唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
MRJを飛ばして元気になろう、日本
地震・原発事故関連のニュースが多く、それ以外のニュースの扱いが小さくなっているためについつい見逃してしまっていたが、郷秋<Gauche>的にはかなり重要なニュースのいくつかをここ数日で発見・発掘した。
これまでもたびたび書いているMRJが来年、2012年の初飛行をめざして4月5日に機体の組み立てを開始したとのこと。起工式とか鍬入れ式と云うのは聞いたことがあるが、今回は「鋲(びょう)打ち式」を行ったと書かれていた。操縦室の天井部分にある乗員用非常脱出扉周囲の井桁構造の鋲打ちからスタートしたようだが、個々の部品の製作は実は昨秋からスタートしていたようで、意外と早くヒコーキの形が現れるのかも知れないな。
時を同じくして、ヨーロッパでの販売を強化するためにオランダのアムステルダムに現地法人を設立し、5月1日から営業活動を開始することも発表された。ご存じYS-11は十分な数の販売が出来ずに赤字となり当初の予定よりも早く製造を終了し事業会社も解散してしまった。その轍を踏まないためにも営業に力を入れようと云う事だろう。
そりゃそうだ。現在MRJはANAから25機(確定15機、オプション10機)、アメリカ合衆国のエアライン、トランス・ステーツ・ホールディングスから100機(確定50機、オプション50機)を受注してはいるものの採算ラインにはほど遠く、アメリカ合衆国に次ぐ大きなマーケットであるヨーロッパではまったく契約に至っていないのである。
しかしだ、リージョナルジェットがまったく新しいマーケットならいざ知らず、既にエンブラエル(ブラジル)とボンバルディア(カナダ)が市場を二分し、更にはロシアと中国のメーカーが参入しようと云う、航空機の中でも最も競争の激しいマーケットに参入しようと云うMRJである。そう容易く商談がまとまるとは思えないが、是非とも採算ラインに乗せるために、そして震災によって大きなダメージを負った日本が再び大きく羽ばたく、その象徴ともなるように、MRJには日本の空をそして世界の空を是非とも飛びまわって欲しいものである。
今日の一枚は、まさしく羽ばたく、飛び立とうとする小鷺。