幹事クリタのコーカイブログ

テニスをはじめあれこれ好き勝手書いています。「幹事クリタのコーカイ日誌」のブログ版です。

部活時代のある思い出

2013-01-31 01:37:49 | 時事
 体罰問題に関しては、当然否定的な意見が多いようですが、体罰擁護論も散見されます。ただ体罰擁護論には理屈が通っていないと言うか、指導者の指導力不足を補うために暴力で服従させているに過ぎないと思われる意見ばかりです。それを過去に自分が体罰を受けてきたことを正当化するために、もしくは体罰を受けてきた自分が体罰を繰り返したために、無理やり擁護しているようにしか感じられません。

 指導者の体罰と近いところにあるのが、部活における先輩から後輩への「しごき」「いじめ」ですが、これは単に服従させようというだけではなく、むしろ先輩からされたことを後輩にすることで「仕返し」している結果でもあります。俺たちがやられたんだから、後輩にもやらなければ「損」だ、って。何が得で何が損なのかよくわかりませんが、そういう思考法になってしまうのが日本の部活の伝統なのでしょう。

 僕は幸い中学でも高校でも大学でも会社に入ってからも、そういう目に遭遇することはありませんでした。むしろ今から振り返ると先輩に失礼だったかなと思うようなことばかり。高校時代は柔道部だったのですが、1年の夏合宿初日の夜のミーティングで「1年生は何か言いたいことはあるか?」と聞かれたので、素直な僕は「食事の時に先輩の茶碗に後輩がご飯をつぐのはおかしいと思います。自分でできることは自分でやれば良いんじゃないでしょうか」とクソ生意気なことを言いました。いや、実際にそう思ったんですけどね。俺はお前らの召使いじゃねえよ、と。

 でも柔道部ですからね、1970年代の。普通ならそんなこと言ったらボコボコにされるところですが、僕以上に素直な先輩たちは「それもそうだな」なんて言って、翌朝から自分で自分のご飯をよそうようになりました。練習の時でもそんなことを言いだした僕への報復的しごきはありませんでした。実によくできた先輩たちであり、民主的な部活だったと思います。

 まあそういう性格のせいで、会社に入ってからも先輩や上司に常に生意気な態度でモノを言いまくって失敗した結果が現状なのですが、出世しなかった代わりにストレスもたまらなかったので自分的には「よし」としています。まあご迷惑をおかけした先輩上司には申し訳なかったと、この年になって痛切に感じていますけど。生意気な後輩のポジションというのは、上の人間の度量が大きくなくては成り立たないものですから。

 と言うことで、体罰を容認する人間と言うのは、とりもなおさず自分の度量の小ささを白状しているようなものだと僕は思っています。尊敬している人の言うことは、優しく諭されただけでも心に響き反省します。叱っても言うことを聞かないのは、叱っている人間に人望がないから。体罰擁護論は、せめてそれを自ら認めることから話をはじめて欲しいものです。「小さい人間だから一生懸命正当化しているんだな」と憐みの目で聞いてあげますから。

 あ、ちなみに生徒の教師への暴力に対する正当防衛は体罰とは別問題です。それをわざと混同して「荒れる学校」における体罰を容認して一般論にすり替えるのは詭弁です。


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プチ同窓会とSNS

2013-01-30 01:28:09 | ネット・PC
 昨日、高校時代の親友である某新聞社勤務のM田が出張で名古屋に立ち寄るということで、じゃあ新幹線に乗るまでの時間に軽く会おうかということになりました。2人で会っても良いけど、どうせなら暇そうな奴に声をかけようと、自営業のT長と開業医のアマゾン(渾名)も呼んでプチ同窓会。M田とT長に会うのは3年くらい前の大同窓会以来。アマゾンと会うのも1年ぶりくらいになりますが、高校時代の友人というのは久しぶりでもあまり久しぶり感がないのが良いところです。

 こういう時の話はどうでも良いようなとりとめもない話題ばかりなのですが、高校時代の友人の消息がやはり主になります。なにせ五十路は同窓会世代。会社勤めも先が見えてきて、学生時代の友達と会うのが楽しくなる年頃だそうです。実際、同窓会も回数が増えつつあるみたいです。

 それと最近はfacebookがあるので、友達になっていれば消息を知ることができるのも便利。ただ我々の世代ではまだまだSNSに抵抗感がある人間が多いのも現状です。僕とアマゾンはfacebookの友達ですが、M田とT長は全然やる気がないみたいで、まあ2人に1人というのは、比率的にはそんなものかなと思いました。

