事件としては、相撲の八百長と似て昔からある「カンニング」の延長で、それがハイテク化したものと思います。
それにしても大学側が、いとも簡単に警察に捜査を委ねたのは、大学の自治の観点からは意外でした。それだけサイバー犯罪は手に負えないということでしょうか。大学に対し批判の目を向けた石原知事の指摘もうなずける。
このニュースによって私が関心を持ったのは、「IPアドレス」(ネット上の住所)の役割についてです。インターネットの世界は匿名性が高いと思っているのは誤解、先の「尖閣ビデオ」のときもそうでしたが、捜査当局はIPアドレスをつかんで解析すれば、発信源は突き止められる。
ネットは匿名社会で、国境もないと思っていたら大間違い。身元特定の足跡はしっかり残る。岸博幸氏が『ネット帝国主義』で述べていたように「(グローバルな世界で)ネット上に国境が存在しないなんて虚構です。・・米国のネットワーク局は・・IPアドレスに基づいてアクセスをコントロールしている・・リアルな世界では国家が国境を設定しているのに対しネット上では民間が勝手に設定しているという違いだけ・・」と。
改めて知りましたが、ドメインやIPアドレスは、日本の場合、その管理運営は、ドメインがJPRS(株式会社日本レジストリーサービス)、IPアドレスがJPNIC(社団法人日本ネットワークインフォメーション)と、いずれも国別の単一組織が担っています。
インターネットの使用は通信記録が残り個人は特定される、しかし恐れることなくその自覚をもって私たちネットユーザーは、堂々とこの魅力ある不可思議な世界に立ち向かっていきたいものです。
【写真】IPアドレスの記述画面
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