福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

矯正治療のスタート時期

2023-12-11 | 歯並び、矯正の話

佐賀から転居の患者さんで、かつて医局の後輩だったT先生からの紹介です。
彼も小児歯科&矯正歯科なので、患者さんに対するスタンスは近いものがあります。



もともと前歯の反対咬合で、前歯が出揃った8歳前後に第1期矯正治療を受けています。
現在中学生になって、前歯の噛み合わせが浅くて微妙です。





また、特に上の歯並びの方が八重歯にもなってデコボコです。
これらの所見は、反対咬合系の患者さん、あるあるです。
歯のサイズも大きめで、第2期治療では抜歯矯正の可能性が高いですね。
下顎の前下方への成長と噛み合わせの変化(悪化)は、もうしばらく続く成長期に起こります。
なので、女子ですが、もうしばらく経過観察後の治療開始が適切です。
因みに、現在奥歯の前後的噛み合わせは殆どズレていないので、この状態をキープして経過すると有難いですね。
反対咬合系の患者さんは、噛み合わせの変化が落ち着いた以降の全体矯正治療開始が望ましいので、成人以前の患者さんではもっとも治療スタート遅めが良いということになります。



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上の犬歯位置不良例

2023-12-10 | 歯並び、矯正の話

上の永久犬歯位置が不良で、出てこないとか、出てきたけどズレている例は程々ありますね。
常に、何人か矯正治療中の患者さんがいるという印象です。



向かって右上の白っぽい歯が、生え替わらない乳犬歯、その後ろが第1小臼歯、さらに後ろ外側が永久犬歯です。



基本的に全部永久歯になっている年齢です。
まずは上の歯並びのみの装置で、永久犬歯を前方に移動して、適時に乳犬歯を抜歯します。
その位置に永久犬歯を移動して、やや内側にある第1小臼歯を定位置に移動します。



歯並びはそれでOKですが、この患者さんは向かって右上部分の噛み合わせ不良もあって、上下が噛み合っていません。
この問題も大きいので、上下歯並び全体へのアプローチが、いずれ必要になるだろうと思います。
再度ですが、矯正治療は歯並び噛み合わせの改善が一体です。



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矯正治療し映えする1例

2023-11-21 | 歯並び、矯正の話

早めの矯正治療ご希望で、生え変わりも早いので、第2大臼歯が出てきたタイミングで全体的矯正治療を開始予定です。







上下とも前歯部分がなかなかのデコボコで、患者さん自身が早めに矯正治療をしたいという気持ちも分かります。
小顔、歯が大きい、そして写真撮影時も口唇が伸びずお口が小さいという印象です。
口唇が緩い場合、歯並びOKでも上下出っ歯で口が閉じにくいというパターンになると思います。
骨格的にニュートラルなので、歯並びを良くすればほぼ解決です。
もちろん抜歯矯正になりますが、デコボコ強い分、歯の移動は少なめで、比較的簡単な例になります。
その割には、ビフォーアフターで別人になって治療のし映えがするでしょう。


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歯並びと噛み合わせはリンクする

2023-11-16 | 歯並び、矯正の話

歯科矯正治療の基本的ゴールは、歯並びとかみ合わせを両立することです。







高校生の患者さんで、特に上の前歯の歯並びが気になって矯正治療ご希望です。
この状況で、矯正治療の必要はありますか?と質問を受ければ、歯科的には必要性はないと考えます。
将来的に虫歯歯周病のリスクが高くなるとは言えないレベルです。
ただし、審美的に気になるのであれば治療してOKと返答します。
パッと見には上の前歯の歯並びが気になるでしょうが、下の前歯もそれなりにデコボコですね。
詳しい説明はしませんが、上下の歯はそれなりに噛んでいて、上下前歯のデコボコはリンクしています。
この患者さんは上下とも装置装着しますが、数か月は上のみの治療を予定しています。
先に上の歯並びをある程度改善することで、噛み合わせのロックがとれて、下の歯並びが改善しやすくなります。
また、問題はほぼ前歯のみですが、デコボコを改善すると、前歯が前傾してきます。
この患者さんは歯並びアーチが若干スクエアなので、全体的に装置を付けて拡大し、放物線上のアーチにすることで、前歯出っ張りは最小限になります。
期間的には長くて1年間と予定しています。



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過蓋咬合って何?