 さすがにメールアドレスを持っていないという同世代はほぼ皆無だと思いますが、スマホを使えないという人間は多いし、ましてSNSなんてと思うようです。書いたり読んだりで時間かかりそうだからそんな暇はないし、そもそもTwitterは炎上するとか聞いているから怖そう、LINEの名前は知っていても若い子のやるものだからと思っていて、facebookは少し興味はあるけど実名って大丈夫なの?というのが平均的なところでしょうか。

 以前は僕もSNSの伝道師たらんと同世代にいろいろ呼びかけて仲間に引きずり込もうとしたこともありましたが、あの頃はまだネット世界は今よりずっと牧歌的な時代で、今ほど荒れてなかったから良かったのです。今は簡単に炎上するし、個人情報もすぐに検索されて晒されるし、ぼんやりしているとウィルスに感染したりするし、あまりリテラシーの低い人間が関わるのは危険なので、むしろ止めるくらいになってしまいました。

 もちろんみんながSNSで繋がっていると、幹事の立場としてはとても便利ではあるのですが、利便性だけで友人を危うい目に遭わせるわけにはいきません。今回M田との連絡も全て直電でした。久しぶりに電話で全ての段取りをつけたら実に新鮮に感じました。昔は電話が当たり前の連絡ツールだったのに、今はメールすら面倒でLINEで連絡したりしてしまいます。本当に変われば変わったものです。


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高見盛の引退

2013-01-29 01:25:03 | 大相撲
 高見盛が引退しました。36歳。初場所に十両で負け越して幕下陥落が決定的になったのを契機に、現役生活に幕を下ろすことになったようです。

 高見盛は日大時代に後の大関琴光喜と同期でライバル。アマ横綱として幕下付け出しでデビューし、順調に出世しました。2003年には幕内上位に定着し、将来の大関候補と期待されましたが、出稽古で朝青龍にバックドロップを喰らって右肩亜脱臼。その怪我以降は幕内中位~下位に低迷してしまいました。あの怪我がなければ大関になったかどうかはともかく、幕内上位でもっと土俵を沸かせてくれただろうに残念です。

 ただ高見盛の人気はその実績よりも、「ロボコップ」と渾名されたユーモラスな所作と、テレビ出演時などに見せる素朴な人柄ゆえ。このあたりは師匠だった人気力士高見山に似ています。関脇以下の力士で単独でいくつもCM出演の依頼が来る力士なんて、この50年間で高見山と高見盛の2人くらいなものです。力士は愛嬌です。

 今後の大相撲のことを考えると、高見盛のようなタイプの人気力士が育っていないことが残念ですし、危うい状態だと思います。白鵬のような強い力士に人気があるのは当然ですが、強くなくてもファンが喜ぶ力士、脇役なんだけど時に主役を食ってしまうような力士がいてこそ、相撲人気も盛り上がります。これから親方になる高見盛には、横綱大関よりも懸賞金がかかる後継者をぜひ育ててもらいたいものです。


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スポーツ選手の頭脳力

2013-01-28 00:49:20 | テニス
 昨日も山本麻友美プロとテニスをしたのですが、相変わらずやられ放題。メンバーも僕とK下、M原、M本という山本プロとテニスする時の常連ばかりなので、こちらもプロのテニスに慣れているとは言え、当然プロの方も僕たちの弱点をよくわかっているわけで、いざとなったら確実にポイントを取ってきます。

 例えばM原くんをどう崩すかということを、プロが少し語ってくれたのですが、彼は走りながらリズムを作って打ってくるタイプなので、あまりそれに合わせてオープンに振るよりもセンターにボールを集めて動かさない方が良い、そして甘いチャンスボールが来たらそれをワイドに角度をつけて決めれば良いんだそうです。

 M原くんは粘りのシングルスプレーヤーです。脚力を生かして相手が根負けするまで繋ぎ続けるので、そこそこのレベルまでなら結構勝ち上がれるのですが、山本プロから見たらいくつもの攻略法(と言うか撃退法)が見えるようです。昨日聞いたのは対M原くんだけですが、恐らくいつもテニスをしているメンバーなら、ここをこう崩せば簡単、というマニュアルが山本プロの中でできてしまっているのでしょう。

