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ひろの東本西走!?

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生命をとらえなおす -動的平衡とは何か- 福岡伸一さん

2012-01-30 23:27:40 | 本と雑誌

昨日、NHK文化センター梅田教室で開催された下記の講演会に参加してきました。

  生命をとらえなおす-動的平衡とは何か-
  講師: 生物学者・青山学院大学教授 福岡伸一

  私たちの周りには、遺伝子組み換え、ES細胞、臓器移植など、
  生命操作を巡る様々な議論があり、根底には「生命はミクロな部品が
  集合したプラモデル」という見方があります。しかし生命は、ミクロな
  レベルでは、常に入れ替わりながら新たに構成されている
  「動的平衡」な状態にあります。
  この「動的平衡」論をもとに、生命とは何かを考えます。

Fukuoka1_2 Fukuoka2   

本を読んでいない方はピンとこないでしょうが、福岡さんの著書は高度な理系の内容を文系の人にも分かりやすいように、しかも叙情性豊かに書かれています。また、芸術などへの造詣も深く、それらが最大の魅力でしょうか。2007年に読んだ「生物と無生物のあいだ」、2009年に読んだ「世界は分けてもわからない」は、共にその年のMyベスト本リストでノンフィクションの1位と評価しました----2007年度2009年度

実は私、テレビ等でも福岡氏が話されているのを聞いたことがなく、その文体の感じから真面目だけれど軽妙洒脱な話し方をされる方かなと想像していました。しかし、実際には、話の内容には軽妙さもあるものの、学者らしくゆっくりと落ち着いて真摯に話される方でした。低くよく通る声も印象的。

講演は、冒頭に2枚の写真が映し出され、これはいったい何でしょう?というところから始まりました。私は「動的平衡」を読んでいたので分かりましたが、その写真をきっかけにレーウェンフックとフェルメールの話につながり、そこからは魅力いっぱいの福岡ワールドにひきこまれました。福岡さんの本は「世界は分けてもわからない」でもそうでしたが、科学ミステリー・科学サスペンス的な面も多少あり、レーウェンフックとフェルメールに関する福岡説・福岡論も実に興味深かったです。

講演の内容は基本的に著書に書かれたものがベースでしたが、やはり著者の口から語られるととても説得力があり、より印象に残ると思います。

  動的平衡とは

    ・要素はたえまなく更新される
    ・平衡がたえまなく求められる
    ・柔軟、可変的
    ・回復、修復

  生命、環境、自然 = 動的平衡

    ・全てのものは移ろう(うつろう)
    ・長い時間軸で考える
    ・部分的な思考におちいらない
    ・流れをとめない
    ・占有から共生

これらのまとめ、キーワードもとても分かりやすかったです(細かい転記ミスがあるかもしれませんが)。著書を読んだときもそうだったように、知的好奇心を大いに刺激された1時間半で、脳死問題と脳”始”問題についての指摘や最先端技術への危惧などにはうーんと唸り、しかし、精密にしてしなやかな生物・生命の不思議さに改めて驚き、至福のひとときを過ごすことができました。

会場は満員で、質疑応答の際に「難しい質問ですね」と言いながら、しかし、分かりやすく丁寧に回答される姿勢も素晴らしかったです。講演会後の著書販売&サイン会も大盛況でした。私は既に所有していた「動的平衡1」とエッセイ集「ルリボシカミキリの青」の2冊にサインして頂きました。あちこちのページに付箋(メモパッド)を貼っていたため、「おー、たくさん貼られていますね」的なことを仰られ、「大事と思うところに貼りだしたらキリがなくなってきまして・・・」と答えると、笑っておられました。これからも素晴らしい本をどんどん書き続けて、我々を深遠な生物学の世界にいざなって頂きたいものです。そして、個人的には2人の息子が文系のセンスも持った理系人間(?)になってくれないかなあ・・・なんて思っています(笑)。


今年これまでに読んだ本

2010-08-05 23:11:51 | 本と雑誌

今年これまでに読んだ本のリストです。
サッカーのワールドカップがあったりして(^_^;、なかなか感想を書く時間がとれないのですが、通勤時などに時間があれば、できる限り本を読むようにはしています。ただ、最近は小説はやや少な目で、新書が多いですね。

評価(採点)は読後のメモの際につけたもので、年末にリストを整理するときには若干変わる可能性があります。80点以上の本は年度のベスト10クラスにランキングされる可能性がありますが、果たしてどうなるかな?

Photo    


にっぽん木造駅舎の旅100選(萩原義弘)

2010-05-13 22:39:06 | 本と雑誌

Ekisha1 にっぽん木造駅舎の旅100選(平凡社)

最近買った本ですが、美しく大きな写真満載で素晴らしかったです。類書はこれまでにも多数出ていると思いますし、私も何冊か所有していますが、美作滝尾駅、鳥居本駅、新八日市駅、畝傍駅(貴賓室の内部写真もあり)、若桜駅などに惹かれて即購入。ソフトカバーで携帯しやすいのも良いですね。

以前から鳥居本駅は訪れたいなあと思っていたこともあって、本書購入後にすぐに探訪に行きました(^_^;

yumeさんのブログに若桜駅の駅舎や転車台の写真があり、こちらも必見です(鉄道や他の駅などについての記事も満載です)。


最近読んだ新書

2010-03-15 23:30:18 | 本と雑誌

図書館予約本がなかなか回ってこないこともあって、最近は小説の合間に新書を良く読んでいます。比較的読みやすいものであれば、通勤の電車の中利用でも1日~2日で読了するので、感想を書けない本がどんどんたまってきています。

