くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「東京難民」福澤徹三

2014-10-27 19:21:55 | 文芸・エンターテイメント
 久しぶりに、嫌な感じの主人公でした。
 もっと考えて生きろよ! だから、そんなことになるんだよ!
 でも、この人、めげないですよね。最初はすごろくみたいな展開だなと思ったんですが、サバイバル系のロールプレイングゲームが雰囲気として近いと思います。選択の駄目さ加減がわたしにはいらいらしましたが、そうではない人も多いでしょう。
 なんといっても、かつて書評サイトを読んで興味を持った一冊なんです。「東京難民」(光文社)。作者は福澤徹三さんだったのですね。(怪談のイメージが……)
 勉強嫌いの大学生・修は、指導教官から逃げ回っていたのですが、父親の会社が倒産して学費が払われていないことから、除籍処分になります。ウイークリーマンションを追い出され、友人のアパートに居候。アルバイトもチラシのポスティング、テレフォンアポインター、ティッシュ配り、新薬開発のための治験、ホスト、工員……と次々変わります。その間の豆知識みたいなアドバイスもおもしろいですが。お金がないのにパチンコですっちゃったり。いつも考えなしで失敗してしまいます。
 仕事がかわるたびに、じめじめした布団で寝るのがつらい描写も多い(笑)
 UFOキャッチャーで取ったライトにナイフがついていて、逮捕されたときにはぎょっとしました。まあ、そのときに知り合った人に、あとで救われるので、結果的にはオーケーでしょうか。