自治論なき"真の自治"宣言

超党派有志が50人が沖縄宣言をした。沖縄の自治を取り戻すことを目指すということである。

「住民自身の自治に対する信念の弱さの故に、挫折を繰り返してきた。」
「沖縄県民にとって『自治は神話』であってはならない。」
ということで真の自治獲得に向けて県民が気概を持つように超党派有志は訴えている。


 超党派有志は沖縄に自治がないことはなにを根拠にしているのだろうか。沖縄宣言には

辺野古沖への海上自衛隊の出動
教科書検定問題
経済的圧力による米軍再編案の押し付け

の三点を上げている。私は首をかしげざるをえない。この三点を取り除くことが沖縄の自治を獲得することなのか。50人委員会の目指す沖縄自治とどんなものか。


辺野古沖への海上自衛隊の出動・・・・・辺野古基地反対
教科書検定問題・・・・・・・・・・・・集団自殺には軍が関わった
経済的圧力による米軍再編案の押し付け・アメリカ軍基地撤去


 三点の主張を検討してみると、50人委員会が主張している沖縄の真の自治というのは単なる反戦平和である。"真の自治獲得"などと沖縄の本質的な政治・経済論を追求していると思ったが革新側の古い主張が言葉を変えたくらいの内容である。

 沖縄ナショリズム丸出しのちゃちな自治主張である。「沖縄のことは沖縄が決める」と宣言して、まるで現在の沖縄は中央政府がすべて押し付けているように認識しているがそれは妄想である。

 中央政府は県知事や名護市長の意向を無視してはいない。普天間飛行場の辺野古移転について中央政府は県や名護市の同意を得るために努力している。50人委員会が政府の圧力だと感じるのは根本的に辺野古移転に反対しているからである。

 50人委員会には民主主義思想がない。つまり政治決定は選ばれた議員の過半数で決定するという民主主義の基本思想が欠落している。それは自治論の根本が欠けているということだ。

 50人委員会は反戦平和主義であって民主主義者ではない。"沖縄に真の自治"をとうたっているが自治論のない空の沖縄自治である。
 沖縄のことは沖縄が決めるというのは多数決の論理を基本とする。反戦平和の論理とは関係はない。ところが50人委員会は反戦平和を"沖縄に真の自治"にすべりこませている。"沖縄に真の自治"を主張しいるように見えるが本当は"沖縄に真の平和を"と主張しているのだ。平和と自治とは関係ない。50人委員会は沖縄経済の自立、地方自治政治のあり方等を真剣に追求してはいない。

 そもそも、沖縄の自治は現在も法的にはかなりの水準まで保障されている。むしろ沖縄の方が経済力で自立していないし、優れた政治家や知識人がいない。このほうが深刻な問題である。
 
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