東郷町議会議員 かどはら武志(日本共産党)

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白鳥4丁目押草団地

名鉄バス押草団地線廃止への対応策が公表されました

2009年10月21日 | 東郷町

 名鉄バスの押草団地線(赤池駅~和合ヶ丘~御岳~和合ヶ丘~赤池駅)の廃止方針が出されています。これに対して東郷町が2008年度と09年度の2年間の限定で、運行費の補助をし、当面、運行が続いています。その間に乗客が増えなければ名鉄は本当に撤退する意向です。しかし乗客の減少傾向が続いています。そのため、東郷町は「押草団地線の撤退やむなし」ということを10月23日の地域公共交通会議に諮問します。

 押草団地線に代わる交通手段の検討が必要です。東郷町は「じゅんかい君の北・東コースの土日祝日の運休撤廃」という方針を決めました。
 じゅんかい君は土日祝日は平日と比べて「朝2便、夕1便少ない」本数で運行されていますが、北コースと東コースを土日祝日も平日と同じ便数にします。
 これによって土日祝日も、朝夕の鉄道駅との交通手段が確保されます。
 バス運行委託料の増額は年額148万円ということです。

「年寄りからも100円取れ」というご意見が多いですが

 東郷町には鉄道がなく、公共交通は名鉄バスと東郷町のじゅんかい君です。名鉄が公共交通の運営会社としての社会的責任を投げ出して次々と撤退した結果、交通空白地域が生じ、住民の間でも「東郷町は交通の便が悪い」というイメージが定着しています。どの地区の住民にも移動する手段を確保するため、2000年から町内巡回バス「じゅんかい君」の運行が始まりました。

 残念ながら、またもや名鉄が社会的責任を投げ出し、押草団地線の撤退を決めました。こうした事態に対する町の対応が重要です。2008、09年度は名鉄バスの運行費の補助を行いました。2008年度は303万円を名鉄に補助しました。

------追記-----------------

2008年度の303万円は4月から9月までの半年分です。1年分だと倍の606万円ということになります。

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 来年度からは名鉄への運行費補助でも対応できなくなるため、巡回バスにかかる費用を増やして便数を増やすという対応になります。

 ところで、巡回バスの運行費用は2008年度決算で約3875万円でした。一方、巡回バスの料金収入は約344万円です。

 このごろよく町民から聞かれることに「巡回バスは赤字か」ということがあります。単純に言えば、費用と収入との差し引きで3531万円の赤字ということになります。

 また、このごろ多い意見に「年寄りからも100円取れ」というものがあります。東郷町のじゅんかい君は、1乗車100円ですが、中学生までの子どもと65歳以上のお年寄り、障害者などは無料です。乗車人数の割りに料金収入が少ないから収入を増やして赤字を減らせ、というわけでしょうか。

 2008年度の乗車数は約12万6500人でした。この人たち全員から100円を取ったとすると、料金収入は1265万円になり、赤字は2610万円になります。(どういうわけか、子どもからもお金を取れという意見は少ないのですが、利用者数の記録にお年寄りか子どもかなど年齢層による区別がないため、話を単純化するためにも子どもからもお金を取るものとして考えました。)

 さて、これをどう見るか。

 私は「全員からお金を取ったとしても、やっぱり赤字か」と思います。少々乱暴な言い方になりますが、どうせ赤字のままなら、お年寄りと子どもからわざわざお金をもらう必要はないと思います。(黒字にしようと思うなら、全員から300円ずつ取る必要があります。)

 そして、お年寄りや子どもから100円ずつ取るとしたら、はたして12万6500人もの利用が見込めるでしょうか。無料だからこそ気軽に使ってもらえるという面は、無視できないと思います。

 高齢化が進んで自動車を運転できなくなるお年寄りが増えてきます。そうしたとき、気軽に利用できる交通手段をお年寄りから奪ったら、引きこもりが増えないかと心配です。

 いつまでも元気で過ごしてもらうためにも、65歳以上の無料は続けるべきだと思います。こうしたことの積み重ねが、社会全体の医療費の伸びを低く抑えることにつながると思います。

 住民の移動する権利を守って町全体が元気で活気あふれ、その上、医療費もあまり増えなくなるなら、巡回バスへの税の投入など安いものだと思います。

 そもそも名鉄が利益追求だけでなく社会的責任も大事に思って、東郷町から撤退を重ねなければ、東郷町が巡回バスを走らせる必要もありませんでした。名鉄が利益が得られないからと撤退した後に、その穴埋めのために走らせたバスですから、もともと収益は当てにしていないはずです。

 住み良い街づくりのために、決して安くない税金を払っているのですから、全員無料でもいいぐらいだと思いますが。

 かつて名古屋市の本山市長が敬老パスを作ったのは、お年寄りにいつまでも元気で過ごして欲しいと思ったからだそうです。その敬老パスも1年で5000円になってしまいました。ところで私の知り合いのお年寄りは、毎日じゅんかい君で図書館に行くのが楽しみだそうです。週のうち5日行くとして、月に約20日になります。1年で約240日になります。これが1回100円取られることになると、1日で200円、週で1000円、月で4000円、1年で4万8000円にもなります。有料になった敬老パスの何と10倍近くの負担です。

 今はたまたま自動車で移動できる人にも、東郷町にはそういう人がいるということに、思いを馳せていただきたいと思うのです。

 巡回バスに乗るお年寄りからお金を取るべきでないという考えを理解していただくのはなかなか難しいと思いますが、街づくりの観点からも、粘り強く訴え続けたいと思います。

コメント (3)
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