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【転載記事】ICJ(国際司法裁判所)によるイスラエルに対する「ジェノサイド防止命令」の日本語訳(その2;判決部分)

2024-02-20 18:47:42 | その他社会・時事
86. 以上を根拠として、当裁判所は、次の各号の仮保全措置を提示する。

(1) 15対2によって、イスラエル国は、ジェノサイド条約に基づく義務に従い、ガザのパレスチナ人との関係において、特に以下の行為を含めこの条約の第2条の範囲内のすべての行為の実行を防止するために、その権限内にあるすべての措置をとるものとする:

(a) 集団構成員を殺すこと;
(b)集団構成員に対して重大な身体的または精神的な危害を加えること;
(c)全部または一部に身体的破壊をもたらすことを意図する生活条件を集団に対して故意に課すること;
および
(d)集団内における出生を防止することを意図する措置を課すること。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官、バラク特任裁判官

(2) 15対2によって、イスラエル国はその軍隊が上記(1)のいかなる行為も行わないことを直ちに確保するものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官、バラク特任裁判官

(3) 16対1によって、イスラエル国は、ガザ地区のパレスチナ人集団のメンバーに関しジェノサイドの実行を直接的かつ公然と扇動する行為を防止および罰するために、その権力の及ぶ限りあらゆる措置をとるものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、バラク特任裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官

(4) 16対1によって、イスラエル国は、ガザ地区のパレスチナ人が直面する不利な生活状況に対処するため、緊急に必要とされる基本的サービスと人道支援の提供を可能とする即時かつ効果的な措置をとるものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、バラク特任裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官

(5) 15対2によって、イスラエル国は、ジェノサイド条約第2条および第3条の範囲内の、ガザ地区のパレスチナ人集団の構成員に対する行為について、申し立てに関する証拠の破壊防止と保全確保のための効果的な措置をとるものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官、バラク特任裁判官

(6) 15対2によって、イスラエル国は、この決定の日付から1カ月以内に、この決定を実現するためにとられたすべての措置に関する報告書を当裁判所に提出するものとする。

賛成票:ドナヒュー裁判長、ゲボーギアン副裁判長、トムカ裁判官、アブラハム裁判官、ベニューナ裁判官、ユーセフ裁判官、シュエイ裁判官、バンダーリ裁判官、ロビンソン裁判官、サラーム裁判官、イワサワ裁判官、ノーテ裁判官、チャールスワース裁判官、ブラント裁判官、モセヌケ特任裁判官
反対票: セブティンデー裁判官、バラク特任裁判官

ハーグの平和宮において、2024年1月26日に、英語とフランス語で作成され、英語版が権威を持つ。作成された3部のうち1部は当裁判所文書施設に保管され、他の2部はそれぞれ南アフリカ共和国政府とイスラエル国政府とに送付される。

(署名) ジョアン・E・ドナヒュー、裁判長
(署名) フィリップ・ゴティエ、書記官
シュエイ裁判官は当裁判所の決定について宣言書を提出、セブティンデー裁判官は当裁判所の決定について反対意見を提出、バンダーリ裁判官とノーテ裁判官はそれぞれ当裁判所の決定について宣言書を提出、バラク特任裁判官は当裁判所の決定について個別意見書を提出。

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