ポポロ通信舎

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映画『標的の村』を観て

2014年09月08日 | 映画・芸能

『標的の村』をみました。労組主催の上映会で。
二つの用語を知りました。

【SLAPP裁判】
国策に反対する住民を国が訴える。力のある団体が声を上げた個人を訴える弾圧・恫喝目的の裁判をアメリカではSLAPP(Strategic Lawsuit Against Public Participation)直訳すると公的参加者への戦略的訴訟。これはアメリカの多くの州で禁じられている。

【ベトナム村】
1960年代、ベトナム戦を想定して沖縄の演習場内に造られた村。農村に潜む伏兵を見つけ出す襲撃訓練。


この映画では、沖縄県東村高江地区の住民が、上記2つの用語の当事者となっている。
既存のヘリパッド(ヘリコプタ離着陸基地)が15カ所ある中で高江集落を囲むように6つのぺりパッドが計画される。ヘリパッド反対で当選した村長が容認に変節し、住民が立ち上がる。それに対して「道路交通法違反」で国が住民を訴える。その場に居なかった7歳の少女(反対派の子)までが被告席に。これがSLAPP裁判というものなのですね。

また高江地区は60年代のベトナム戦争の時は、住民が南ベトナム人の役をさせられていたという。いわゆる「ベトナム村」でもあった。

日本にある米軍基地の74%が沖縄に集中している現状。その中のたった一つの基地を動かそうとしただけでも、総理大臣の首が飛ぶ国・・。沖縄に独立論が起こっているのも無理ない事と思いました。

映画のさいごの字幕に「映像協力」として「アメリカ国防総省」とありました。アメリカの懐の深さでしょうか。日本政府・外務省が腹を決めて本気で交渉すれば、フィリピンの基地返還の例もあることですし山は動くようにも思うのですが・・。抗議の最中、車から沖縄民謡『安里屋ユンタ』を泣き叫ぶように歌う女性のせつない声が耳に残ります。いろいろと考えさせられるドキュメンタリー映画でした。

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沖縄・高江 やんばるで生きる
三上 智恵(著)「標的の村」監督
高文研

 

『標的の村』劇場予告編

  

コメント
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