ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

グーグルとどう付き合うか

2012年03月06日 | IT関連

レッドカードを示すEU

3月1日から変更されたグーグルの個人情報新管理指針(プライバシーポリシー)について、EU(欧州連合)からはプライバシーの侵害を理由にかなりの批判がある。にもかかわらず、日本の大手メディアの反応はなぜか鈍い。フランスでは新方針の情報総合化(共有化)は違法行為であるからしてただちにやめてほしいとまで不快な態度を示している。韓国も改善勧告を出している。日本では、肝心の消費者庁が反応をしない。経産省、総務省が「違法性は認められないけど気をつけてね」といった程度のイエローカードちらつかせポーズが現状では精一杯のようだ。
グーグルのような外貨稼ぎをする米国の優良企業に対し、日本はマスコミを含め公正取引委員会も動かず、なにやら日米摩擦の再来を避けているようにさえみえる。

東京新聞に自衛策の記事

脱原発報道では群を抜く東京新聞が、この問題でもいち早くわかりやすい解説記事を載せた。(3月3日「各国も懸念するグーグル新指針」)
同記事では、EUの反発とともに当のアメリカでも「情報がハッカー(クラッカー)に狙われる」との心配する向きもあるとしている。またグーグルの新方針に対応策も挙げている。それには(1)ログインしないでサービスを利用(2)サービスごとに異なるIDを利用(3)利用履歴を削除する、など。

『グーグル ネット覇者の真実』・・分厚い本だったが2週間かけて飛ばし読みした。私は直感的には、もともとグーグルは「好きかきらいか」といわれれば、好きの部類。それは本書を読み同社の内容をさらに知ったところで好感度に変化はなかった。

「Don't Be Evil」(邪悪になるな)の社是はいい。創業のラリー・ペイジ、サーゲイ・ブリンの二人は幼児期には「モンテッソーリ教育」を受けたというのは興味深い。イタリア人女性医師マリア・モンテッソーリの創案の「子どもの家」教育は、権威よりも道理を優先する自由な教育。二人は出身のスタンフォード大学よりもモンテッソーリ教育によって育ったことが大きいのかもしれない。グーグルのベースとなる学園風な社風にもその影響が感じられる。

グーグルといえども民間企業。これから先どうなるかはわからない。個人の複合的な情報集中を果たして一企業に全面的に委ねて良いものなのかどうかには不安は残る。ただ、グーグルの提供する利便性に富んだサービスを享受できることは、素直に感謝している。

リスク覚悟でオトモダチ・・

私にとってYouTube、Gmailの優れた機能、そして毎日チャックするGoogleリーダーの活用などどれもがグーグルのサービス提供によるところで日常不可欠なものとなっている。個人的にはいつまでもグーグルとは友好でありたい。その“対価”として自分の個人情報を提供するととはいとわない。
「邪悪にならない」グーグルの企業良心を信じたい。しかしそれでも考えられるリスクはできるだけ最小にしてほしい。ユーザーの不安を代弁し、さらに国家的な見地から意義申し立てをはかるEUの姿勢は大いにけっこうだと思う。グーグルはその声を真正面から受けとめて善意に徹してもらいたい。もちろん日本も危険性を指摘する発信は積極的につづけてほしい。
グーグルとはリスク注意して仲良く付き合う、これが目下の結論です。

 

グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ
Steven Levy著
阪急コミュニケーションズ
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 戦災に耐える少年の唇 | トップ | 無毒化できない「除染」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

IT関連」カテゴリの最新記事