 よくスポーツ選手は「頭まで筋肉」とか揶揄されたりしますが、実はトップアスリートになるには山本プロのように相当の観察力、記憶力、理解力、構築力などを持っていないと難しいと思います。もちろん競技によって必要な能力に多少の差はあるでしょうが、特に駆け引きが必要な対人競技においては頭脳の関わる比率も高くなるはず。逆に言えば頭を使えば身体能力の差もある程度はカバーできるということ。体罰ではなく、冷静に論理的に指導し、選手の頭脳まで鍛えることができるコーチこそ、本当に選手のためになる優れた指導者だということが、このことをもってしてもわかります。


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雪の中のテニス

2013-01-27 02:07:44 | テニス
 昨日は久しぶりに雪の舞う中でテニスをしました。朝から岐阜の方ではかなり雪が降っているということでしたが、名古屋市内は晴れていて雪の気配もなし。いそいそと午後からテニスに出かけました。風はかなり強くてテニスには不向きな天気でしたが、雪が降っていないだけマシだよなぁと思っていました。

 ところがコートがあるモリコロパークは瀬戸の山に近く、岐阜方面の雪雲が流れてきます。モリコロから北東の空を見ると、いかにも雪が降ってそうな灰色の雲が広がっていますが、南西の名古屋方面は晴れて青空が広がっています。ちょうど雪雲の境にあるのがよくわかります。

 午後3時頃になると、ちらちらと小雪が舞い始めました。いよいよ空気は冷たくなってきて風も相変わらず強く、ますますモチベーションは下がってきます。3時半過ぎにはかなり雪が降ってきたので我々50代と女性陣は撤収することに。残った男性陣だけがテニスを続けています。「子供は風の子」という言葉がふと頭をよぎりました。

 僕もまだ20代の頃は雪が結構降りしきっている中でもああやってテニスをしたものだなぁと思わず振り返ってしまいましたが、50代になってそんな無謀なことをしたら風邪をひくか怪我をするのが落ち。さっさと「コメダ」に行って暖をとりました。

 今年の冬はテニスをする時に限って好天に恵まれていたのですが、さすがに昨日は厳しい天気でした。幸いそんな寒い中でプレイしても、肘を悪化させなかったのは良かったですが、まだしばらくは油断禁物だと思っています。


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全豪決勝予想

2013-01-26 01:00:19 | テニス
 全豪オープンもいよいよ大詰め。男女シングルスはともに決勝を残すのみです。女子は第1シードのアザレンカと第6シードのリーナの対戦になりまいた。アザレンカは順当な勝ち上がりでしたが、同じブロックの第3シードのセレナ・ウィリアムズが新鋭のスティーブンスに負ける大波乱があったお陰でもありました。対するリーナは全仏制覇以降の不振から脱却するためにコーチを変えた成果が出たようで、準決勝では第2シードのシャラポワを撃破しての決勝進出です。

 勝ち負けの予想は難しいですが、女王アザレンカが6:4でちょっと有利かなと思います。リーナも好調ですし経験もある選手ですから勝機は十分にあると思いますが、若くて体力を残しているアザレンカの優位は変わらないでしょう。アザレンカとしても女王の座を維持するためにもここは負けられません。

 男子はジョコビッチとマレーの対戦になりました。予想通りの組み合わせです。ジョコビッチは準決勝でフェレールに圧勝しました。万全と見て良いでしょう。マレーはフェデラーと4時間フルセットの戦いを制しました。スコアはフルセットで競り合ったように見えましたが、フェデラーが終盤息切れしたところもあったとは言え、試合内容は終始マレーが優位に立っていました。強くなったなと思います。

 決勝は五分と見ても良いですが、休みが1日長く準決勝でも体力を使わなかったジョコビッチの方が体調的には有利でしょう。もっともマレーも準々決勝まではずっと楽に勝ち上がってきているだけに、中1日休めばそれほど疲れは残さないとは思いますが。ジョコビッチの連覇なるか、マレーの全米に続くグランドスラム連続制覇なるか、いずれにしても見応えのある頂上対決になることは間違いありません。


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無線LAN復活

2013-01-25 00:37:39 | ネット・PC
 我が家の無線LANがつながらなくなって2週間。いろいろと手を尽くして調べてみましたがどうにもならず、結論としては「親機が壊れた」。そもそも2年半前に購入して、最初こそ調子良かったのですが、まずプリンタが無線でつながらなくなり、次に僕のスマホ、娘のスマホとダメになり、とうとう最後まで頑張っていたノートPCまでもが接続しなくなりました。どうも親機が出す電波がどんどん弱くなっていったようです。そんなことがあるのかどうか、原因も不明ですが、最後は全く電波が飛んでいなかったようです。

