の中のセリフ「Don’t think. Feel!」が有名ですが、より哲学的なのは「水になれ」ですね。ブルース・リーに出会って50年近くなりますが、未だに水にはなれていないです。
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倍速視聴

2022-05-20 23:46:03 | 映画
 映画を無断で短く編集した「ファスト映画」というものがネット上にあり、テレビ局や映画会社から著作権侵害で訴えられているそうです。まあそりゃそうでしょう。当然違法だと思います。ただニーズがあるのもわかります。昔のようにテレビくらいしか見るものがなかった時代と違い、今はネット配信やYouTubeなどコンテンツの過剰供給が著しいです。それを全部見ようと思ったら時間が全然足りません。

 僕もテレビを録画した番組すら見られていないのに、wowowにアマプラ、huluも入っているので、全く見る暇がありません。wowowで映画を録画しても見られずにずっとハードディスクに溜まっていくばかりです。大河ドラマなど地上波のドラマも話題作を録ったまま何年も経っているものも多いです。録画したものをどうしても見たい時には倍速で視聴しています。YouTubeも30以上のチャンネル登録をしているので、大半が2倍にして見ています。そうじゃないと間に合いません。

 ただ映画やドラマを倍速で見るのはさすがに抵抗があります。若者は慣れてしまっているという話ですが、やはり映像作品というのは本来「間」が大事で、上手な役者とか手練れの演出家というのは、この間が上手いのですが、それを倍速視聴してしまうと台無しになってしまいます。ドラマに限らずお笑いも本来は間が命です。倍速で見る漫才はやっぱり別物になってしまいます。音楽はもっと倍速視聴に適していません。

 結局映像作品を「鑑賞する」のか「消費する」のかの違いなんでしょう。話題作だから見ておかなければと思ってどんどん消費する時代になってしまったということです。ただ本当に見たいもの、好きなものなら多くの人は腰を据えてじっくり見ると思うので、コンテンツの供給過剰状態が質の低下を招き、倍速視聴で十分だと思われている可能性もあります。そう思うと、昔の映画やドラマはメディア状況が貧弱だったために、かえってじっくり見てもらえたわけで、幸せな時代だったのかも知れません。

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映画「濡れて打つ」

2021-12-17 23:55:50 | 映画
 金子修介と言えば『1999年の夏休み』『就職戦線異状なし』『毎日が夏休み』『平成ガメラ3部作』『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』『デスノート2部作』 などで知られる映画監督です。またアイドルや特撮、アニメなどが好きなオタク気質の監督で、新しい世代の映画の作り手というイメージで1980年代後半からの映画シーンに登場してきました。

 金子は日活ロマンポルノの出身で、当時は多くの監督や脚本家がロマンポルノを足掛かりにして出てきました。僕も好きな監督が多く崔洋一、周防正行、相米慎二、滝田洋二郎、中原俊、根岸吉太郎、村川透、森田芳光などがロマンポルノ出身です。とは言え、当時はなかなかロマンポルノを見る機会もなく、金子も含めてこれらの監督のデビュー作を見たことはありませんでした。

 ところが先日wowowで金子のデビュー作である『宇能鴻一郎の濡れて打つ』を放送したので録画して見てみました。1984年2月の作品です。ライトな学園コメディで、なおかつ高校の女子テニス部を舞台にした『エースを狙え!』のパロディでした。ロマンポルノとしては異色作だと思います。いわば『翔んで埼玉』にエロをぶちこんでかきまぜたような作品です。マンガのファンとしては、なかなかくだらなくて面白い作品でした。

 テニスファンとしてはそれ以上に1980年代前半のテニスシーンやグッズがふんだんに登場して興味深いというか、「あったあった」「懐かしい」と思わず独り言を呟いてしまいました。主人公「ひろみ」のラケットは今はなきヤマハのファイバーグラスの赤いYFG30で、「お蝶」は形状からして恐らくヨネックスのR-7あたり、一般部員はフタバヤのウッドラケットでしたから僕も持っていたウィニングショットかも知れません。ウエアもみんなは揃いのフレッドペリーで「お蝶」だけフィラ。「ひろみ」の部屋にはナブラチロワのポスターが貼ってあります。「ひろみ」が「お蝶」の誕生日プレゼントとして買っていたウィルソンのラケットは当時高校生の小遣いではとても買えないほど高価でした。

