ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

禅宗の順複式呼吸は空(くう)の理念にこだわりすぎたのでは

2008-07-25 07:09:48 | 逆腹式呼吸
 禅宗の呼吸法は、鼻だけで呼吸する順腹式呼吸です。 下腹の丹田を意識し、まず息を吐くことからはじめます。 息をゆっくり吐くときには下腹が凹みます。 空(くう)にすることから、はじめるのです。 息を吸うときには下腹が元に戻ります。

 私たちは、生まれながら胸式呼吸をしていますので、呼吸するときには、肺を大きくしたり小さくしたりして呼吸をします。 それを下腹の丹田を意識しながら、呼吸を行いなさいというのが、禅宗での呼吸法です。

 禅宗の順複式呼吸では、残念ながらいつか気を、感じるようになるかもしれませんが、自己免疫力を高めることには、それほど効果がある呼吸法ではありません。 臨済宗の中興の祖といわれている白穏禅師も、座禅を長く行いながらも、体を壊し、結果的に「内観の法」や「軟疎の法」を考え出し、実践をして自分の体を治したといわれています。 

 もし、白穏禅師が、自己免疫力がつくといわれる逆腹式呼吸法を行って座禅をしていれば、病気にもならなかったと思われます。 

 禅宗では、すべてを空(くう)にすることから、物事が始まる感があります。 ですから呼吸も、まず息を吐き出すことから始まるのです。 

 私自身の逆複式呼吸は、胸式肺呼吸の延長線上にあって、自然と逆複式ができるようになったことを反芻すれば、無理に下腹を意識しながら、それまでの胸式肺呼吸を改め、腹式肺呼吸をすることもないのではないかと思っております。

 禅宗のお坊さんが、はじめから逆腹式呼吸を行っていたならば、もっと違った形で禅宗の広がりを見せたのではないかと、感じたりします。