またしても米国の圧力に屈した日本

FX(次期主力戦闘機)が、米ロッキード・マーチン社製のF-35となるとの報道。現段階では航空自衛隊が方針を決定したと云うことだが、航空幕僚長が防衛相に機種選定案を上申し、16日に首相が議長を務める安全保障会議で正式決定されることになるのだろう。

 

郷秋<Gauche>はこれまで幾度も、ユーロファイター・タイフーンにせよと書いており、郷秋<Gauche>に意に反してF-35が採用されることになる。郷秋<Gauche>が決める訳では無いので致し方ないが、大いに不満だ。何が不満かと云えば、次の三点である。

 

不満その一:候補であった他の2機種に比較し明らかに高価である。一部の報道では、機種選定の理由の一つに「価格も他の2機種に比べて著しく高くない」が挙げられているが、それは候補から脱落したF-22(約200億円)と比較しての事であり、F-3586億円以上(米軍調達価格)と云う価格はユーロファイター・タイフーンの40億円(開発国調達価格)の倍以上であり、日本が実際に購入する価格は、一機100億円を超える可能性がある。

 

不満その二:共同開発国以外には開示しないとしていた技術情報を日本に対して開示し、また日本メーカーと共同で製造ラインを日本国内に設置し、部材製造や機体組み立てを行うことを認めると云う米国側の甘言を鵜呑みにしたこと。契約の段階になって、開示される技術の範囲が限定される、結局は国産の部品の使用が認められないなど、多くの条件が後出しされる可能性が大いにあるにも関わらず、口約束にまんまと乗ったこと。

 

不満その三:試作機において、金属疲労による多数の亀裂が発見されたとの報道が11月にあったばかり。この対応のために、開発国への納入でさえも予定の2016年よりも数年は遅れることが確実視されている。米国他の共同開発国でさえ実際に納入され運用が開始できるのは速くても2019年以降となれば、日本で運用できるのはどんなに早くても2020年である。10年前に退役していても不思議ではないF-4を、それまでどうやって延命すると云うのだろうか。

 

これら三つの不満を総合して思うことは、またしてもアメリカの圧力に屈してしまった日本の将来である。「Noと云えない日本」をまたしても演じてしまった訳だからな、まったく情けない。

 

F-35に決めたのなら仕方がない。より広範囲の技術開示を受けられること、そして日本での「組み立て」ではなく、日本での「生産」の実現を目指して粘り強い交渉し、技術の蓄積に努め、次期FX最有力候補として純国産の「心神」がリストの最上位に記されるよう、国内航空機産業の総力を結集させて欲しいものである。

 

 

例によって記事本文と何の関係もない今日の一枚は、早くも咲き始めた春の花、椿。これはすみよしの森にある、横浜市の古木・名木の指定を受けているヤブツバキの花。

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