 わずか55分の映画ですが、今となっては見るべき情報量が多すぎて本来のエロなシーンが邪魔なくらいに感じました。ちなみに主演の山本奈津子は可愛かったです。いかにも80年代アイドルという雰囲気で、当時だったらかなり夢中になって見ていたと思います。

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映画『キングダム』

2021-06-19 23:36:11 | 映画
 雨でテニスができなかったので、かねてから録画してあった映画『キングダム』を見ました。原作はまだ通して読んだことがありません。というのも、僕は基本的に「見てから読む」派で、先に原作を読んだらほとんどの場合、実写化はがっかりするので、敢えて映画を見ようと思ったら先に原作を読まないようにしています。今回の『キングダム』は公開後に賛否両論でしたが、特に原作好きにはあまり好評ではなかったようなので、特に先入観をもたずに映画を見ることに決めていました。

 細かいあらすじなどは今さらなので書きません。今回はまだ原作の序盤のストーリーをベースにしています。それでも2時間の作品なのでかなり物語を端折っているなとは感じます。話が単純でどんどん進んでいきます。ほぼあらすじだと言っても良いでしょう。わかりやすいので話に迷うこともないし、そういう意味ではエンターテインメントに徹した娯楽作品と言って間違いありません。

 雄大な中国が舞台ですが日本映画の予算では頑張ってもこれくらいなのかという残念さはあります。きっとハリウッド大作ならこの100倍くらいの予算をかけて驚くようなスケールで美しい映像を見せてくれることでしょう。売り物のアクションシーンもワイヤーが見えそうなくらいで、今どきもう少し何とかならなかったのかなと思います。あくまでも日本映画としては頑張っているというレベルです。

 あと古代中国の歴史ドラマにも関わらずセリフが現代的な日本語過ぎて、さすがにその言葉遣いはないんじゃないの?と醒めてしまうところが多々ありました。恐らく僕のような年配者ではなくもっと若い世代をターゲットにしている映画だから仕方ないのでしょうが、古代中国らしさが表現できておらず、史実をベースにした歴史劇ではなく架空の国のファンタジーかと勘違いしそうです。

 マイナスな評価が多いですが、それでもこの映画が最後まで見るものを惹きつける魅力があるとしたら俳優陣の演技と存在感です。主演の山崎賢人の単純バカでやたら熱い主人公・信のキャラクターの見せ方は否定的な意見も多いようですが僕は良いと思います。映画の中で徐々に成長していく姿をきちんと演じてみせています。評価が高い吉沢亮の嬴政と漂の二役も見事でした。きちんと別人であることを演じ分けていました。特に目の表情の違いが見事でした。
 
 河了貂役の橋本環奈の小動物的な可愛らしさはこの映画の中でちょっと異質でした。世界観を壊すという見方もありますが、一服の清涼剤的というか、緊張感を緩和するキャラクターとして役立っています。敵役である成蟜役の本郷奏多は以前から僕は注目している若手俳優ですが、こういう役は実にはまり役で、見た目だけでもう十分なくらいに内面を表現していました。武将の中ではやはり王騎役の大沢たかお。これほど貫禄が出せる役者だとは驚きで、これまでの大沢のイメージを覆したと思います。

 そして何といってもこの映画で最高の評価を受けたのは楊端和役の長澤まさみでしょう。存在感、美しさ、色気、迫力、アクション、全てにおいて文句なしです。長澤まさみはやはりテレビドラマよりも劇場映画の方がそのスケールに似合っているスクリーン女優だなと改めて感じました。この映画は結局なんだかんだ文句を言いつつ、長澤まさみを見ていればそれだけで元を取れる作品です。
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映画『記憶にございません!』