 修理もちょっと考えましたが、昔は1万円くらいした無線LANの親機も今や3000円くらいみたいなので、さっさと買い替えることにしました。バッファローの一番安いタイプがヤマダ電機で2680円。本当に安いです。高機能なものは2万円近くしていましたが、どうせ大した使い方はしませんからそんな高いものは要りません。

 家に帰って早速接続。と言っても特に難しいこともなく、マニュアルを読まなくてもできるくらい簡単で(一応読んでやりましたけど)、何のトラブルもなくノートPCと繋がりました。続いてスマホとも接続。僕の3Gでしか繋がっていなかったスマホも久しぶりにWi-Fiで接続できました。もっともちょっと離れると電波が弱いのは相変わらずで、これは部屋の構造の問題なのか、親機に問題があるのかはわかりません。さらに娘は3DSも繋げて「どうぶつの森」も新しいことができるようになったようです。

 まだプリンタは繋げていませんが、これは今度また使う時にやれば良いし、Wiiは繋げてもそういうゲームをやっていないし、後は何を繋げたらいいのか、家の中をきょろきょろ見回しているところです。そう言えばうちのテレビは無線で繋がるのかな?マニュアル読んでみよう。
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免許更新で2ランクダウン

2013-01-24 01:34:34 | クルマ
 昨日は運転免許の更新に行ってきました。愛知県の場合は平針に運転免許試験場があり、そこで更新手続きをするのですが、我が家からは幸いクルマで15分くらいの距離なので近くて助かります。わざわざ水曜日に行ったのは平日なら空いているだろうからと思ったからですが、思ったよりも混雑していたのは誤算でした。水曜日休みの会社多いからですかね。

 これまでゴールド免許だったのですが、今回は5年前の春に北陸道のねずみ取りで捕まったスピード違反と、2年前の春に名古屋インターに入った途端に捕まった後部座席シートベルト装着違反の2件があったので、いきなり2ランクダウンで3年の青色免許に格下げになりました。せめて1件だけなら5年の青色免許だったのに残念です。

 特に後部座席のシートベルトはインターの入口手前で後ろに座っていた人が「シートベルトした方が良いですよね」と言ってくれたのに、僕が「まだ高速道路じゃないし大丈夫だよ」とかのんびりしたことを言っていたら捕まったという痛恨のミス。自分の間抜けさに涙が出ます。まさかインターの入口で警察が一斉取り締まりしていると考えなかった自分が悪いのですが、あれは警察の荒稼ぎでしたね。後部座席に人が乗っているクルマは全て捕まっていましたから。

 昨日は違反者として2時間の講習を受けさせられましたが、お陰でこの5年間に変わったいろいろなことを教えてもらえたので良かったと思います。道交法や愛知県の条例も随分厳しくなっていたし、免許も中型なんて区分けができていたのも知りませんでした。免許証も本籍地が記載されておらず、ICカードになっていて暗証番号を入力すると本籍地が確認できるとか「へー」ってな感じでした。

 とりあえずこれから3年間は無事故無違反で何とか次の更新で5年に戻したいと思っています。いつも安全運転しているのに、違反で捕まる時は大抵警察が点数稼ぎで張っている時。こんなところで張っていたらみんな捕まるわ、と文句を言っても始まらないので、より気をつけて運転するしかないです。


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麻生発言そして実名報道

2013-01-23 00:54:16 | 時事
 麻生副総理の失言問題。本人は取り消したらしいですが、これは特に失言というような内容ではありませんでした。「私は遺書を書いて延命する必要はないと書いているが、死にたいと思っても生きられる。政府の金でやっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろと考えないと解決しない」などと、あくまでも延命治療について麻生個人の話として発言したのに、それをまるで高齢者一般が高額医療費のために「さっさと死ねるようにしないといけない」と言ったかのように伝えられてしまいました。

 これはマスコミ側の明らかに悪意のある発言のすり替え、揚げ足取りです。かつて麻生が総理時代にも漢字の読み間違えをことさらに取り上げて嘲笑していましたが、それよりもさらに今回は悪意に満ちています。発言の趣旨を敢えて誤解されるように伝えているのですから。マスコミはこういうことを長年にわたってやってきたのでしょうが、ネットがこれだけ発達してしまうと、そうした手法の記事はすぐに検証されてしまいます。政治家相手だったら何を書いても許されるという時代ではもうないのです。

 なによりまずいのは、こういうことをしていると、本来伝えるべきことまできちんと伝わらなくなることです。マスコミは「狼少年」だと思われてしまい、どうせまたでっち上げだろうと疑われます。すでにネットではそういう傾向がかなり強くなっています。マスコミの中にいると、それが感じ取れないのでしょうか?

