花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

海岸線物語 中日新聞より

2012年02月19日 | わたくしごと、つまり個人的なこと
中日新聞。3日ほど前の夕刊から詩情溢れる“海岸線ものがたり”が始まった。
舞台は石川県能登半島外浦
     
ガラガラと引き戸をあけて表へ出ると目の前は日本海。
角海ミツさん(75歳)の心がはやる。「さあ、行かんならん」岩ノリ採りへ向かう。
下は4枚、上は5枚と重ね着をして海へ。
中学生の頃から手伝ってきた。岩ノリのない冬は考えられない。
波は足元をさらうように寄せる。岩にへばりついたノリにゴム手袋をした手を滑り込ませてギュッと握る。聞き手の右手の先に穴が開く。二日ともたない。「左ばっかりいっぱい残ってる」
採ってからの仕事も多い。水洗い。天日干し。小石を取り除き乾燥。夜中に2回3回と眼が覚める。「どんな顔しているか見に行くんよ」
わが子の布団を何度もかけなおす親心が育てる味は料亭に届く。
「一番おいしいね」商品にならない切れ端が角海さんの口に入る。
保育師だったころ、走り高跳びの大会で右ひざを痛め手術した。少し引きずって歩くのはそのせい。けれど。
「海に出ることをいやだとは思わんもん」
「甘いし、おいしいし」
弥生の海も角海さんに手招きをする。

どんなものでも、作る人の苦労を忘れてはいけませんよネ

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