くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「解毒」坂根真実

2016-03-01 21:11:58 | 哲学・人生相談
 美容院で一時間待ちだったので本屋に行きました。(そうじゃなくとも行くと思いますけどね……)
 新刊棚にあった一冊。坂根真実「解毒 エホバの証人の洗脳から脱出したある女性の手記」(角川書店)。
 出かけるはずだった日曜日、息子が友達を家に呼ぶと言い出して行けなくなった。だから、朝からずっと読んでました。(「20世紀少年」とかも)
 一家でエホバのコミュニティに加わり、六年生で信者に。二度の結婚、DV、離婚、母との確執。
 洗脳から覚めてからの著作なので、当時とは心情的に違っている場合もあるのではないかと推察しますが。(例えば、恋愛感情がないまま流されて結婚してしまうあたりとか)
 なんというか、カルトって覚めてみると矛盾に満ちているのではないかと思うのですよ。ハルマゲドンのあとに信者だけの天国ができる。死者は復活する。そのために現世では耐えて、天国での安寧な日を夢見る。
 来世進行なら、なぜ信者を増やすのでしょう。毎週集まって発表して、そのほかの日は発表の準備。徹底した男尊女卑。(転生しても性別は変わらない?) 発表者は男性で、女性は寸劇などをするんだそうです。
 でも、信者は圧倒的に女性が多い。
 そして、男性はどちらかといえば内向的な人が多いようです。(ぐいぐい引っ張っていくタイプは、宗教に頼らなくとも生活できるから)

 真実さんは、宗教にはまる人はその要因を持っていると悟ります。アディクションということが言われますが、宗教でなくとも、何か他のものに依存する。トラブルの種は心の中にあるので、それを自覚しないと洗脳は解けない。
 真実さん自身は、母親との関係が根っこの部分にあり、母にほめられたいという欲求が強かった。カウンセリングでそれに気づいたあと、彼女の世界が非常にクリアになるのを感じました。
 
 戒律にしばられて、異性とつきあうこともなく生きていくため、高齢化が進んでいるというのは頷けます。
 二世も結婚しないまま四十代を迎える例が多く、今後は先細りのイメージがあります。
 幸せって?
 理想の天国ではやっぱりパートナーがいないままで生きていくのでしょうか。それとも、天国ならば誰かと巡り会えたりそれまでの戒律とは違う生活ができるの?
 謎です。
 わたしは、子どもには厳しいしつけが必要だからと、ゴムホースで叱責するような環境は嫌だなあ。集団にいるうちに考え方が偏ってくるのですね。
 あと、アメリカならば適応したことが、そのまま日本にあてはまるわけではないということも納得させられます。
 組織から排斥されても、集会に参加し続ける(無視されながら……)と許されるときがくるというエピソード。日本では諮問会議が開かれるのも難しいようです。風土の問題かな?
 
 一般的に学校生活を送る中で、宗教を感じることはほとんどないのですが、時折あれ? と思うことはあります。
 子どもにとって信仰とは何かということも、考えさせられました。

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