街の変貌とご近所の事件

　　ある知人からの話。知人の住むマンションの階下の路上で殺人事件があったらしい。夜中に酔っ払いが路上で口論 → タクシーが通りかかり、邪魔なのでクラクションを鳴らす → 逆ギレした酔っ払いの片方がタクシーの運転手を運転席から引きずりおろし、暴行 → 運転手死亡という結末に。知人は、寝床で横になりながらその口論の一部始終を聞いていたらしい。殺人事件という結末になったその騒動を耳にしてしまって「気持ち悪い」ともらしていた。

　　知人の住む地区は、ちょっと前まで老人の多い静かな街だった。だが不景気が続くうちに、中流家庭向けの小売は撤退して、デフレ産業であるパチンコ屋や安い飲食店が進出して下世話な街に変わってしまった。近年では、酔っ払いが夜中に騒ぐことはしょっちゅうだったらしい。あげく、ついに殺人事件かと彼女は嘆いていた。夜はもう出歩けない、とのこと。一昔前の日本では考えられなかったなあ。