2023-11-14 | 歯並び、矯正の話

過蓋咬合とは、噛み合わせが深い状態のことを言います。
乳歯の時期の過蓋咬合は永久歯列での出っ歯とか下の前歯のデコボコに繋がることもありますので、適時の矯正治療が望ましいこともあります。



矯正イヤーブックは毎年この時期に発刊され、ほぼ毎年購入しています。
今年の特集は、「成長期の過蓋咬合を考える」で、当院のように小児青少年の矯正治療をやっていると参考にできるところが多そうです。
自分にとってはタイムリーなテーマです。
過去のブログでも度々登場していますが、過蓋咬合&出っ歯系の小学生は結構多くて、お口ポカンとも関連があって、改善をアプローチするべきテーマです。
どの時期にどのようにアプローチするべきか?
自分なりのエビデンスや経験はありますが、他の様々な考え方やアプローチもあるかと思います。
自分のスタイルを信じすぎず、このような著書でより知識を広げ続けることでレベルアップが図れると考えます。



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抜歯なしの矯正で良い理由

2023-11-13 | 歯並び、矯正の話

全体的矯正治療の場合、抜歯矯正の割合の方が多いわけで、これは、人種的に歯のサイズが大きい日本人では普通と思います。
なので、歯並びデコボコの場合は抜歯になるのかという質問は多々頂きます。
以下のその1例です。



10代半ばの患者さんで、上下歯並びデコボコの治療が主訴です。



奥歯の噛み合わせで分かる上下顎の前後的関係ですが、この患者さんはほぼ良好です。
前歯のデコボコを改善すると、主として前が若干出っ張ります。





上下とも奥歯部分の幅が狭い形態です。
幅の拡大ができれば、治療後の前歯の出っ張り感は小さくなります。
下顎は骨格的拡大はほぼできませんが、この患者さんのように奥歯が内側傾斜している場合は起こすことで拡大になります。
下がOKであれば、骨格的拡大ができる上は、それに合わせて拡大すればOKです。
なので、前歯出っ張り最小限で、綺麗なアーチ状の歯並びになって、現状の噛みあわせは損なわれません。
歯並びと噛み合わせが伴って、初めて非抜歯矯正になる例です。



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口腔機能不全は早めにアプローチする

2023-11-10 | 歯並び、矯正の話

お口ポカンに代表される口腔機能発達不全は、口呼吸やそれに伴う出っ歯系の噛み合わせとリンクしています。
もともと出っ歯系の噛み合わせや骨格系を有する場合も多々ありますが、口呼吸や咬唇癖(上下前歯間に下唇を入れる習癖)でさらに悪化することもあります。






この患者さんは出っ歯系で上の歯並びがV字型で、さらに上下前歯が噛み合っていません。
通常の出っ歯系ですと、上の前歯が出っ張っていても上下の前歯は噛み合っています。
この患者さんのような場合、咬唇癖があることが通常です。
隙間があれば、唾液を嚥下するときに舌が前突したり、下唇を上下間に入れて、前方部を封鎖するようになります。
噛み合わせが正常範囲であれば、このような状況は起こりません。
なので、上記のような異常が続くと、噛み合わせ症状の悪化は必然です。



この患者さんは、向かって左下の乳犬歯が早めに抜けてしまって、スペース閉鎖しています。
下の歯並びが小さめになっているのも、出っ歯系を助長している一因です。
将来的には下の歯並びのデコボコや、真ん中が一致しない状況が出て来るので、全体的矯正治療が望ましくなります。



