Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

井上健太は伊東純也になれる(37節金沢戦)

2022-09-19 02:09:32 | マッチレポート22’
この試合をシーズン序盤にやってくれていたら納得したと思う。殴られても殴り返すサッカーとはこういうことなんだろうなと納得したと思う。でももうこの数ヶ月でそのやりたいサッカーが恐ろしく不十分であることが露呈してしまい、ギリギリ間に合ったかどうかのタイミングでウノゼロ3連勝という新たな方向性に進み始めた矢先にこんなゲームされて追いついたくらいで納得するわけないのは分かるよね、下平監督。クラブOBである高松大樹からも馬場賢治からも苦言を呈されていることが下位相手との連戦で勝ち点4も落とすのがどんだけまずいことかを象徴していると思うよ。







今日の試合はたくさん潮目があったように思うけど、まず前半は大石竜平にいいようにやられてしまった。2トップとほぼ同じ高さで変則3トップみたいな立ち位置で攻撃時も守備時もとにかく嫌な存在感を放っていた。しまいにはゴールまで決められてしまい、対面の朝陽はハーフタイムで交代に追い込まれた。交代の意図はよく分からないけど、金沢が大分の左サイドを狙っていたのは明らかでそこからやられていたわけで選手交代ではなくもっと大胆に手を入れれば少なくとも3失点目は防げたんじゃないだろうか。しかし大石よ、大学1年の頃はこんなにかわいい坊主頭だったのに随分とえらそうな髪型になったもんだな。まあそれは冗談として大石は負けた試合の直後にベンチ裏で先輩と小競り合いをしてチームメートに止められるくらいの気の強さを学生時代から見せていて好きな選手だった。



先制点を決めた松本大弥は武蔵野U−15出身。スケール感のあるセントラルミッドフィールダーでもっともっとやれる選手だと思う。しかし先制点決められた時のペレイラは何がやりたかったのか。もうDFラインなんていう概念がない世界でサッカーやってんじゃねーかなと思うくらいにあっちこっち動き回ってやられている。本当にゴール決めなくていいからちゃんと守ってほしい。DFが大事なゴールを多く決めるチームは絶対にうまくいかないから。



夢生の復帰後初ゴールを生で見られて本当に嬉しかった。まあでも復帰後のパフォーマンスを見ていて決めるのは時間の問題って感じだったから驚きはないけどね。夢生の出場記録を見返してみると09シーズンは開幕戦で決めた1点のみだったんだね。最終戦の1つ前の試合でボール叩き付けてもらったイエローで最終節は出場停止、そのまま移籍という10代の夢生らしいエピソードだけどもうあそこで夢生と大分の物語は終ったもんだと思っていたからね。こんな日が本当に来るとはね。ゴールの形は昨シーズン最終節アウェイ柏戦の朝陽のゴールに似てたね。相手からしたらぐうの音も出ないほどに完璧に崩された形。ネットが出した2本目のパスのタッチの柔らかさと絶妙さに思わず唸ってしまう。



7年前にここ西部緑地でプロ初ゴールを決めた伊佐。そんな記念すべきスタジアムで久しぶりのメンバー入り。試合展開、投入された時間帯からしてドラマティックな結末になるお膳立ては完璧だったんだけどな。実際に決定機も2本あった。ただ足にはテーピングは残っていたし、伊佐の良さである全身からほとばしるような活力が感じられなかったのは事実。



そしてノム。1失点目のきっかけを作ってしまう等いいところが全くなし。というか存在感がほとんどなかった。相手の疲労度も違うので単純な比較は出来ないけど交代した将輝の力強い前への推進力を見てノムはどう思っただろうか。試合の強度が高まれば高まるほどノムの存在感が薄くなっていくのは今シーズンの試合で何度も見てきたわけだけど、今シーズンはもう週中に試合がないしケガ人が多発しない限りチャンスは回ってこないと思う。スタジアムではもしかするとこれがノムの大分ユニ最後の試合になるかもなと思いながらシャッターを切っていた。それくらいに精彩がなかった。




