D95はファインダー視野率100%でデュアルスロット

 例によってNikon Rumorsによれば、D90の後継機(おそらくD95と呼ばれることになる)は、ファインダーの視野率が100%でメモリカードスロットが二つ、つまりデュアルスロットになるのだと云う。

 D90の後継機については、郷秋<Gauche>も8月10日に
1. D8000ではなくD95と呼ばれることになるようだ
2. イメージセンサーは1600万画素(1200万画素)
3. フォーカスポイントは31点。(11点)
4. アルミもしくはマグネシウム製ボディ(エンプラ)
5. 9月15日前後に発表となる
 (カッコ内は現行D90の仕様)
事を書いているが、更に上記の通りスペックに関する情報が更に漏れてきた。D300Sの後継機登場の噂が余り聞こえてこない今、3週間後にD95がこの仕様で登場することとなれば、19日に発表されたばかりのD3100と既存のD5000同様の「下克上」となる事は必死。

 しかしだ、D90後継機に視野率100%のファインダーを投入とは、ニコンの力の入れようが知れるところだが、果たしてメモリカードスロットが二つも必要であるのかについては、郷秋<Gauche>は大いに疑問だぞ。あるいは動画用と静止画(写真用)の二つのカード用だと云うのなら判らないでもないが。

 さてここで、これまでプロ機の証とまで云われた視野率100%のファインダーについてちょっと触れておきたい。現行のD90のファインダー視野率は約96%である。と云う事は、ファインダーをのぞいて正確にフレーミングしたつもりでも実は更に上下左右4%が写り込んでいることになる。

 逆に視野率100%のファインダーのカメラで撮影した場合を考えてみよう。視野率100%だから、完璧なフレーミングが要求される一方、カメラ側はその作者の意図を完璧に反映した画像を記録してくれる。問題はその後、その画像をプリントした時に起きる。

 例えば天地をぎりぎりにフレーミングした時に、その画像をプリントすると天地が作者ファインダーで切り取った時以上に切れたプリントが出来上がる事になる。所謂「ケラレ」である。例えば人物の頭の上に数ミリ程度の余裕を持ってフレーミングしたつもりなのに、出来上がったプリントでは頭の上部が少し切れてしまうというような事が起きる。

 このプリントを額装すると、更に上下左右10mm程度がマットの裏に隠れることになるから先の例で云えば、頭の上は更に切れてしまうことになる。視野率100%のプロ機で撮影すると、プリントの時にケラレ、更に額装の際にケラレてしまい、撮影の際にフレーミングしたものに比し随分と小さな絵になってしまうのである。

 これに対して、例えば視野率96%のファインダーを持つカメラで撮った場合には、データとしてはフレーミングしたものより少し広め(大き目)の絵が記録されることになるから、プリントの際にケラレてもフレーミングしたものよりもまだ少し広め(大き目)の絵であり、額装してちょうど良いということもまま起きる。

 プロは視野率100%のファインダーのカメラで撮影しながら、この絵は印刷媒体に使う、あるいはWebに載せる、はたまたプリントして額装するなど、撮影後の用途を考えながら多少広めに押さえておいたり、きっちりぎりぎりにフレーミングしたりと、自在に撮影しているのである。勿論アマチュアでもそこまで考えながら撮影できるのであれば視野率100%のファインダーを大いに活用できるのだが、これをできる人は多くはないだろう。

 視野率100%とするためには、相当大きなペンタプリズムが必要になり、その分大きく重たくなり価格も上昇する。そんなこんなを考えると、初級・中級機の場合には視野率95~96%程度のファインダーがちょうど良いのではないかと思う。だから、ニコンがD90後継機のファインダー視野率を100%にすると云う噂は眉に唾して読んだ方が良いと、郷秋<Gauche>は思うぞ。

注:ファインダーのことについては、視野率だけではなく実は「倍率」も併せて考えなければならない重要なポイントである。視野率100%よりも倍率100%のファインダーの方がより見易いファインダー実現のためには必要なのではないかと思っているのだが、どうもこの問題にはメーカー、ユーザー共に目が行かないようで改善の兆しが無いのを残念に思う郷秋<Gauche>である。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、暑さのせいなのか、例年にも増してやけにたくさん見かける蝉。
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