謹んで大震災のお見舞いを申し上げます。
お亡くなりになられた人々に、哀悼の意を捧げます。
被災難民の方々のことを思いと、こうしてブログを書いていられる自分が申し訳ないほどです。
11日14時46分の地震発生時、私は自宅で、一色正春著『何かのためにsengoku38の告白』を読んでいる最中でした。停電後は、ローソクの灯りの元で読み続けました。
国民に、中国船の違法な衝突の全容を知らせることを禁じた「尖閣ビデオ」事件。これに義憤し、職を賭して動画サイトに投稿した著者一色正春氏。
一色氏の勇気ある行動に謝意を込めて本書を購入しました。
思った通りの好人物、良書でした。
一色氏は自首ではなかった。
捜査側は「悪いことを知りながらワザとやりました」という供述でシナリオをまとめたかったようですが、一色氏は、ビデオ投稿による公開を悪いことと一貫して考えていない。上司に尋ねられたが、それにはウソをつくつもりはなく「私がやりました」と認めた。公務員の服務規程には反しているので、退職は覚悟していた、という。
最終的には懲戒処分(停職12ヵ月)が提示。しかし一色氏は、あえて退職を選んだものとマスコミ報道を通じて、私もそう解釈していた。微罪なのだから何も退職せず12ヵ月謹慎して復職すれば良いのに、とさえ思っていた。しかし事実は懲戒処分は、退職届とセット(同時処理)だったという。なんという表面を繕った小ざかしい“政治処分”をしたものだろう。
「自首」といい「退職」といい、マスコミ報道だけでは必ずしも真意は分からない。やはり本人の著述を直接読むことの大事さを痛感しました。
行動の動機は「自分たち(海上保安官)の仕事が否定された」、広くは世界に面子を失った日本を憂いてのことだった。氏は「義挙ではない」と謙遜されるが、私は立派な義士による義挙と評したい。
一色氏は、歴史的な幾つかの事件を例に、「情報公開」の大切さを説く。
その一つ。先の大戦で「連戦連敗の事実を国民が知っていたなら戦争は長引かず広島、長崎の悲劇もなかったろう・・」まったく同感。
尖閣ビデオは、すばやく国内外に向けて堂々と情報公開をすべきだった。なぜ政府は、途中から「非公開」と決めたのか。何を考え、中国の執拗な非難に甘んじつづけたのか。
このことで菅・仙谷ライン、ひいては新政権への国民の失望は決定的になっていったと思います。
今、福島原発放射能汚染の情報が刻一刻と報じられています。国民にはきつい「ガン告知」ではあっても気休めでなく、正確な情報を迅速に伝えるべきです。民主党政府は「尖閣ビデオ」での大きな失態を、この緊急事態の情報公開で挽回してほしい。
なお、「尖閣ビデオ」が突きつけた問題は、未解決のままだ。現場では、今も尖閣諸島付近には侵犯船が絶えないであろうし、ビデオにしても残りの長時間の部分の公開と検証はなされていない。うやむやになってしまっている。
先ずは地震・原発事故が、なにより最優先緊急課題でありますが・・
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