試合終了の笛が吹かれると井上健太は不満そうに大きな声を出した。それは試合結果に対してだったのか、チームに対してだったのか、それとも自分自身に対してだったのかは分からないけど、この表情を見て健太はもっともっと上に行けると思ったよ。


大宮戦の時は座った位置が悪くて健太のプレーが見づらかったんだけど、今日の後半は目の前で「健太ショー」を拝ませてもらった。何より印象的だったのは試合終盤になると対面の長峰祐斗が健太のスプリントに対して追うのをやめたこと。そしてプレーが切れるとチームメートに対してジェスチャー付きで「もうアイツまじで無理。カバー来てくんなきゃ1人じゃ無理。」とキレ気味に伝えていたこと(やり取りは想像です)。3点目のアシストのスプリントはもう圧巻だった。夢生も呉屋もとにかく健太のところにしゃべりに行く。きっとこういうボールが欲しいという要求を伝えているんだろうけど、それは健太なら出してくれるという期待の表れなんだと思う。


ただ今日は4日前の大宮戦にフル出場していたからどこかで奎汰を左に投入して朝陽を右に回す交代策かなと思っていたので、この連戦でのフルタイム出場はまた一つ健太のレベルが上がったことを象徴する出来事だなと思う。爆発的なスプリントゆえ足をつってしまう時間も早かった以前の健太。中3日でも最後まで試合に出続け、そして最後まで相手にとって脅威であり続けた。試合前にふくらはぎに塗りたくっていた謎の白いクリームが持久力アップの秘訣か。


健太には入団当初から伊東純也のようになってほしいと思っていた。昨年から平日が休みの職場になり今年はW杯イヤーということもありちゃんと代表を見ようと今年だけで3試合も代表の試合を現地観戦した。久しぶりに代表を見て一番驚いたのが伊東純也の序列が一番上にあったこと。プレー面でも納得だし、何よりも普段からちゃんと代表を見ているであろうお客さんも伊東純也に一番期待している雰囲気がビンビンに伝わってきた。大学までは目立ったキャリアはなく、プロキャリアのスタートも甲府。しっかりと見ていたわけじゃないけど「速い」以外の良さをそこまで出せていたわけではないと思う。でもそこから柏を経由して今シーズン遂にリーグアンにたどり着くサクセスストーリーは誰もが知るところ。最近のグングン成長している健太を見ていると、本気で伊東純也になれるんじゃないかと思うようになった。もうここからは自分次第。自分をどこまで磨き上げていけるかだと思う。健太の成長速度に対して大分トリニータという器が邪魔になるようなら置いていってくれて大いに結構。個人的にそれくらいのスピード感を期待している。

健太、突き抜けろ!お前なら突き抜けられる!!




西部緑地に行くと何となく撮ってしまう火炎土器型の聖火台。西部緑地はスタジアム出てすぐに高速に乗れる好アクセスが有難い。


そして金沢の新スタジアム構想。1万人規模の専用スタジアムが2年後には完成。広島も山形も金沢ももうシンプルに羨ましい。陸上競技場と球技場では違う競技を見ているのではと思ってしまうくらいに臨場感が違う。


試合前にスタジアムDJとお話をする辻尾さん。いまはクラブアンバサダーとスポンサー営業も兼務してるみたいだね。







庄司と一緒にやっていた選手ももう少なくなっちゃったね。



司と毛利駿也は湘南つながり。



個人的にこの金沢遠征で今シーズンの観戦は全て終り。2000年に市陸で初めて大分トリニータの試合を観てからずっと少なくとも年に1回はホーム観戦を続けてきたわけだけど、それも今シーズンで途切れることとなりそう。一応10月30日は休みを取ろうと思っているので3位か4位になってくれれば連続ホーム観戦も継続することが出来るけど、そもそもプレーオフから昇格出来るとは思っていないこと、万が一プレーオフからギリギリで昇格したとしても来シーズンに地獄を見るだけだということ、プレーオフに進出してしまうと来シーズンも下平監督が継続されてしまう恐れがあること、以上たくさんの理由からホーム行けなくていいので8位フィニッシュくらいでお茶を濁してくれて結構という気持ち。
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