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ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

巨星墜つ 山崎豊子さん

2013-10-05 10:40:31 | 本と雑誌

作家の山崎豊子さんが亡くなられました。
まさに文壇の巨星墜つです。

Siroikyotou2 Kareinaruitizoku2 Humoutitai2 Futatsunosokoku2 Daitinoko2 Sizumanutaiyou2 Unmeinohito2

8年前の(!)ブログ記事で、北杜夫・井上靖・新田次郎という学生時代からの「御三家」に、女性作家の山崎豊子さんを加えて「四天王」としていたことを書きました。

私は大阪の船場などを舞台にした初期の作品は未読ですが、後に書かれた社会派長編小説の名作群を読んで愛読者になりました。 「不毛地帯」「白い巨塔」「華麗なる一族」「大地の子」・・・。山崎作品はどれもが手応え・読み応えずっしりです。池井戸潤の半沢直樹シリーズなどもとても面白く読んでいるのですが、山崎豊子さんの作品は別格のヘビー級といった感じです。

主人公をはじめとする登場人物の歴史にもてあそばれるような人生、絶望感、望郷の思い、信頼と裏切り、苦渋の選択、かすかな希望、正義感と強靱な意志。そこから来る感動度や感銘度、ハラハラ感が凄いです。秋の夜長を過ごすのにぴったりの作家さんでした。
硬派の女性作家では他に高村薫さんの作品が好みですが、また山崎作品とは若干異なったテイストですね。これもブログのどこかで書いたかなあ。

山崎作品にあえて順位をつけてみました。エイヤーの面はあります。
マラソンレースに例えると・・・

  先頭は2作品がつばぜり合い  「不毛地帯」    「白い巨塔」

  僅差の3位にも2作品       「華麗なる一族」 「大地の子」

  更に僅かに遅れて         「二つの祖国」  「沈まぬ太陽」

  近作は少し離されて7位      「運命の人」

といった感じでしょうか。

数年がかりのもの凄い取材のため寡作です。しかし、いずれの作品も綺羅星のごとく輝いています。今後、山崎豊子さんの作品を読めないのは実に残念です。
週刊誌の連載が始まったばかりだった「約束の海」は未読ですが、20回分くらいは書き終えておられるそうなので、読んでみたいものです。


Casa BRUTUS 死ぬまでに見ておくべき100の建築

2013-07-11 22:20:15 | 本と雑誌

Casabrutus1611_2
昨日、乗り換え駅の書店でふと手に取ったのが
Casa BRUTUS20138月号でした。特集記事は「死ぬまでに見ておくべき100の建築」<o:p></o:p>で、表紙写真の建物が形・色ともにこの上なく美しいです。 

mayumamaさんも記事アップされています。

世界各国の建築が対象なので、私が見たことがあるものは、
 

オルセー美術館 

ルーブル美術館のピラミッド

サグラダ・ファミリア 

ガルニエ宮(オペラ座) 

太陽の塔 

仙台メディアテーク(これはチラッと横目で眺めただけ)

でした(汗)。名前と建物写真がまあ一致したのも半分くらいですかね。
 

三大巨匠とも言われるフランク・ロイド・ライト、ル・コルビュジェ、ミース・ファン・デル・ローエ作品は貫録の複数ランクイン。
 

私の建築探訪は主に近代建築中心であり(もちろん国内です)、最近でこそモダニズム建築なども意識して見始めていますが、現代建築のことはあまり知らず、これらにも素晴らしいものがあることを痛感しました。 

今回、特に印象に残ったのは、
 

  ニテロイ現代美術館(ブラジル):表紙 

  バングラディシュ国会議事堂(バングラディシュ) 

  ノルウェー野生トナカイセンター・パビリオン(ノルウェー) 

  ラ・トゥーレット修道院(フランス) 

  ヴィトラキャンパス(ドイツ) 

  落水荘(USA) 

  ファーンズワース邸(USA) 

  シュレーダー邸(オランダ) 

  グッゲンハイム・ビルバオ(スペイン) 

  ナショナル・ギャラリー(ドイツ) 

  モエレ沼公園(日本) 

  ティカル(グアテマラ) 

  ボデガス・イシオス(スペイン) 

  光の教会(日本) 

  メスキータ(スペイン) 

  プレオブラジェンスカヤ教会(ロシア) 

  泥のモスク(マリ) 

  ユニテ・ダビタシオン(フランス) 

  クアラルンプール国際空港(マレーシア) 

  チャンディガール(インド) 

  ブラジリア(ブラジル) 

  サン・アルフォンソ・デル・マル(チリ) 

  マリーナ・ベイ・サンズ(シンガポール) 

  キャピタル・ゲート(UAE) 

  ブルジュ・ハリファ(UAE) 

  会津さざえ堂(日本) 

  ソーク生物研究所(USA) 

  バウハウスデッサウ校舎(ドイツ) 

  バレンシア芸術科学都市(スペイン) 

