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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

「Libya's Ragtag Rebels: Why They Fight」 を読んで

2011年03月25日 | 政治
▲「Time.com」Mar. 24, 2011, by Bobby Ghosh with Abigail Hauslohner / Benghazi Thursday.
 〈http://www.time.com/time/world/article/0,8599,2061111,00.html

  Nobody is sure who is leading the rebels in battle either. 2/3

 なんだか映画『JFK』で描かれた亡命キューバ人の反カストロゲリラ部隊くらい ragtag な印象を受ける。

盾の両面

2011年03月25日 | 抜き書き
▲「人民網日本語版」14:16 Mar 24 2011、編集NA「救援活動を阻む日本の官僚政治」(1)(2)から
 〈http://j1.peopledaily.com.cn/94474/7330198.html
 〈http://j1.peopledaily.com.cn/94474/7330202.html

 日本郵船は救援物資を届けるヘリコプターを自社の船舶で被災地沖まで輸送することを申し出たが、政府に拒絶された。こうした活動の許可証を取得していないというのがその理由だ。
 被災地入りを望んだ外国の医者は、日本の医師免許を持っていないとの理由で、「最小かつ必要」な範囲内でしか被災者の診療を行うことができない。外国から寄付された薬品の多くが被災地に届けられていない。日本の担当当局の認可薬品でないというのがその理由だ。
 (2)

 一般の人々(罹災者かそうでないかを問わず、それに現場で救援活動にあたる関係諸機関の人たちをも含めて)の行動は、たしかに賞賛に値する。しかしそれはそれとして、今後は、東電と政府(つまり“官”)の上層部の懈怠と責任が厳しく問われることになるだろう。

▲「AFPBB News」2011年03月24日 21:01、発信地:大阪「繰り返された検査漏れ、問われる東電と政府の姿勢」から
 〈http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2792227/6995860

 東北地方太平洋沖地震と津波を引き金に日本列島が原発危機に陥る11日前の2月28日、福島第1原子力発電所を操業する東京電力(Tokyo Electric Power Co.、TEPCO)は経済産業省原子力・安全保安院に、運転開始から40年が経過しているこの原発の1~6号機で計33機器の検査漏れがあったと報告していた。不正報告などの過去を持つ東京電力と、原子力産業に甘いとみられてきた政府に対するいっそうの疑問を生じさせる出来事だ。
 この報告では、原子炉の温度調整を行う電動弁に電力を供給する分電盤が11年間点検されていなかったことや、実際には簡易点検だったにもかかわらず本格点検を実施したと記載していた事例などが明るみになった。
 保安院は他の電力会社の原発で点検漏れが発覚したことを受け、電力各社に原発機器の点検が適切に実施されているかどうか調査するよう指示していた。2月 28日に報告された点検漏れは東京電力が実施した点検状況の調査で見つかったが、この調査では非常用ディーゼル発電機やポンプのモーターなど、冷却システム関連の装置は対象になっていなかった。


 マニュアルというのは、形式主義ということでもある。何故また何のためにしているのかを忘れて、することに決まっているからするという惰性に陥りやすくはないか。しないことの結果を考えないことで、「することに決まっている」が「しなければならない」へと変わり、そして「めんどうくさい」になって、ついおろそかになるのではないか。自分の過去にある同じような行為の形骸化の経験を振り返って。

荒木飛呂彦著 (株)樹想社編 『JOJO A-GO!GO!』

2011年03月24日 | 芸術
 大型本カラー画集。とうとう買いました。『JOJO 6251 荒木飛呂彦の世界』(集英社 1993年12月)と一緒に。
 このあいだ、中川翔子さんがローマ地下遺跡でのシーザー・ツェペリのジョジョ立ちを(あれ?おかしいな。まあいいや)、「ドドドドドドド!」と言いながらしているのを YouTube で見て、「やるな」と思った。

(集英社 2000年2月)

中共中央党史研究室 『中国共産党歴史 第二巻 (1949-1978)』 (上下)