今回は早めの第1期矯正治療ということで、マウスピース(プレオルソタイプ1)を使用してもらい、この悪循環をストップさせたいと計画しました。
最近は患者さんサイドでは、早期治療ブーム(小児矯正とか)ですが、症例によってはこのような早期治療が望ましいと考えます。



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こちらも犬歯位置不良例

2023-11-02 | 歯並び、矯正の話

前回ブログと同パターンの上の犬歯位置が良くない1例です。




上の前歯の出始めの時期、いきなり綺麗に整って出て来るのはほぼ皆無です。
ハの字に広がって出て来て、生え変わりが進むにつれてハの字の傾斜は改善され、前歯間スペースも閉じます。
広がりが強い場合、側切歯が出て来る時点で、隣の乳犬歯も押されて早めに抜けてしまうことがあります。そうなると早めに抜けた側に前歯が寄って、将来的に永久犬歯のスペースが不足することになります。
この例もその流れで、すべて永久歯になった段階で上下の真ん中が不一致で、かつ前歯間スペースが残っています。



間もなく後ろに第2大臼歯が出て来て、歯並びの連続性がないと、スペース不足が悪化します。
他の部分に問題がないので、このタイミングで矯正治療スタートがタイムリーと言えます。
上の歯並びのみの治療で、前歯間を閉じて上下真ん中を一致させ、犬歯スペースが出来てから良好な位置に移動します。
前回今回の2例はズレていても犬歯が出て来ていますが、埋まったままで経過観察しても位置変化が無い場合は、外科的に開ける開窓処置が必要となります。



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犬歯の位置不良例は多い

2023-11-01 | 歯並び、矯正の話

上の犬歯は歯並びの問題で八重歯もありますが、他の問題がなくて犬歯の出方のみ良くない例は多いですね。
現在も、オンゴーイングの例は結構あります。



この患者さんは小学校高学年ですが、歯並びデコボコ例ではないのに、向かって右上の犬歯の位置不良で出て来ました。
経過観察で改善の可能性はないので、矯正治療スタートとしました。
加えて上の両側の側切歯が小さく、矮小歯です。
ここは先天欠如も多い部位で、中間系と理解されます。



横から見ると側切歯も結構傾斜していて、隣の犬歯と根の部分は近接しています。
乳犬歯は定位置にありますが、犬歯位置の影響で残存していて、これは犬歯スペースを保つ役割をしています。
この患者さんは上のみの矯正治療としていますが、犬歯と側切歯の根が当たらないような手順で歯を移動するのがポイントです。
矮小歯に関しては、シンプルにスペース閉鎖をすると他の部位の噛み合わせが悪化しますので、若干スペースを残す選択になります。
将来的にはご希望があれば、側切歯にコンポジットレジンを追加して、削らずに形態修正は可能です。



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早めの噛み合わせ改善が望ましい1例

2023-10-30 | 歯並び、矯正の話

過去のブログでも、矯正治療ではまず噛み合わせの改善が優先と度々述べています。
当院では、反対咬合は小学校前半頃まで、上顎前突では小学校半ばから後半頃に治療介入が多いと思います。



この患者さんは上の前歯が出っ張ってばらけています。



噛み合わせが深いので、下の前歯はやや内側傾斜でデコボコがあります。



横から見ると、出っ張り度が大きいのが分かります。
もちろん口は閉じにくく(お口ポカン)、下唇が上下前歯間に入ってしまいます。
鼻閉は無いということで、習慣的な口呼吸になっています。
もともと出っ歯系の骨格かみ合わせはあるでしょうが、このまま放置すると悪化するのは明らかなタイプです。
まだ乳歯奥歯も生え変わり前ですが、若干早めにマウスピース矯正(プレオルソ)をスタートしました。
マウスピースをしっかり使用すれば、かなり改善して口を閉じれるようになると予測しています。
その後の骨格的成長もありますので、これだけで終了とは言えませんが、充分意味のある介入と考えています。



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