ポポロ通信舎

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南北首脳の宣言から一週間

2018年05月04日 | 政治

イムジン河近くの板門店での文在寅韓国大統領と金正恩朝鮮労働党委員長の歴史的な会談があってちょうど一週間が経ちました。

この間の日本国内の報道各紙は読売、産経に始まって朝日、毎日、東京に至るまで「非核化の道筋の見えない会談」と否定的、ないしは警戒的な論調一色です。

「非核化」の前に「戦争終結」では

私は今回の会談、「板門店宣言」は素直に評価して良いと思っています。「非核化」の前にまずなすべきは「戦争終結」。国際法上は依然、韓国と北朝鮮は戦争状態が続いています。1950年に勃発した朝鮮戦争が今も終わってはいないのです。南北首脳会談は過去2回実施したものの休戦協定が平和協定に進むことはなかった。しかし今度は行けるのではないでしょうか。「3度目の正直」のことわざのように。仮に今回も実が結びきれない結果になったとしても対話が実現したことだけでも数センチとはいえども前進したといえるのではないでしょうか。
「非核化」の本格的な交渉はこれからの米朝会談のテーブルの上となりましょう。

文在寅の見事な粘り腰

南北会談実現の第一の功労者は、なんといっても韓国の文在寅のようにみえます。彼の両親は北朝鮮の地の出身。自身も民主化学生運動に参加し逮捕もされている。苦労人の経歴を持つ大統領だからこそできた粘り腰で漕ぎ着けた今回の会談だと言えるだろう。平昌五輪のとき金与正ら一行を胸襟を開いて受け入れ会談したことも大きな地固めになっていたと思う。

板門店宣言どおりに休戦65年の今年、恒久的な平和協定が実現することを願います。


 

韓国新大統領 文在寅とは何者か
澤田克己(毎日新聞前ソウル支局長)
祥伝社

 

イムジン河

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