  モントリオール・バイオスフィア
          (旧・万博アメリカ館)(カナダ)

 

などです。
写真が小さいものはちょっと損をしているかもしれませんね。これ以外にも、建築通&旅行通16人に聞いた「私が生涯で出会った最高の建築、
そして、いつか訪れたい建築」なども素晴らしかったです。
 

えらく陳腐な表現で申し訳ないのですが、選ばれている建築は<o:p></o:p>一言で言えば「カッコイイ!」です。あーぁ、建築家になりたかったなあ。。。あれ?自分でも何か資格を持っていたはずですね(汗)。
 

素晴らしい建築の美しい写真の数々。<o:p></o:p> 

これで980円とはビックリです。


最近のMy読書考-2

2013-06-23 22:29:03 | 本と雑誌

本を選ぶ際、書店で書棚を眺めたり手に取ってパラパラめくることが多いですが、新聞や雑誌の書評、広告などもかなり参考にします。そして、仕事で使っている手帳の一番後ろに、読もうと思っている本や新聞や雑誌などで知ってマークした本を常に50冊以上リストアップしています。このリストには映画なども含んでいます。リストはどんどん増えるので、すべてを読了することはできません。ですが、リストアップしてメモすることで、その時点での関心事を再確認したりが可能です。

私のような年間70冊読了は量的に微々たるもので、世の中に多数おられる読書の達人と比べると、数量共にその凄さにクラクラしますが、 人は人、自分は自分です。私は趣味系というか自分が関心を持った本しか読んでおらず、政治/経営/経済/金融/社会/法律/宗教/哲学/伝記/詩歌といったジャンルは殆ど未読で、これは少し改めたいなと思います。ただ、近年は新書をかなり読んではいます。新書にも色々ありますが、実用・歴史・教養・教育・生き方・情報・自然・技術などかなりバラエティに富んでおり、とても面白いです。

先に書いた読書ノートには、読後に書名・著者名・評価(点数)、簡単な感想、印象に残った箇所などをざーっと走り書きすると共に、裏表紙などの内容紹介文(時々、目次も)や帯などのコピーを市販のノートにベタベタ貼り付けています。貴重な自分のデータベース(究極のアナログDB)ですね。また、アナログだけにコピーしたモノもまちまちなのがとても面白く、その本を読んだ時の記憶がより深まるような気もします。

読書ノートは例えばこんな感じです。

 

Dokusyonote0_2 Dokusyonote1_2
Dokusyonote2

ブログを始めた頃は書評というか本の感想をどんどんアップしようと考えていたのですが、他にやりたいこと/やるべきことが多数あってとてもそれだけの時間が確保できず、読書ノートへのメモと毎年のマイベスト本選び(例えば2012年分)で精一杯の状態です。
そうそう、最近、書評ゲームともいうべき”ビブリオバトル”がブームになっているみたいですね。新書で知りました。一度どんな感じか見てみたいものです。

なお、近代建築探訪などに費やしている時間を減らさない限り、読書量の大幅増加は無いかと思われます(汗)。


リフォーム後の本棚

2012-08-25 22:53:34 | 本と雑誌

リフォーム後の本棚です。

新たな夫婦の居室(寝室)となった部屋には、造りつけの本棚(下の写真)と別置きの本棚2つ(1は幅がスリムなすき間家具)があります。ですが、既にほぼ満杯で、収納しきれなかった雑誌や会社関係の本などがまだ段ボール箱に数箱分入ったままです。本棚には800~900冊あると思うのですが、今後は総量規制必至ですね(汗)。

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棚の奥行きがかなりあるため新書&文庫は前後に並べることができ、後ろの本は下に台を置いて前からタイトル上部が見えるようにしました。若干見にくいものの、自分で入れたものですし実用にはこれで十分です。各棚の写真はクリックするともう少し大きく表示されます。最近は新書がどんどん増えつつあります。

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一番下にはアルバムも並べていますし、全ての棚の写真をアップしたわけではありませんが、全体としては建築、とくに近代建築関係の本が多いです。最近は単行本の小説などは図書館で借りることが殆であるため、それらの数はかなり少ないです。小説もまあ次々と読破はしているのですけれど。リフォーム前にはブックオッフにかなり売っちゃったしなあ。。。ちょっと寂しいなあ。。。

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下の写真は別置きの本棚です。スリム本棚の方には音楽CD(LDKにも専用ラックあり)やPCデータCD、各種番組の録画DVD、BDなどを並べました。

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こちらには主に建築関係以外の趣味の本などを並べています。
クラシック音楽関係や冒険小説・ミステリー小説・SF小説などのブックガイドがあります。

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キネマ旬報などの映画関係本(小学生~高校生くらいまでは映画少年・映画青年でした)や浦沢直樹が手塚治虫へのオマージュとして描き上げた「PLUTO」などのマンガ本も並んでいます。キネマ旬報は専らベストテン特集号のみですが、実家にあるものを含めると約35年分があります。

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以前、私のベストBOOKSとして約100冊に絞り込んだ自分にとっての生涯の超面白本、超オススメ本のリストを作りかけたのですが、未完です(汗)。いずれそれらもアップ予定です。自分の目が届くところに好きな本の背表紙が見えるのは、本好き人間にとってはたまりませんね。今回はリフォーム・デザイナーの方の提案で、このような空間が実現しました。  これだけでもリフォームして良かった! 


