くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「本当は怖い 日本の風習としきたり」

2012-09-26 21:24:36 | 歴史・地理・伝記
 土着の民俗とか風習のようなものに興味があるのだと思います。コンビニで売っているような雑誌サイズの本なんですけど、図書館で見かけたので借りてみました。
 「本当は怖い 日本の風習としきたり」(イースト・ブレス)。うーん、こういうタイトルの本を読むと、「本当は怖い」というより「怖いものもある」ということだよね、と思うのですが。全部ではないよね。禁忌を語るものは昔話にも多いですし。
 妊婦は葬儀への参列をしてはならない。もし、しなければならないときには鏡を帯に挟む。海に漁をしに出てはいけない日がある。死んだ子供が帰ってきても家にいれてはいけない。そういう話が多いですね。
 都道府県別の伝説もあったので、早速近隣のものを見たのですが、宮城県はこんな。
 「宮城県北部にある石巻市唐桑では、今でもオガミサマと呼ばれる盲目の巫女が」
 えーと、唐桑は石巻市ではないと思います……。岩手県境だから、気仙沼ではないかと。わたしも県北に住んでいますが、かなり距離があるためそういう風習があるかどうかは分からないな。欄外にもカマ神について紹介されているんですが、「かつてはどの家にもカマドの近くに神棚が置かれ、柱には鉄でできたカマ神様の仮面を飾られていた」(原文ママ。文としておかしい……。)とあります。いや、どこの家にも飾られていた訳ではないと思いますよ。釜神信仰が強いのは石巻や大崎地方で、豪農のお家が多い。(それとも、「どの家にも」が係るのは神棚?) 
 十年近く前、釜神のレプリカを作ったことがあります。遠い記憶ですが、砂と粘土質の土を混ぜて作ったような。木を彫ったものもあります。鉄もあるの?
 厄年の「年祝い」が盛大に行われる岩手県、という記載は分かるな。年祝いは同級会をすることになっています。近所からお酒が届いたり。
 石川県には「ばっこ祭り」という秘祭があり、深夜に行われて誰も見てはいけない。御神体を担ぐ男性たちは無言。帰りには草鞋を前後逆になるように履き替えて足跡を残さない、というのが印象的でした。
 で、わたしが最も感心したのは、狐持ちといわれる人が「管狐やオサキ、人狐」を操るという記載。「百鬼夜行抄」で狐の母子は「尾崎」さん、祖父の家で家事を手伝っていたのは「おさきさん」ですね。いや、単にそれだけなんですが。
 伝説、もう少し読んでみたいな。
 あ、わらべうたの真相を取り上げたところもあって、学生時代「ずいずいずっころばし」を遊女の足ぬけの歌だとこじつけて解釈したことを思い出しました。細部は忘れちゃった。「ぬけたらどんどこしょ」は「関所を抜けたらどんどん走って逃げろ」、「俵のね
ずみ」は女をそそのかしている男、その続きは「濃密な愛の表現」で両親にどれほど懇願されても戻ってはならない、ということに落ち着いたのですが。一般的には茶壺道中のことですよね。でも、こじつけようと思えばどうにでもなるんだと感じました。
 ところで、「胡麻味噌ズイ」って、何?


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