久々に爽快な気分になれる映画を見ました。
熱血青春映画です。
小林多喜二の原作を読んだのとは、ずいぶん感じが違いました。
漫画版でも、このような解釈の作品はありませんでした。
SABU監督は、多喜二に自信を持って見せれると言ったそうですが、私もそう思います。
「あの世」にしか希望を持てなかった人たちが、現状を変えようと立ち上がるまでの物語です。
「貧乏自慢」をしたり、現状に甘んじてきたりしたおとなたちに、少年が怒りをぶつけるシーンが圧巻です。
ストーリーの良さ、言葉を現代風に直したことによる分かりやすさなど、この映画の成功した点はいくつも挙げられると思います。
私は特に、映画ならではの感動という点において、暗さと青空との対比を挙げたいと思います。
昼とも夜ともつかない船内の風景や、船外の霧が、底知れぬ恐怖を見せ付けています。
一方、ロシア船から帰ってきた仲間を迎えるシーンや、最後に再び立ち上がったときのシーンでは、青空が限りない希望を予感させてくれます。
時間を割いて映画館で見て良かったです。