原子力発電所の事故への対処について町当局の考えを聞きました。
かどはら 市民団体が大飯原発の近くから風船を上げたところ、風に乗って3~6時間で岐阜県や愛知県に届きました。東郷町でも原発事故への対応を考える必要があります。
住民の避難などについて町の考えは。
総務部長 住民の生命・身体・財産の保護をし、風評被害などの社会的混乱を防ぐ必要があります。国の原子力緊急事態宣言が出た場合、屋内退避の指示、避難勧告を速やかに出す考えです。
原発事故対策の具体的な計画はない
私は、愛知県が5月に策定した地域防災計画「原子力災害対策計画」が、県外からの避難者受入れや風評被害対策が中心で、愛知県には直接の被害がないことを前提にしていることを紹介しました。これに対し、総務部長は「愛知県は範囲に入っていない」、「そういうものを示したデータがない以上、東郷町は直接の影響を受けるとは考えない」と答え、東郷町は直接の被害を受けないとの認識を示しました。
「安全神話」そのものの認識です。さらに、県や国が姿勢を改めるよう求めるべきではないかと質問しました。
かどはら 愛知県は事故のシミュレーションすら示していない。東郷町が単独でシミュレーションするのは難しいが、国や県に対して、ぜひ、直接の被害を受けた場合の想定をするよう求めるべきではありませんか。
総務部長 確かに原発事故で福島があそこまでなるとは思わなかった。備えあれば憂いなし、と言います。しかし、どこまで想定するかという限度があります。東郷町は備蓄計画も達成していません。そちらを優先したい。
国や県が、原発事故が起きた場合の愛知の状況をシミュレーションしていないのが問題です。部長は「避難勧告を出す」と答弁しましたが、こんな状況でどんな避難勧告が出せるのでしょうか。国や県がしっかり事故の想定を出すべきだし、町もそれを強く求めるべきではないでしょうか。
安定ヨウ素剤の備蓄はすぐにはしない
若狭湾の原発事故を想定しての岐阜県の安定ヨウ素剤を備蓄する方針を紹介し、東郷町でも備蓄するよう提案しました。
総務部長は
①安定ヨウ素剤の備蓄は義務付けられていない
②副作用があるが誰が責任を取るのか
という理由を示し、すぐには考えないと答弁しました。
さらに町長の認識を聞きました。
かどはら 町長はこれまでも、福島の原発事故の直後に東郷町も放射線量計を配備する考えを示し、昨年度からは町内の放射線量測定をするなど、原発事故に対する思いが強い。町長の考えをお示しを。
町長 震災が来ても必ずしも原発事故は起こらない。起きる確率が高いものから取り組みたい。まず震災対策。安定ヨウ素剤の備蓄は研究する段階だ。
「どっちが先」ではなく「どっちも」と考えるべきですね。