『群馬県ブラジル町に住んでみた』中川学 著(マンガ)メディアファクトリー 2013年
今年38歳になる著者は非社交的で海外に行ったことがなく外国人とのつきあいもない。そんな彼が、ブラジル・ペルー人が人口の1割以上を占める群馬県大泉町と出会う。最初は日帰り取材を試みるも次第にここ“ブラジル町”に魅かれ、ついには転居。どっぷりブラジル料理や生活スタイルを学びラテンな友達作りに挑戦する・・そんな汗と涙のコミックエッセイ!・・とイントロ紹介されている。
著者は本当に心底、大泉町を好きになったように感じる。町を茶化したようなところがなく、“真摯な(笑)マンガ”になっている。以前に『爆笑問題』がTV取材で訪れたことがありますが、その時は西小泉駅前に着いたとたん小馬鹿にしたようにもとれるトークで始まっていた。(もっとも毒舌が彼らのウリでもあるので責められませんが)そこに行くと本書ではそのような描かれ方が一切ない。むしろブラジル町に敬意を払っているようにさえ受け取れます。
面白い“まじめなマンガ”
道産子の著者は漫画家になるまえは、北海道教育大を卒業し小学校の教員をしていた。しかし大病をして人生観が変わったようだ。漫画を描きながらも、自分探しの模索を今も続けていることが、この作品を通しても感じられた。「まじめなマンガ」それでいて面白い。
“ブラジル町”に暮らす住民の一人として、とても好感の持てる1冊でした。
群馬県ブラジル町に住んでみた ラテンな友だちづくり奮闘記 (コミックエッセイ) | |
中川 学 著 | |
KADOKAWA / メディアファクトリー |
きょうの推薦曲は「セルジオメンデス&ブラジル66」のPretty World
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