瀬戸内寂聴さんの「痛快!寂聴 仏教塾」を読ませていただいております。死んだおふくろが好きで、生前に買い与えた?本です。
武 寂聴さん、あなたの好きなお言葉は?
寂 私は「切に生きる」という言葉が好きです。
武 「金に生きる」なら分かりますが「切に生きる」とはどういう意味でしょう?
寂 昔、中国の曹洞宗の祖師、洞山和尚(どうざんかしょう)に、弟子の坊さんが聞きました。「今日はどんな説明もいりません。一言で答えてください。いかなるか、これ清浄発身(しょうじょうほっしん)」悟りを開くにはどうすれば良いか?という質問なのです。
武 清浄発身とは、なんとなく金には縁のなさそうな言葉ですね。
寂 生きた仏という言葉です。これに対して洞山和尚は、こう答えたのです「われ、常に、ここにおいて切なり」
武 「われ、常に、ここにおいて金なり」の間違いではないんですか?
寂 切とは切っても切れないことです。切実、大切の切です。つまり今、自分がしていることに没頭しなさいといっているのです。食べているときも、働いているときも、眠っているときも、唯ひたすら一生懸命に没頭しなさいと。
武 お金を勘定しているときは没頭しますが、没頭するほど金がないのです。
寂 死後のことを思い煩うな、やがて来る別離におびえることもない。今、生きている一瞬を切に生きれば、それでいいじゃないかということです。私もまた、切に生きたいし、そのように死にたいと思っています。明日のことを考えず、この一瞬一瞬を大切に生きる。それができれば、最高の人生ではないでしょうか。
武 オイラも金さえあれば、切に生きることが出来るかもしれません。少し、お金・・・・
寂 そこの裏口から出て行きなさい。
武
武 寂聴さん、あなたの好きなお言葉は?
寂 私は「切に生きる」という言葉が好きです。
武 「金に生きる」なら分かりますが「切に生きる」とはどういう意味でしょう?
寂 昔、中国の曹洞宗の祖師、洞山和尚(どうざんかしょう)に、弟子の坊さんが聞きました。「今日はどんな説明もいりません。一言で答えてください。いかなるか、これ清浄発身(しょうじょうほっしん)」悟りを開くにはどうすれば良いか?という質問なのです。
武 清浄発身とは、なんとなく金には縁のなさそうな言葉ですね。
寂 生きた仏という言葉です。これに対して洞山和尚は、こう答えたのです「われ、常に、ここにおいて切なり」
武 「われ、常に、ここにおいて金なり」の間違いではないんですか?
寂 切とは切っても切れないことです。切実、大切の切です。つまり今、自分がしていることに没頭しなさいといっているのです。食べているときも、働いているときも、眠っているときも、唯ひたすら一生懸命に没頭しなさいと。
武 お金を勘定しているときは没頭しますが、没頭するほど金がないのです。
寂 死後のことを思い煩うな、やがて来る別離におびえることもない。今、生きている一瞬を切に生きれば、それでいいじゃないかということです。私もまた、切に生きたいし、そのように死にたいと思っています。明日のことを考えず、この一瞬一瞬を大切に生きる。それができれば、最高の人生ではないでしょうか。
武 オイラも金さえあれば、切に生きることが出来るかもしれません。少し、お金・・・・
寂 そこの裏口から出て行きなさい。
武