2021-05-18 23:05:40 | 映画
 三谷幸喜が監督した映画は全て見ています。前作『ギャラクシー街道』は残念ながらスベり気味で不発でしたが、初監督作品の『ラヂオの時間』から『みんなのいえ』『THE 有頂天ホテル』『ザ・マジックアワー』『ステキな金縛り』『清須会議』まで全てヒットを放っているイチローを超えるアベレージヒッターだと思っています。その三谷監督の最新作(と言っても2年前ですが)が『記憶にございません!』です。

 作品は当時の安倍内閣に対する皮肉が効いた政治コメディです。三谷作品らしいドタバタ劇、群像劇でありながら風刺もあって、最後には少しほっこりとさせるヒューマンな部分もちゃんと用意してあって、気楽に面白い映画を見たという満足感が得られます。また物語のテンポが良くて、どんどんストーリーが展開していくので途中で飽きたりすることがありません。

 三谷作品の楽しみのひとつに豪華なキャスティングがあります。三谷組と言われるような常連の俳優が多数参加していますが、今回は主演の中井貴一と秘書官の小池栄子が特に頑張っています。草刈正雄も『真田丸』からすっかり三谷組として良い味を出しています。そして三谷組初参加のディーン・フジオカと石田ゆり子も好演。今後は常連の仲間入りしていきそうです。有働由美子とROLLYは最初誰が演じているのかわかりませんでした。

 まあ真面目な人が見たら「茶番」「子ども向け」「リアリティがない」などと感じるだろうなと思いますが、そもそも三谷作品はそういうものだと思って見ているので、それが欠点だとは思いません。また政治状況を強烈に風刺している映画だと期待して見るとハズレです。あくまでも風刺は薬味であって本筋はエンターテインメント作品です。
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映画『アルマゲドン』

2021-05-15 22:45:26 | 映画
 今さら『アルマゲドン』の話をしても仕方ないという気もしますが、暇つぶしに見たので思ったことを書いておこうと思います。実は今回が初見ですが、ストーリーも大まかな設定もほぼほぼ知っています。それくらい有名な作品であり、ヒット作であり、そしてある意味ではわかりやすい大雑把な映画だということです。雑だからこそ見ていない人間でもわかったような気になっていて、実際に見てみたら思っていた通りの作品でした。

 もう粗を数え上げればキリがないくらいで、同時期の同じ趣向の『ディープ・インパクト』も当時見てかなり乱暴な映画だと感じましたが、それ以上に粗だらけ、突っ込みどころだらけでした。それでも最後まで何とか見させるのは、もう監督の強引なまでの力技だというしかありません。逆にこれこそがハリウッド大作映画の醍醐味です。全てが粗雑なのに最後まで強引に観客を引っ張ていき楽しませてしまいます。嫌いではありません。

 出演者では主役のブルース・ウィリスはさすがの貫禄です。こういう役をやらせたら本当にはまります。ベン・アフレックは『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』で注目された後にこの作品に出演していますが、評論家からは評判の悪い作品でも、これだけヒットすれば知名度は一気に上がりました。評論家受けする前作との落差がまた良いです。

 一番の見どころは作品冒頭、ニューヨークに隕石が落ちてくるところです。VFXと実写を組み合わせた迫力のシーン。後半に上海やパリに隕石が落ちるシーンがありますが、こちらはいかにもコンピュータで作りました感だけであっさりとしていて面白くありませんが、ニューヨークのシーンは監督の思い入れが違うのか、今見ても素晴らしいと思います。1998年の作品ですからアメリカ同時多発テロの前なのですが、それを予感させるような映像でもあります。

 冒頭のシーンで力を使い果たしたのか、後はひたすら突っ込みどころだらけの粗雑な作品になっていきます。スタートダッシュに成功して後はその惰性でゴールまで走り切るというタイプの映画。繰り返しますが、これもまたハリウッド大作の醍醐味です。
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