魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

オジサン呼称問題

2024年01月18日 08時57分27秒 | 魚類とインターネット

今日2発めは軽~くいきます。

さて、この間は新年早々、激しい意見のやり取りがあった。魚関係の某サイトで、ウミヒゴイ属の魚について「オジサン」としてひとまとめにされていた。それについてコメントしたら、サイト運営者の某氏とかなり激しい意見のやりとりとなった。

某氏は「魚類学者ではなく、一般向けのページです」と、言っているが、一般向けならなおさら標準和名を掲載するべきなのではなかろうか。地方名を大事にしたいということもわかるのだが、ある魚の種の標準和名と同じ名前を別の種の魚の地方名や俗名にすると明らかに混乱してしまう。ドンコの刺身という料理もあるが、この場合「ドンコ」とは地方名を指すもので、種の標準和名「ドンコ」で刺身をつくるとえらいことになるだろう。つまり、病気になったり、場合によっては命を落としかねない。そもそも、一般人も、魚類学者も、だれもかれもが使える普遍的で安定した名称として標準和名があるのに、わざわざ混乱を招く必要もないと思うのだが。とくに某氏のサイトは影響力が非常に強いので、なおさらである。

さて、みなさんはどう思われますか?この「魚のぶろぐ」は誰でもコメントを残すことができるようにしてありますので、コメントご自由にどうぞ。写真は三重県尾鷲の定置網に入網したオジサン。オジサンはなぜかめったに定置網に入らない。定置網に入網した個体を見たのは、この尾鷲の個体が今のところ最初で最後である。このほかオキナヒメジやタカサゴヒメジの幼魚、ヒメジの成魚も網に入っていた。

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キタマクラ

2024年01月18日 08時13分41秒 | 水中写真

フグ目・フグ科・キタマクラ属のキタマクラ。キタマクラは昨年も紹介したが、昨年紹介したのは薄い白っぽい体に茶色い縦線が入る幼魚であったが、成魚はこのような茶褐色の体で、茶色の縦線は薄くあまり目立たなくなる。体長15cmほどになるというが、この個体は12cmくらいだろうか(まわりのソラスズメダイとの体サイズの比較)。

キタマクラとカワハギ。どちらもフグ目の魚である。遠景ではカワハギによく似ており、実際にSNSなどのコミュニティにおいて、キタマクラについて知らない人が「これはカワハギでしょうか?」と質問することがたまにある。が、釣り人からの評価については180°正反対である。このキタマクラは身は無毒なのだが、皮膚や肝臓、腸などに毒があり食用禁止ふぐとされる。そもそもフグ科の魚の素人料理は危険である。キタマクラは雌や幼魚は地味な色彩ではあるが、雄成魚は派手な色になったりする。

分布域は福島県以南の太平洋岸~琉球列島。国外ではインドー西太平洋に生息する。ハワイ諸島にもいるが、魚類検索第三版では同諸島についての記述はない。ハワイ産の個体は別種とされそうなのか、そもそも「西太平洋」というのが誤記なのか。高知県ではどこの海でもほぼ周年見られ、このポイントでは昼間に防波堤で釣り糸を垂らせば100%姿を見ることができる。九州北部にもいるようだが、残念ながら玄界灘ではその姿を見たことはない。クサフグとコモンフグが多く、トラフグ属以外ではサバフグと、冬季に沿岸の砂浜を埋め尽くすハリセンボンに混ざるホシフグくらいのものであった。

キタマクラの仲間は観賞魚として飼育されることもある。ただしサンゴをかじったりすることもあるので、あまり初心者向けの魚とはいえないところがある。またフグ科・ハコフグ科全般にいえることではあるが、ほかの魚と飼育していると皮膚から毒を出す危険性がある魚については、それに対応できない初心者には飼育はおすすめできない。

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