純正45mmに決定

 いろいろ迷った末に、純正のAi Nikkor 45mm f/2.8Pに決定した。実は、写真仲間の一人(レンズフェチ!)が新品同様のフォクトレンダーULTRON 40mm F2 SLを格安で譲ってもいいよと言ってくれていたんだけれど、結局、画質よりもD40/70でも露出計が作動することを優先しAi Nikkor 45mm と相成った次第である。

 で、今日の一枚は「新旧リトルニコン」の図。D40はいま話題のコンパクトなDSLRだから説明の必要もないだろう。EMは知らない方が多いかな?ごく簡単に説明すると、今から27年前、F3がフラッグシップだった頃にNikonが放った超簡単普及型のSLR(一眼レフ)だ。

 任意のシャッタースピードを選ぶことの出来ない絞り優先AE機ではあるが、基本性能の高さからF3を愛用するプロのサブ機としても大いに利用されたようである。開発段階で「女性専科」がキーワードになったことからもわかるように、開発の主眼は軽量・コンパクト、簡易な操作性に置かれたようである。女性に受けたかどうかは定かではないが、SLRの普及に大いに貢献したことは間違いないだろう。

 F3が183,000円の当時40,000円で登場したEMの価格はセンセーショナルであった。EMに先立つこと8年、1972年に登場した絞り優先AEのELが60,000円したのだから、2度のオイルショックを経た後の価格だということを考えれば、EMの価格がいかにショッキングなものであったことを(一定年齢以上の方には)ご理解いただけることと思う。

 そんなこんなを考えると、EMとD40が狙った(狙う)戦略はまったく同じと言っても良いのだろ。D40がいままた「リトルニコン」と呼ばれる所以である。

 さて、初代「リトルニコン」、EMの標準レンズとして開発されたのがSERIES E 50mm F1.8である。写真のEMに装着されているのは後に登場したNikkor 50mm F1.8と同じデザインの後期タイプである(最短撮影距離が0.6mの輸出専用)。所謂パンケーキ型の小型軽量タイプ(175g)であるが、レンズは5群6枚構成。

 今回郷秋<Gauche>が購入したAi Nikkor 45mm f/2.8P(レンズは3群4枚構成。古いGN Auto 45mmと基本は同じか)は、オートフォーカス時代になって久しい2001年に登場した、マニュアルフォーカスながらCPU内臓というなんとも不可思議なレンズなのである。同じ年に登場したマニュアル機、FM3A用を意識しながらも、CPU内蔵であることからF100などのAF機での利用も前提に開発されたもののように思われる。

 いずれにせよ、このAi Nikkor 45mm f/2.8Pの肝は最後に付された「P」の文字である。これはCPUのP、つまりプロセッサーの「P」であるはずだが、この「P」一文字のお陰で、D80以下の普及価格帯のDSLR(デジタル方式一眼レフ)でも露出計が作動するのであるからありがたい。

 試しに、新旧リトルニコンたるEM(SERIES E 50mm F1.8付き)とD40(Ai Nikkor 45mm f/2.8P付き)の重さを量ってみた。EMの640gに対してD40は646g(いずれも実測)とほぼイーブンであるが、ボディのみだと460g対526g(カタログ値、バッテリー込み)とD40の方が重いことになる。Ai Nikkor 45mm f/2が120gと軽量なことが効いている結果である(重量は概数につき若干不正確)。

 果たして、「写り」と道具としての出来具合はどちらが上か、使ってみての判定ではあるが、結果は永遠に出そうにない。なぜならばこのところのEM+SERIES E 50mm F1.8の出動率が限りなく低からである。でも、手に持ったときの「いい物感」はEM+SERIES E 50mm F1.8の「勝ち」、間違いない。

 さて、余談だが、郷秋<Gauche>が購入した45mm f/2.8Pはご覧の通りシルバーである(ブラックの実売値は16K円高)。どう考えてもブラックのD40には合わない。ところが、SERIES E 50mm F1.8に付けていたゴム製折り畳み式のフードHR-1を付けてみると実に落ち着いたいい感じになるのである。折りたたむと、45mm f/2.8P専用フードHN-35と同じ奥行きになるのもありがたい。しばらくはこの組み合わせでの活躍となりそうなD40+45mm f/2.8Pである。

この手の写真も早く上手に撮れるようになりたいものである。


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D40での作例
レンズはいずれもAF-S NIKKOR 18-70mm f/3.5-4.5G ED
なお、作例掲載日の記事本体と作例は、多くの場合無関係でありますことを予めお断りしておきます。
作例1(2007年1月3日掲載)
作例2(2007年1月4日掲載)
作例3(2007年1月5日掲載)
作例4(2007年1月6日掲載)
作例5(2007年1月7日掲載)
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