![S0001t S0001t](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/e9/4f91b3939b575413777209e359a00db9.jpg)
近頃の老人は、キレ易いのだそうだ。
飛行機や列車の中で暴れたり、病院の中で暴れたり………。
ある作家の話では、平成に入ってから平成17年までのデータによれば、65歳以上の刑法犯の数は、人口増加の2.5倍以上になっているとのこと。
それほどに暴走老人は増えているらしい。
常識的に言えば、「老境に入ってますます円熟味を増し……」などの評価を受けていい老人が、逆に「暴走老人」と言われるほどにキレまくっている。
我が身を振り返ってみて、果たしてキレ易くなっているだろうか。
私に関して見れば、お世辞にも「円熟味が増して……」とは言ってもらえないにしても、キレ易くなってきたとは思っていない。
ただし一般論で言えば、老人が住みにくくなってきていることは確かだ。
健康不安の問題もある。
収入減による格差感もつのっているかも知れない。
核家族化の進展によって、孤独感に苛まれているケースもあろう。
若者たちとのコミュニケーションもとりにくくなってきている。なにしろ言葉も通じない。
なによりも先行きの明るい展望がなく、閉塞感が充満している。
しかしこのようなことは、今に始まったことではない。
私たちの年代が、このような社会形成を促進してきた面も否めない。
謂わば自業自得。
にも関わらず、キレ易くなったとは何事か!
そんな風に思えなくもない。
と、理屈の上では強気なことを言いながら、やはり閉塞感や不安感はありそうだ。
恐々(こわごわ)と光残して冬の暮 鵯 一平
冬の暮わが行く末のほの明かり 鵯 一平
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