くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「政と源」三浦しをん

2014-02-20 05:05:25 | 文芸・エンターテイメント
 し、失敗しました……。夜ご飯におもちを食べたというのに、そのあとチョコレートバウムも食べてしまい、胃が重いのです。なんか源さんがやたらと食べるからだよ! そういえば、お雑煮も食べていましたよね。チーズをのせたのもおいしそうです。昔はベーコンのせたのも好きだったなあ。
 三浦しをん「政と源」(集英社)です。もうちょっと前だったら、ゾウが見せ物になった逸話の部分これにしたのに。(今日は何の日カレンダーのことです)
 水路を舟で運ばれたんですってよ。それに絡めた源の思い出話が秀逸です。花枝の愛犬ロクがいい味出しています。
政というのは、元銀行員の有田国政。源とはその幼なじみの堀源二郎です。こちらはつまみかんざしをつくる職人で、残り少ない髪の毛を赤だのピンクだのに染めています。弟子(徹平)の彼女まみちゃんが染めてくれるんだって。
 国政の妻は、ある日娘の家に行くといったまま帰ってこないので、結果的に一人暮らし。妻を亡くした源二郎も一人暮らし。幼なじみの気安さから行き来しあう二人です。
 掲載はなんと、「cobalt」。あ、あの少女小説誌に、おじいさん二人がメインの連載を持つとは! で、でも、さすがに単行本にまとめるのですね。コバルト文庫じゃないんだ。
 愛読した少女の皆さんにとってはどうだったんでしょう。
 さて、政も源もわたしの父親と同世代でございます。源二郎さん、ふんどしを愛用とのことですが……。職人さんだから? わたしの知る範囲で、愛用されている方は、祖父(九十七歳)の友人くらいなんですけど。(ご本人は「クラッシックパンツ」とおっしゃってました)
 でも、若者から見て、おじいさんってこんな感じなのかな。まあ、二人とも粋で、いつになっても悩みがあって、恋の思い出もあったかい。
 わたしはクロスワードをコピーしてハガキに貼るエピソードが好き。
 男ふたりって、三浦さんにとってのテーマなのかな、とも思いました。