アブソリュート・エゴ・レビュー

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地球が静止する日

2009-01-03 19:37:39 | 映画
『地球が静止する日』 スコット・デリクソン監督   ☆☆

 映画館で鑑賞。正月早々期待はずれだった。最初は結構ワクワクする感じで始まるのだが、後半の展開が全然物足りない。盛り上がりに欠ける。スケールが小さい。「地球が静止する日」なんて大げさなタイトルであるからには、もっと強烈な絶望感というか切迫感がないと納得できない。

 大体、なんであの一つ目の巨人が後半、ハエの群れになってしまうのか。やっぱりあの巨人が巨神兵みたいにもんのすごい超兵器を出して派手に暴れてくれないと嘘だろう。戦闘機を撃墜するシーンがちょっとだけあったが、あれだけじゃ寂しい。アメリカの軍隊が総力を上げて攻撃し、それを巨人や球体がものともせずに粉砕する、みたいなシーンが欲しかった。キャシー・ベイツの長官が結構憎たらしかったので特に。

 ストーリー展開も突っ込みどころ満載である。「すでにプロセスは始まった」なんて言ってたくせに結局クラトゥの気が変わっただけで危機が回避されてしまうし、クラトゥはあの親子とちょっと一緒にいただけで人間を許してしまう。そんな簡単なことだったの、と拍子抜けしてしまう。いくらなんでももう少し慎重に判断するべきじゃないか。おまけに「人間は変われる」なんて言いながら、人間を変えるような手は何も打たずに帰ってしまう。フォローアップなしでいいのか。大体、そんな大事なことをクラトゥが一人で決めてしまっていいのか。誰かに相談する必要はないのか。あのマクドナルドで会ってた中国人のおじさんの立場はどうなる。

 というような安直なストーリーにも幻滅したが、個人的にはあのハエの群れがクライマックスというのが一番ショックだった。


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