ポポロ通信舎

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民主党の新綱領に必要なもの

2013年02月11日 | 政治

今、多くの人たちが、もはや民主党が復権する可能性はかなり少ないと見ています。民主党に期待したかつてのエネルギーは維新の会やみんなの党に流れていると判断するのが現実的でしょう。

民主党は新綱領のたたき台を提示しました。「前文」と「綱領」からなるものです。綱領を制定するという作業は、ずいぶん遅いにしてもとにかく着手したことは再生の第一歩といえます。

「脱原発」見当たらず

前文では「東日本大震災及び福島第一原発は、未曾有の被害をもたらし我々に生き方や物質文明、科学技術のあり方まで問い直している」としてますが、そのためには「持続可能な社会の再構行使築」と抽象的に述べるのみで、脱原発には一切言及をしていません。

綱領の基本的な立場としては「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」に拠るとしている。「幸福のための成長」としては経済的弱者の視点を忘れない、は同感です。安全保障では外交の基軸を「日米同盟の深化」と記している・・。

全体を読んで、きわめて保守色が強く、リベラル(革新)な言葉は少ないと感じました。これでは相変わらず「第二自民党」的であるといわれても否定できません。2009年の政権交代で、民主党に投票した有権者の多数は、自民党政治に飽き足らず新しい政治の担い手としての同党に期待をしていた。ところが大震災、原発問題の対応にしても往年の自民党流政治と少しも変わることのない官僚主導、利権誘導、民衆不在の愚策が露呈して次第に支持を失う結果となってしまいました。

新綱領案を見ても民主党が目指しているのは保守の一角、それも旧来の保守勢力の一角に入り込みたいとしか感じられません。具体的には自民、公明、維新との勢力圏に身を置きそこでの競合政党で甘んじようとしているように映ります。

「維新」でなく「みんな」との連携を

民主党は「生活者」「働く者」の立場を踏襲しようとするなら、ふるさとの山河と人々の健康を守り抜くためにも放射能被害とは断ち切り「脱原発」の一点は明記しなければならないでしょう。一足先に、みんなの党は原発ゼロ政策や電力自由化で政策合意が得られないからと日本維新の会とは一線を引く態度を明らかにしています。民主党は今、みんなの党の一貫したこの姿勢を見習わなければなりません。また民主党が本気で党再生をめざすなら、これから肩を組む相手は自民、公明や維新ではなく、みんなの党や社民党など中間・リベラル諸派とであって、それらとの共同・連携に同党がリーダーシップを発揮することで存在感がよみがえってくることでしょう。

脱原発は綱領で鮮明に

まだ綱領はたたき台の段階。最低でもエネルギー政策では「脱原発」の方向を鮮明に打ち出してください。また同盟国の大義なき戦争にも自動的に巻き込まれかねない「集団的自衛権の行使」へ道を開くような危険な政策は採らないことです。そのためには日米同盟は「深化」でなく「維持」に書き留めることが賢明かと思います。

このままの流れでは、中道・リベラル勢力は夏の参議院選挙でもかなり苦戦を強いられそうな気配です。とりわけこれ以上の民主党の凋落は日本の政治にとってプラスにはなりません。そのためにも民主党は、有権者の期待に応える綱領を早急に制定し出直していただきたいと願います。

【写真】綱領検討を報じる「民主」2013年2月1日号

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