2011年03月24日 | 東洋史
 「文化大革命はまったく間違っていました、でも毛沢東は限られた影響力のなかで少しでも事態のさらなる悪化を防ごうとしました。悪いのは林彪であり四人組です。それに経済や国防、外交の上ではすばらしい発展を見ました」(要旨・下巻「第二十八章 対“文化大革命”十年的基本分析」、とくに971頁あたり)。だったらまったく間違っていたとは言えないだろう。論理的に無茶苦茶である。
 でもその一方で、大躍進はもちろん文革を発動したのは毛沢東であり、四人組は(林彪は扱いがちょっと微妙だが)、後はともあれ最初は毛沢東の意を対して働いたことになっている。周恩来も始終そうであったことになっている。読後感は、毛沢東という神が、右手に周恩来、左手に四人組を操って互いに闘わせたような印象だ。それなら最終的な責任者として起こったことすべての責めを負うべきだが、毛沢東へその点についての批判はない。究極的な価値判断を回避している。腰が退けている(だからですます調で訳した)。皮肉ではなく神に等しい存在だから棚上げということなのか。反右派闘争の辺などとくにその感を深くする(上巻、「第十一章 全党整風和反右派闘争」)。発動の指示を下したのは毛沢東とはっきり書いておきながら、どうしてその結果について一言も責任を問わないのか。
 この書は公式見解に沿った史実の記述と、党の公的なそれらについての解釈の忠実な敷衍である。体制側の編んだ歴史だから仕方がないが、筆者・編者は根源的な疑問を持つことを自らに禁じている。全編党の言うとおりに書いたと、「後記」で正直に書いてある。それにしても、「個人崇拝と個人による専断は中国の遅れた部分から生まれてきたもので、良くないことです。だから民主集中制と集団指導体制を堅持しましょう」(要旨・下巻第二十八章、979頁)とは何事か。

(中共党史出版社 北京 2011年1月)

Э.П.Бакаева/Н.Л.Жуковская 主編 『Калмыки』

2011年03月23日 | 東洋史
 『カルムイク人』、ロシア科学アカデミー民族学・人類学研究所編。「諸民族と文化」シリーズの一つ。
 この分野ではおそらくいま日本で入手できるなかでは、もっとも最新のロシア語出版物だろう。
 歴史・文化・民俗と、約600頁の百科全書的著作。
 ただ1771年の清への帰還のくだりで(53頁あたり)、ルィチコフの日誌についてまったく言及がないのは、それを目当ての一としていた私個人としてはとても残念だった。巻末の関連文献リストにも載っていない。
 
(Москва: Наука, 2010)

坂野潤治 『大系 日本の歴史』 13 「近代日本の出発」

2011年03月23日 | 日本史
 20年前(1989年)の出版だから「脱亜論」が明治日本の政府の海外拡張政策および一般社会の風潮の象徴として特筆大書される(104-105頁)のは仕方がないにしても、例の「処分」を現代日本語の「処分」と同義に解しているのは如何なものか。何遍でも繰り返すが、この論説は数十年前の日本語、しかも文語で書かれているのである。この「処分」は、「処理」「措置」という意味である。この「脱亜論」では文脈から見て、さらに軽く、おそらくは「対応」「応対」「応接」ほどの意味で使われている。同じ文中のなかで同義語をいえば、「会釈」だ。

 左れば、今日の謀を為すに、我国は隣国の開明を待て共に亜細亜を興すの猶予あるべからず、寧ろ、其伍を脱して西洋の文明国と進退を共にし、其支那、朝鮮に接するの法も隣国なるが故にとて特別の会釈に及ばず、正に西洋人が之に接するの風に従て処分すべきのみ。悪友を親しむ者は共に悪名を免かるべからず。我れは心に於て亜細亜東方の悪友を謝絶するものなり。 (「脱亜論」結語)

(小学館ライブラリー版 1996年2月初版第2刷)

「日本のネット世論、死んでも面子を重んじる政府を強く批判」 から

2011年03月23日 | 抜き書き
▲「人民網日本語版」14:22 Mar 22 2011、編集NA。
 〈http://j1.peopledaily.com.cn/94474/7327390.html

 ネット時代においてネット世論を軽視できる者はいない。東日本大震災の発生後、大手メディアは地震、津波、原発事故、救援活動について集中的に報道しているが、日本のネット利用者の声を取り上げることは少ない。ネット利用者の注目する話題とその声は、街頭では聞くことの難しい深い民意の反映であるのみならず、この世紀の救援活動において軽視できない誘導、監督作用を果たしている。(文:金贏・中国社会科学院日本研究所副研究員。「環球時報」より) 

 太字は引用者。自分のところがそうだから他もそうだろうと当然のごとく思って疑いを差し挟まないところが、すでに学究ではない。だから中国社会科学院日本研究所は学問の府ではないというのである。それだけではない、“日本の大手メディア”のどこが“ネット世論を軽視”しているというのか、例を挙げて欲しい。こんな、専門家とも思えぬ浅薄でピントはずれのコメントを喧伝しては、かえって両国の関係改善の風潮を損じはせぬか。

YouTube 「桑田佳祐&桜井和寿(Mr.Children) 希望の轍」

2011年03月23日 | 音楽
 〈http://www.youtube.com/watch?v=858C1VS0oHw&feature=related

 コメント欄で「是非、被災地で歌って下さい」と書き込んでいる人がいるが、賛成! 昨今の大臣連は代わっても大して変わりばえしないが、芸術家は替えが利かない。桑田さんや桜井さんがいま死んだら、よほど日本の社会秩序に不安をきたすぞ。