ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

三洋電機よ、永遠なれ!

2010年11月01日 | 研究・書籍
本としては面白い内容でした。

最近読んだ『パナソニックがSANYOを買収する本当の理由』は、題名に乗せられてワクワクしてページを開いたが、本当の理由はさいごまで見当たらず調子抜け。それに比べて『三洋電機は永遠なれ!』は期待せずに読み始めましたが、なかなか得るものもあり参考になりました。

著者は、井植敏、片山修の二人になっていますが、片山氏が井植氏にインタビューの形。井植氏だけがなぜか関西弁。名古屋出身の経済評論家、片山氏は標準語(笑)

・・三洋が始めた二次電池工場を、松下幸之助(著者井植氏の伯父)に見せようとした時、企業秘密だから反対の声に、創業者井植歳男は「電池なんて一社ではうまくいかへん。相手があって競争して初めて幅が広がる。おやっさん(幸之助)が納得したら自信はもてる」と。工場見学後、はやり松下電器も二次電池をやるようになった。しかし結果的には市場は広がり正解であった・・

著者の言葉からも創業者のスケールの大きさを感じます。と同時に三洋電機のルーツは、やはり松下電器であったことも改めて知る思いです。

片山修氏が「おわりに」の章で、井植敏氏を経営史の生き証人であり、パナソニックに吸収合併されたとはいえ、三洋電機の功績は消えることはない。人を育てることができなかったことを反省点に挙げていることから、人材育成が会社の命運、とまとめています。

ここは私見ですが、果たして三洋電機に人材は育っていなかったのでしょうか。私は、優秀な人材が存在していない(いなかった)ようにはどうしても思えないのです。。

電池は、未来を変える大きな事業です。ソフトエナジーの夢はこれからです。
本書のタイトルに、その点は偽りがありませんでした。

“三洋電機よ、永遠なれ!”



【写真説明】1996年冬。全国社会人ラグビー初優勝の日の夕方。サントリーと同一優勝だったせいか、やや控えめな祝勝に(懐かしい旧本館建物=大泉町)

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三洋電機よ、永遠なれ!
井植 敏,片山 修
PHP研究所

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