ひろの東本西走!?

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お神酒徳利(山本一力)

2005-12-01 21:25:00 | 17:や行の作家
omikitokkuri-2お神酒徳利(祥伝社)
★★★☆’~★★★☆:65~70点

うーーーん、全体に今ひとつだし、特に終盤がなあ・・・。

残りページが少なくなってきて、これでラストをきちんと書き込めるのか心配になってきたら、案の定、終盤はパタパタパタと解決してしまいました。一力さんの作品には最近これが多いのですが、これはいただけませんね。ラスト4ページの”とある”人物のセリフ自体は悪くないのですが、この人物については予想がついたし、「だいこん」に引き続いて尻切れトンボの感は否めませんでした。交響曲で言うと、終楽章のラストには怒濤のコーダが待ちかまえていることが多く、聴衆はいよいよコーダに突入するぞとワクワク・ドキドキするのですが、そのコーダがなくプツンと音楽が終わってしまった感じです。え?終わり?てなもんで、拍手するタイミングを逸してしまいますね。

ラストについては、「だいこん」でのコメントで書かれていた

 ■ゆきうさぎさん
  >ほとんど終わりをはしょったような気がします。

 ■Rokoさん
  >無理矢理終わらせちゃったのかなぁ?ってときもあるしね。
  >全体的にはいい感じなのに、ラストでこけちゃうのは残念です。

がそっくりそのまま当てはまってしまいました。

新太郎、尚平、おゆき、芳三郎、源七、木兵衛・・・前作でなじみ深い人物が揃っているのだから、もうちょっと違う描き方もあったと思うのですが・・・。大のお気に入り”おゆき”もその良さが本作では殆ど表されていなかったこともあり、採点は厳しいです。65点だと、水準作以下になってしまうなあ。
新太郎とさくらは良い仲になりそうだったのに、これも消化不良。さらに続編があるのかもしれませんが、なぜここで出版しないといけなんだろう。上下2巻になっても良いから、最後まできちんと書ききってほしいものです。あっ、切り絵を使った表紙は良かったです。

一力さんは多作家で、旧作から読み進めている私など、なかなか最新作までたどりつけません。今のままでは素材は良いのに内容がやや希薄な作品が増えていきそうで不安です。私にとっては栄光の殿堂入り作家なのですが・・・。

一力はん、えらい辛口の感想でごめんやで~。せやけど、ほんま頼んまっせ~。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お点が辛いですねぇ・・・。 (ぐれえす)
2005-12-02 09:38:08
お点が辛いですねぇ・・・。
確かに最近は消化不良気味のが多いかもです。
私は「だいこん」よりこちらの方が好きなんですけど、
というか「深川駕籠」のシリーズ(続きそうな気がします)が好きなんですけどね。
完成度は「黄表紙シリーズ」の方が高いかも(これも好き)。

一度「宇江佐真理」も読んでみてください、良いですよ~。

TBさせていただきますぅ。
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☆ぐれえすさんへ (ひろ009)
2005-12-02 22:31:26
☆ぐれえすさんへ

一力さんはお気に入り作家だけに余計に厳しめの採点になるのです。
「深川駕籠」シリーズ、題材はいいし、新太郎、尚平コンビをはじめとする登場人物もgood。後は一力さんの気迫だけ?
おゆきさーーーん!

「宇江佐真理」、どれから読んだら良いのでしょうか。
また教えてね。

今日は図書館休みだし、現在、読むべき本が手元にない。。。
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