 そして、アルジェリアで犠牲になった日本人被害者の実名報道の件。菅官房長官が記者会見で日揮と被害者遺族の意向により実名を公表しないと約束したと明言したにも関わらず、一部マスコミが実名で被害者名を報道したそうです。報道した側は「報道の自由」とか「弔いになる」だとか、あれやこれや実名報道についての稚拙な理屈をつけているようですが、要はゴシップマスコミと同じことをしただけです。必要のない興味本位のプライバシーを暴く記事を載せて売ろうとしているだけにしか見えません。

 もちろん、被害者側が実名での報道を了承しているのなら構いません。しかし、そうでなければスクープしたいという内輪の論理だけで被害者をさらし者にすることがどれほど愚かな行為なのか、現代においてプライバシーはどれほど守られなければならないものなのか、少し考えれば解りそうなものです。もう昭和の頃とは違うのです。それがわからないということは、もはやマスコミは「裸の王様」です。とっくに彼らの虚飾ははぎ取られてしまって、周りは裸だとわかっているのに、いつまで自分たちは特権的な地位にいると信じているのでしょう。

 「狼少年」で「裸の王様」で。ネット時代のマスコミは、古くて狭い井戸の中にいる間に、いつの間にかおとぎ話の中の主人公になってしまいました。


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大河ドラマらしさ

2013-01-22 00:43:18 | テレビ・芸能
 大河ドラマ『八重の桜』も3回が終わりました。ここまでの展開は決してつまらないとは言いませんが、なんとも残念なのは「大河らしさ」が欠如していること。第1回を見た後の感想で「大河ドラマとして成立していくのか、それなら朝ドラで良いんじゃないかとなってしまいそうなところが心配です」と書きましたが、どうやら1年を通して朝ドラテイストで突っ走りそうな予感がしてなりません。

 大河ドラマと朝ドラは同じNHKの看板ドラマではありますが、テイストは大きく違います。大河ドラマは大きな歴史の流れの中でダイナミックに動く世の中と、そこに生きる人々の営みを描くドラマです。主人公は「人」であっても、描かれているのはむしろ「社会」であり「歴史」です。例えば昨年の『平清盛』は主人公は清盛でしたが、描かれたのは公家社会から武家社会へ、古代から中世へと移り変わる日本社会の変革を描いたドラマでした。そのダイナミズムの象徴が清盛だったというだけです。

 朝ドラは違います。あくまでも社会動向は背景として存在しても、描かれるのは「ひとりの人間」です。いつの世にも変わらない人の営み、家族愛、友情、好奇心、向上心、連帯。そういった前向きで普遍的なものを女性の主人公に仮託して描きます。比較すれば、大河ドラマは「変わる」ものを描く「大きな」ドラマ、朝ドラは「変わらない」ものを描く「小さな」ドラマです。そのためにキャストも大河は重みのある役者を多く起用し、朝ドラは逆に軽やかでふわっとした雰囲気のある役者を出しています。

 そういう視点で『八重の桜』を見ると、ここまではかなり朝ドラ寄りである気がします。山本八重というヒロインの前向きな性格と言動、それに巻き込まれる彼女の家族など周囲を描く方に主軸が置かれていて、歴史描写は添え物です。もちろん社会の変化や歴史のうねりも出てきますが、少々背景に過ぎると言うか、八重のために歴史が書き割りのように描かれているようにしか感じられません。

 朝ドラなら面白いかも知れませんが、このまま進んでいくのでは大河ドラマとしては物足りない気がします。もちろんまだ始まって3回ではありますが、今回は主人公が歴史上の大物ではないだけに、今後もこうした展開が続くのではないかと心配です。もっとも、こういう「大河らしさ」を求める見方自体、古い大河ドラマファンの感覚なのかも知れません。NHKの意図は違うところにあると言うのなら仕方ないのですが。


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