ポポロ通信舎

(旧・ポポロの広場)姿勢は低く、理想は高く。真理は常に少数から・・

「日本経済を殲滅せよ」

2010年09月02日 | 研究・書籍
激しいタイトルの新刊本です。
原題は「BANKRUPTING the ENEMY」
副題が「The U.S.Financial Siege of Japan before PearlHarber」


著者はエドワード・ミラー(Edward S Miller)。数々の賞に輝いた『オレンジ計画』に次ぐ対日軍事戦略書の自信作第2弾。

アメリカの最新の公開資料をもとに、開戦前の日本の実体経済を徹底分析した解説書だけに読み応えがありました。

訳者、金子宣子氏が「著者の結論は、戦前の日本に最大の打撃を与えたのは石油の禁輸よりも金融凍結であったということだ」とまとめています。1941年7月26日に発令された「在米日本資産凍結措置」について、これだけ詳しく取り上げたのは本書が初めてでしょう。

しばしば登場する破綻に追い込まれた「横浜正金ニューヨーク支店」。訳者の金子氏も勤めた経験のある東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)の前身だ。この銀行も歴史の中で、不連続の連続にあることを知りました。

きょう9月2日は、東京湾上の米戦艦ミズーリ号で降伏文書の調印式が行われた日。戦勝国ではV-Day(Victory over Japan Day)と呼ぶ。

戦争の大義を誘発するものは一体何なのか、そしてその火種は何なのか。
新たな事実、データを本書から知り得て、歴史の見方がまた鍛えられました。


【写真】1945年9月2日ミズーリ号 Wikipediaから

日本経済を殲滅せよ
エドワード ミラー
新潮社

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