今年になってから読んだ新書はいずれもなかなか面白かったのですが、放っておくと忘却の彼方となるため、いったん整理する意味も含めて採点だけをつけてみました。点数はもちろん後日、修正の可能性があります。時間が取れれば、少しずつ簡単な感想を追記したいと思います。


Bunkeirikei1文系?理系?―人生を豊かにするヒント
志村史夫
ちくまプリマー新書
★★★★☆’:85点

教え方のせいで数学や物理が嫌いになってしまった人へ、主には
理系の立場からその面白さ・奥深さを語った素晴らしい本。物理
現象や生物などの不思議さとその意味、不純物の効用、文理(芸)
融合のすすめ、何のために勉強するのかなど、平明にしてエッセ
            ンスが十分に伝わるちくまプリマー新書の特徴が良く出ている。


Miyadai1民主主義が一度もなかった国・日本
宮台慎司、福山哲郎
幻冬舎新書
★★★★:80点

宮台氏の辛口で鋭い舌鋒が冴え渡る。
マニフェスト選挙の意味・意義は?自民党の間違いとは?
あの衆院選で人々が選択した意味は何だったのか。
宮台氏によると”革命”だったとのこと。


Uchida1_2日本人辺境論
内田樹
新潮新書
★★★★:80点

多くの先人の思想や考え方を紹介するのみとあったが、
内田氏独自の日本人論も多くあって痛快。
中華を前提としての東夷・辺境の考え方を(喜んで)受け入れて
きた日本人。世界に向けた日本発のものが殆どない理由など。。。


Mori1創るセンス 工作の思考
森博嗣
集英社新書
★★★★:80点

手を使って「ものを作る体験」の大切さ。
優れた教育論でもあった。
この本を読んですぐに子供に簡単なプログラミングロボットの
電子キットを買いました。でも、まだうまく動かない(汗)。


Kin1走る意味 命を救うランニング
金哲彦
講談社現代新書
★★★★:80点

市民ランナーにとってはカリスマ的な金哲彦が大腸ガンに
かかり、それを克服したとは知りませんでした。
なかなかの反骨精神とガッツの持ち主で、高校駅伝で強豪の
大牟田や福岡大大濠に挑んだその心意気や良し!


Fukuda1人間の器量
福田和也
新潮新書
★★★★’:75点






Terashima1世界を知る力
寺島実郎
PHP新書
★★★★’:75点






Katsuma1目立つ力 インターネットで人生を変える方法
勝間和代
小学館101新書
★★★☆:70点


上半期の読了本

2009-07-12 09:47:43 | 本と雑誌

上半期プラス7月上旬分の読了本リストです。

感動本でも感想を書けていない本が多く、とりあえずどんな本を読んでいるかだけでもアップすることにしました。著者名は、覚えているもの、すぐに分かったもののみ記載しています。◎印は良かったもの・印象に残ったもの・オススメ本などです。ブログに正式な感想をアップしたり、年末のまとめ時に評価が変わることもありますが。

大半が通勤の電車の中で読んだもので、読書量としては例年とほぼ同じかやや多めです。最近は小説と新書が多いのですが、個人的には面白ければ何でもOKです。

<1月>
 ◎序の舞  宮尾登美子
   スナッチ  西澤保彦
   読書は1冊のノートにまとめなさい
 ◎BOX!ボックス!  百田尚樹
   ゴローのヒマラヤ回想録  岩坪五郎
   日本人はなぜ環境問題にだまされるのか  武田邦彦

<2月>
 ◎永遠の0(ゼロ)  百田尚樹
   iPS細胞  八代嘉美
   住まいに居場所がありますか?
 ◎  宮尾登美子
   ラン  森絵都
 ◎読書力  齋藤孝
 ◎年下の男の子

<3月>
   警官の血(上)  佐々木譲
   大阪の近代建築と企業文化
 ◎天涯の花  宮尾登美子

<4月>
   景気って何だろう
 ◎きのね  宮尾登美子
 ◎読ませるブログ 心をつかむ文章術
 ◎ルポ貧困大陸アメリカ
 ◎サッカーボーイズ 再会のグラウンド  はらだみずき
 ◎ヨーロッパのアール・ヌーヴォー建築を巡る

<5月>
 ◎湖国のモダン建築
   サッカーボーイズ 13歳 雨上がりのグラウンド  はらだみずき
 ◎教育力  斎藤隆
 ◎キネマの神様  マハ原田
 ◎猫を抱いて象と泳ぐ  小川洋子
   脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める  築山節
   退出ゾーン  初野晴
 ◎警官の血(下)  佐々木譲
   人生の軌道修正  和田秀樹

<6月>
 ◎思考・発想にパソコンは使うな 「知」の手書きノートづくり  増田剛巳
 ◎葉桜の季節に君を想うということ  歌野晶午
   カリスマ編集者の「読む技術」
 ◎クローズ・ドノート  雫井脩介
 ◎決断力  羽生善治
   ラストラン  志水辰夫
   ナイチン・ゲールの沈黙  海堂尊
   日本を教育した人々  斎藤孝

<7月>
 ◎ジェネラル・ルージュの凱旋  海堂尊
   日本の歴代ノーベル賞
   七夕しぐれ  熊谷達也