戦後書かれた『中国の数学』(岩波書店 1974年9月)とは見方の違うところもあるので、両方読んだ方がよいと思う。
和算を中国数学と比較して優劣を判じたり、中国数学の西洋数学に比しての立ち後れを「偏狭な中華思想」の故だと論じたり(「結語」)、時代が窺える内容である。だが同時に、「然し以上の二点は独り支那人のみの問題ではない」と、返す刀で日本人も斬っている。
(山口書店 1944年3月 原文旧漢字歴史仮名遣い)
和算を中国数学と比較して優劣を判じたり、中国数学の西洋数学に比しての立ち後れを「偏狭な中華思想」の故だと論じたり(「結語」)、時代が窺える内容である。だが同時に、「然し以上の二点は独り支那人のみの問題ではない」と、返す刀で日本人も斬っている。
(山口書店 1944年3月 原文旧漢字歴史仮名遣い)