改選前の最後の議会が終わりました。本会議が10時に開会された後、すぐに休憩に入って、午後になって再開されたりして、終わったのは午後6時前になるなど、いろいろありました。
主な審議結果について報告します。
2007年度予算案、自民系保守などの賛成多数で可決
反対は、日本共産党(2)、公明党(1)、非自民無所属(2)の5名、賛成は自民系保守(12)、非自民無所属(町長派、1)の13名。(欠員1、欠席1)
日本共産党は、中川まさお議員が反対討論に立ちました。
討論の内容
前町政から計画的に進められてきた学校・保育園の耐震化(保育園については07年度中に完了することは特筆に値します)など、住民要求に基づく事業が盛り込まれていることや、町長がマニフェストで書いた事業の多くが盛り込まれなかったが、それよりも緊急性が高いと判断した事業を盛り込んだこともなど、評価できる点は多い。
しかし、国保特別会計への繰り入れを1億円から6千万円と、一気に4割も削減したこと(国保は増税のしすぎで黒字になっていました。本来なら減税すべきなのに、繰入金を減らすという対応は許せません)や、町長も受診率向上にとって足かせになっている健康診断有料化について何もしないなど、住民生活にとって看過できないこともあり反対せざるを得ない。
反対討論には、他に公明党、非自民無所属1名が立ちました。
一方、町長選挙では前町長を推してたたかった自民系保守は賛成に回ったのですが、その理由は、前町政の事業をほとんど引き継いでいるから認めないわけには行かない、というものでした。なるほど、共産党の反対理由は自民党にとっては反対理由にならないものですから、前町政を擁護するという点でスジを通したといえるでしょう。
これで東郷町議会は、自民党などの多数与党と、共産党などの少数野党というありふれた構図におさまったわけです。
さて、日本共産党の反対理由が少ないのを見て、反対するほどではなかったのでは、という意見があるかもしれません。でも、国保には東郷町の約半分の世帯が加入しています。多くの方が県内2番目に重い国保税(2005年度)に苦しんでいます。見過ごすわけには行きません。
川瀬町長だけ給料を30%カットする特例条例案
反対は日本共産党(かどはら武志、中川まさお)、公明党(箕浦克巳議員)、自民系保守(鈴木勉、石川昌弘、星野靖江、菱川和英の各氏)、非自民無所属(若園ひでこ、山口洋子の各氏)の9名。賛成は自民系保守(伊井和美、石川道弘、野々山充、石川久則、中根純信、石川鉱蔵、梅田幹夫の各氏)、非自民無所属(町長派、橋本洵子議員)の8名。
反対討論には私と公明党議員が立ち、賛成討論には自民系保守の1名と町長派が立ちました。自民系保守議員の賛成討論は、賛成するものの町長にいろいろ注文をつけていて、賛成討論か反対討論なのかよく分かりませんでした。
反対理由はこれまでさんざん書いてきましたが、やはり、自分の給料だけ下げて東郷町長の給料を下げないことのおかしさ、報酬審議会に意見を聴いていないことを挙げました。公明党の反対討論も同じような内容でしたが、私が面白いな、と思ったのは「住民から、なんで反対するんだ、と聞かれるが、川瀬町長が自分が町長の間だけ受け取りを減らすという内容を知らせると、これからずっと町長の給料を下げると思っていたのに、と言われる」という内容。多くの町民が、町長の公約について、川瀬町長の任期中だけでなく、「これからずっと」、と理解していたということをうかがい知ることができました。
採決の後、賛成した自民系保守の議員が「ビラに書かれるネタをつくりやがって」という独り言を言っていましたが、賛成した議員にも積極的な賛成は少なかったのかもしれません。もっとも、ビラにどう書かれようと、私たちがこれまで主張してきた「自分の給料だけ下げることのおかしさ」について、自信を持って説明します。
それにしても、町長の閉会挨拶…。「残念ながら、町長給与30%カットにつていは否決されました。どうして議会でそうなったのか、私なりに説明責任を果たしたいと思います」というようなことを言っていました。広報をつかって物量にモノをいわせた情報戦をしかてくるのでしょうか。
しかし、第三者機関の意見を聴くという正規の手続きをとらないという時点で、町長の側に不手際があることを追認するわけにはいきません。改選後の議会に、再度、町長がこの議案を提出してきても、私たちは引き続き「報酬審議会にかけてから議会に提案するように」と求め続けます。
それにしても議会さえ通せば正式の手続きと思っておられるフシがあります。首長や議員の給与・報酬を議会だけで決めるとき、「お手盛りだ」との批判を受ける場合が多いことをご存知なのでしょうか。「お手盛り」との批判を招かないための報酬審議会です。きっちりと報酬審議会の意見を聴いて欲しいものです。
なぜ議会がなかなか始まらなかったかと言うと
ある議員が、最終日を前に、いきなり「定数条例の改正案」を出してきました。その取り扱いをめぐり、議会運営委員会でかなりもめたようです。議運では「唐突過ぎる」という意見が出され、議案の取り下げを求める意見が多かったようです。結局、取り下げられたわけですが、そのために通常の議事が始まったのは午後になってから。
取り下げを説得する議会運営委員会のメンバーに対し、提案者が「全員の意見を聞いて欲しい」と要求し、全員協議会(議員全員による非公式の会議)が開かれました。経過の説明や、取り扱いについての意見交換の後、提案者が「4年間このことについて話し合われなかったのは、私も申し訳ないと思うが、とにかく話し合ったという実績が欲しい。時間切れで廃案になってもいい」という発言をしました。私はそれはおかしいと思い「議会を軽く見るのもいいかげんにしてほしい。通すつもりがないなら、最初から提出すべきではない」と注意しました。
全員が意見を求められ、ほとんどの議員が議員の定数を減らすこと(案が配布されたわけではないので、本当に議員定数を減らす案なのかどうかは分かりませんが、なぜか皆さんは2減らして18にするという案らしいということを知っていたらしい)に賛成でしたが、その内容も雑多で「16がいい」という意見も。「減らすのは当然」という意見が多かったように思いますが、それでも「1日で結論が出せるわけがない」ということから、唐突な提案には賛成しかねるというのが大勢だったと思います。
そもそも「議員定数を減らせばいい」というのは、議会がどうあるべきかとか、東郷町にふさわしい議員定数とは、という議論がまったく欠如しています。議員定数を減らすことが本当に改革につながるのか、など時間をかけて議論すべき点はいくらでもあります。
議案の提出は自由ですが、改選直前の議会の最終日の前に、このような議案を提出する議員のモラルが問われます。他の議員の意見を聞いて議案を取り下げたのは、良い判断だったと思います。
(提案者がどうしても審議を要求するなら、そうするしかありません)
審議以前に済んだ問題なので、あまり書きたくありませんが、議員定数削減は「議会が自らを律する」という性質の問題ではなく、住民の被選挙権にも関わる問題なので、慎重すぎるほど慎重でなければならないのです。まして、選挙直前です。(翌日には立候補予定者への説明会があった)
日本共産党、条例への修正案を出す
http://blog.goo.ne.jp/kadoharatakesijcptogo/d/20070316の私も修正案を出すが、否決の記事と同じ内容を本会議に提出しました。提案者は中川議員。質疑の後、私が賛成討論。採決では日本共産党以外にも非自民無所属の2名が賛成してくれました。
ある職員は「よく言ってくれた」と誉めてくれました。昼休みが15分も削られるのは大変な労働条件の切り下げですから。
残念ながら通りませんでしたが、修正案の提案という代案の提示は、後々生きてくると信じています。