この本は、岩手の郷土作家コーナーから借りてきたもの。著書の大村友貴美さんは岩手出身。この作品でも、主人公の実家が八幡平にあります。
「存在しなかった男」(角川書店)。帯には「ハネムーンの帰国便から『夫』が消えた--!」とあり、非常に興味を掻き立てられます。
北館奈々は、新婚旅行を終えて帰国します。お互い仕事があるので、三泊四日のタイ料理でした。夫となる津島栄とは、3カ月前に合コンで知り合ったスピード婚。飛行機の中に知人をみつけたから挨拶してくるといったまま、彼は姿を消します。
乗客名簿には名前もなく、撮影したデータも奈々がひとりで写っているものばかり。警察からは狂言を疑われ、契約したマンションに帰ります。
合コンの主催者だった村上に連絡すると、津島は既に退職していることを知らされます。
そこへ、津島らしい男の遺体があがったという連絡が……。
ミステリーのお約束らしく、津島の過去を探ろうとすると、次々と奈々が信じていた「事実」が違っていることがわかります。連れて行ってもらったマンションに住んでいるのは別人。不動産を持っているというのも嘘で、都内出身で肉親はいないといっていたのに、実は青森に実家があって、お母さんも生きている。
訪ねると、おばあちゃんの介護をしていた母親が倒れ、津島もその世話で行き詰まっていたことを知らされます。貯金も底をついて。
介護の実情と苦しみが描かれています。
わたしは日野原の元妻りえさんが好きだなあ。探偵役の田楽さんもいい。
で、この作品でいちばん心に残るのはエンディングでしょう。タイの占い師からの言葉、「希望の種は自分の中にあるの。人から何かきっかけを与えられても、種がなければ育たない。そして希望は絶望から突如として這い出てくることがあるわ」。
もっと長いんですけどね。コピーとって持っておこうかと思いました。
「存在しなかった男」(角川書店)。帯には「ハネムーンの帰国便から『夫』が消えた--!」とあり、非常に興味を掻き立てられます。
北館奈々は、新婚旅行を終えて帰国します。お互い仕事があるので、三泊四日のタイ料理でした。夫となる津島栄とは、3カ月前に合コンで知り合ったスピード婚。飛行機の中に知人をみつけたから挨拶してくるといったまま、彼は姿を消します。
乗客名簿には名前もなく、撮影したデータも奈々がひとりで写っているものばかり。警察からは狂言を疑われ、契約したマンションに帰ります。
合コンの主催者だった村上に連絡すると、津島は既に退職していることを知らされます。
そこへ、津島らしい男の遺体があがったという連絡が……。
ミステリーのお約束らしく、津島の過去を探ろうとすると、次々と奈々が信じていた「事実」が違っていることがわかります。連れて行ってもらったマンションに住んでいるのは別人。不動産を持っているというのも嘘で、都内出身で肉親はいないといっていたのに、実は青森に実家があって、お母さんも生きている。
訪ねると、おばあちゃんの介護をしていた母親が倒れ、津島もその世話で行き詰まっていたことを知らされます。貯金も底をついて。
介護の実情と苦しみが描かれています。
わたしは日野原の元妻りえさんが好きだなあ。探偵役の田楽さんもいい。
で、この作品でいちばん心に残るのはエンディングでしょう。タイの占い師からの言葉、「希望の種は自分の中にあるの。人から何かきっかけを与えられても、種がなければ育たない。そして希望は絶望から突如として這い出てくることがあるわ」。
もっと長いんですけどね。コピーとって持っておこうかと思いました。