3.11原発事故直後、福島県立医大の医師やその家族、学生は放射性ヨウ素・甲状腺がん予防薬である『安定ヨウ素剤』を飲んでいた。同大の内部資料を『フライディ』誌(2014.3.7)がキャッチした。
医療関係者だけも服用していたことは幸いとしても、なぜ広く県民に配布しなかったのか残念でならない。怒りさえ覚える。日頃の「原発安全神話」を信じ避難訓練もしていなかった一方で、当時114万錠のヨウ素剤が自治体には配られていたというのも驚きだ。やはりいざとなったらの不安な「本音」は、皆が持っていたのだ。114万錠もスタンバイ状態にありながら、服用についてのGOサインはなかった。唯一、田村郡三春町だけが独自の勇断で町民に渡した。
配布しなかった理由を県関係者は、「子どもは外で遊んでいても問題ない」とか「30キロ離れていれば1ミリシーベルト以下でヨウ素剤は不要」との山下俊一医師(県立医大)らの言葉が行きわたっていて医者の権威に気を遣ったからだという。「子どもにヨウ素剤をください」と訴え奔走した母親たちの悲鳴には何も応えられなかった。
しかし医大へは4000錠のヨウ素剤が届いていて3月12日から配り関係者は服用していた。ただし配布したことにはかん口令が敷かれていたというから許せない。
われらが武田邦彦先生(中部大)が、このことを取り上げお怒りなのにはしごく同感です。武田先生は「いつからこの国は・・」と嘆かれていますが、こうした体質は、先の戦争で戦況悪化をいち早く察知していたにもかかわらず民衆には真相を伝えず(棄民し)自分たちだけが本国に早々に逃げ帰った軍幹部などの態度にも見られます。
ああ、それにしても114万錠のヨウ素剤を用意していたにもかかわらず・・、なぜ配らなかったのか!! これから顕著になるであろう子どもたちの健康被害を考えると単なる失敗ではとても済まされないことだ。
「4月1日のウソ・エイプリルフール」であってほしいような「フクシマの真実」です。