「読書の面白さ、大切さ」 中江有里さん

2012-02-29 22:10:49 | 本と雑誌

Photo_nakaeyuri 1月度に引き続いて、NHK文化センター梅田教室で開催されたスズケン市民講座「読書の面白さ、大切さ~年間300冊の読書術~」に参加しました。講師は女優・脚本家である中江有里さんです。

写真は日経ウーマンオンラインのブログ”本が教えてくれること”より。市民講座のリーフレットにもこの写真が使われていたようです。 

~案内のリーフレットより~

 読書は、すぐに出来る心の旅行です。日常を豊かにするヒントがつまった
 本の魅力について、NHKBS「週刊ブックレビュー」の司会者がお話します。

私も読書は大好きですが、年間に読むのは小説・ノンフィクション・新書を中心に70冊程度です。殆どが大阪(自宅)~京都(会社)間の通勤電車の中で読みます。通勤時間は片道1時間40分~50分ですが、電車を4本乗り継ぐので(地下鉄-地下鉄-京阪-近鉄)、なかなかまとまった時間を確保するのが困難です。唯一40分以上乗る京阪特急では睡魔に負けることが殆どですしね。中江さんの場合、ある程度はお仕事との関係もあるでしょうが、それでも年間300冊は凄いと思います。

今回はどんな話をされるのか興味津々に思っている中、いよいよ中江有里さんの登場です。あら~、想像していたよりもずっと小柄な方でちょっとビックリ!ホームページなどで身長154cmとなっていたのを後から知りました。あまり女優さん女優さんしておられず(? 失礼!)、第一印象は小柄で美しく可愛らしい女性といった感じの方でした。映画では昔、「ふたり」(石田ひかり、中嶋朋子ほか)などに出演されたのを観たことがあります。

女優になる前から何かを書きたいという思いがあったそうで、女優・脚本家・週刊ブックレビューの司会者にはなるべくしてなられたのかもしれません。常に複数の本を併読し、いずれも最後まで読まれるとのこと。併読のポイントはテイストの異なったものを読むことだそうです。

さて、講座は意外にも聴衆参加型でした。
最初にあった1ケ月に何冊くらい本を読むか手を上げたりはよくあると思いますが、講座の途中で、あらかじめ配られていた森鴎外の「牛鍋」という作品を聴衆が一人一文ずつ音読していくのにはビックリ。テキストの難しい漢字にはフリガナも符されていますが、自分に回ってきそうな部分が気になって、そこまでは文章の内容が頭に入りませんでした(汗)。

このテキストを題材に話されたポイント:

 ・複数で声に出して読む面白さ。
 ・文章で説明されていない内容が多く、読者は自ずと想像力が膨らむ
  /想像力を膨らませることになる。
   →多彩な読み方や解釈が可能。色んな疑問点が出てきたりも。
 ・読者がいて本が成り立つ。
 ・作者と読者がいて本が成り立つ。

自著「結婚写真」(良い本でした)を含めて何度か本の一節を読まれたのですが、さすがは女優さんです。声が良く、感情移入が見事。セリフとその他の部分の語り方の使い分けも絶妙でした。また、聴衆の音読もあったりしたせいか、美しい先生による(笑)国語の授業を聴いているような感覚もあり、これも面白かったです。

この日紹介された本の中では、荒川洋治「昭和の読書」やマーク・ボイル「僕はお金を使わずに生きることにした」を読んでみたいと思いました。

紹介された本の中の引用も含めて、この日、印象に残った言葉です。

 ・読書は種のようなもの。蒔かなければ花が咲いて実がつかない。
  しかし、どんな実がつくか分からないし、すぐに役立つかどうかも
  分からない。けれども、いずれ必ず役に立つ。
 ・著者が書く/描く海と読者が感じる海は違うはず。
  しかし、それで良いし、それが良いと思っている。
   →読書の深さ、広さ
 ・読書はコミュニケーションツール。また、タイムトンネル的でもある。
 ・他人や世界を俯瞰して見ることができる。

静かに、しかし力強く本や読書の面白さ、大切さ、素晴らしさを語られ、最後は「今は不安の多い時代ですが、不安はパワーに変わります。たくさん本を読んで、たくさんの人と語らってください」という言葉で締めくくられました。

先月の福岡伸一さん(この日、中江さんも「生物と無生物のあいだ」のことを話されました)、今月の中江有里さんとお二方の素晴らしい講演を聴いて、心が豊かになる気がしました。また、中江さんは美しく聡明な方で、読書が(それだけによるものでないにしても)人格や人柄をつくり上げているんだなあとも感じました。