VILLA D’EST

 今日は、昨日書きましたVILLA D’EST(ヴィラデスト)のワイナリーをご紹介いたします。

 毎日(土日だけだったかも。気になる方は要確認)午後1時と3時からワイナリーの見学ツアーがあるようですが、郷秋<Gauche>はランチまでの時間を利用して1時からの回に参加しました。ワイナリーの見学と云ってもサントリーやサントネージュの工場のように大規模なものではありませんし(って、ホンとに小さなワイナリーなんです)、仕込んでいる時期でもないのですが、やはりVILLA D’ESTのファンとしては是非とも見ておきたいところでした。

 規模が規模ですので「工場」見学のような要素はありませんので、当然のこととして玉村さんが何故この地に住まい、葡萄を作り、ワインを作ることになったのかと云う話から説明が始まるのですがこのことは実は、玉村さんの「今日よりよい明日はない」(集英社新書 2009年6月22日 第1刷発行)の第一章に書かれています。郷秋<Gauche>が云いたいのは、本に書かれている事をそのまま説明されたと云うのではなく、それだけ創業の精神・経緯を大切にしていると云う事です。どんな事業にあってもこれは大切なことで、創業の精神を大切にしている組織の成す事に間違いは無いと、郷秋<Gauche>は確信しているのです。


 玉村さんが描いた大きな葡萄の絵が掲げられた醸造所。左右に見えているステンレスのタンクが搾った葡萄汁を入れて発酵させるためのタンクです。


 上の写真の右手の壁にも葡萄の絵が掲げられています。


 VILLA D’ESTの小さなワイナリーの上にはレストランがあり、ワインと食事を楽しみながら発酵用のタンクや熟成のための樽を見下ろす事が出来るようになっています。山梨や長野には小規模なワイナリーが沢山あるのは知っていた郷秋<Gauche>でしたが、小規模と云っても採算ベースに乗せるためには最低でも10万本程の規模が必要なのだとは今回初めて知りました。

 VILLA D’ESTは約70樽、2万本規模との事でしたので、一般的な意味では採算ベースの届いていないわけですが、その分はレストラン他の営業や、玉村ブランドのグッズ販売で補っているということなのでしょうか。気になったのは、待っているお客様に早く届けるためにと、醸造開始初期のワインの貯蔵が無いこと。

9月1日追記:上記の下線の部分について、誤解を招く可能性があるとのご指摘をVILLA D’ESTから頂きました。「ワイナリーの開業間もない頃は生産量が少なかったことから毎年夏が来る前に完売してしまう状況で醸造開始初期のワインの貯蔵がほとんどないとのこと」とすべきでした。なお、頂きましたメイルによれば、ワイナリー開業時に新しく植えた苗木が生長して収穫量が増え最近のヴィンテージでは、「ライブラリー・ストック」の本数を増やすことができるようになったとの事。これらのワインの一部は、随時おこなわれる「テイスティング・サパー」などで提供される場合があるようですので、味わう機会を楽しみにしたいと思います。
 また、頂きましたメイルにより、ヴィンテージ・ワインが高価なのはメーカーから買った業者がストックしている(または転売した)するからだと云うこと、VILLA D’ESTのワインは秋に仕込んで樽に入れ、翌年の夏の前後に瓶詰めし、さらに半年以上瓶の中で熟成させてから販売していること、白は3年、赤は5年ほど経つと見違えるほどおいしくなること等も知る事ができました。お忙しい中ご丁寧な説明のメイルを頂き恐縮至極でしたが、大変勉強になりました。玉村さんはじめVILLA D’ESTの皆さん、ありがとうございました。(追記、ここまで)

 郷秋<Gauche>的にはワインは新しい程美味しいと思っているけれど、(って、十分熟成させた高価なワインは高価すぎて買えないと云うことだけど)やはり、少数であっても、結果として高価になってしまったとしても、10年後、20年後に醸造開始間もない頃のVILLA D’ESTのワインを飲んでみたい気もします。

 三枚目でご覧頂いている熟成用の樽一つでボトル300本分なのだそうです。VILLA D’ESTではこの樽が約70とのことですのでボトル2万本となるわけですが、これを増やしてワインだけで採算ベースに乗せるのか、多少高価(山梨の地場ワイナリーのものに比べてほぼ2倍?)になったとしても高品質なものにこだわるか。VILLA D’ESTは当然後者の道を選ぶことだろうけれど、いずれにせよ郷秋<Gauche>はその選択を支持したいと思っています。

注:写真撮影はOKとの事でしたが、考えて見たらWebsiteやblog掲載可否までは確認しませんでした(只今確認中)。「否」との場合には写真を削除しますので予めご了承ください。と書きましたが、写真の掲載はまったく問題ないとお返事をいただきました。ホッ。
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