くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「みやぎ昔ばなし百選」佐々木徳夫

2016-01-29 05:43:45 | 社会科学・教育
 二十年くらい前、佐々木徳夫さんのお話を伺ったことがあります。
 佐々木さんは、わたしの初任校近くのご出身で、郷里に講演にきてくださったのですね。あのときにも一冊買ったのですが、何度かの転勤で紛失してしまいました。
 
 「みやぎ昔ばなし百選 『月の夜ざらし』ほか」(本の森)。
 佐々木さんの本は図書館に結構あるので、地域の昔ばなしを知りたいと思って借りてきました。
 というのも、山田野里夫「宮城の民話」を買って読んでいたら、聞き覚えのあるものがたくさんあって、わたしが読んできたものは「地域のものが中心だった」のか「世の中には類似のものが多い」のか悩んでしまったのですね。
 とりあえず県北の語り手さんの部分に絞って読みました。
 一迫の佐藤玲子さん。地元では有名な方で、お話を語られるのを聞いたことがあります。「宝手拭い」は、ぼろぼろのなりをしたお坊さんに親切をした娘が、お礼にもらった手拭いで顔を拭いたら美しくなったという話。
 「大根舟」は、馬鹿な聟がものすごく大きい大根を育ててしまい、四国から買いにくる。その大根で舟を二艘作って漕いでいくうちに、いい具合に海水がしみて食べごろになる(笑)。
 前者はよく聞くパターンですが、後者は初めて知りました。四国から見えるほど大きい大根!
 
 「瓜子姫」や「絵姿女房」「かも取り権兵衛」といったポピュラーなものもありますし、「六枚のおふだ」は「三枚のおふだ」のバリエーションですよね。(同じ内容を二回繰り返す感じです)
 サルが地蔵と間違っておじいさんを運ぶ話は、「宮城の民話」に採取されたものと似ていると思いました。
 小学生のとき、昔ばなしの本はよく読んだものです。だから、いろいろな類型が記憶に残ってはいる。物語の匿名性のようなものを感じます。
 子どもが小さいころ、わたしも「昔コ」語ってやれば良かったな。