『サン・ジャンの葬儀屋』 ジョエル・エグロフ ☆☆★
昔斜め読みした本を再読した。薄い本で読みやすい文章なのであっという間に読み終わる。
舞台はフランスの小さな村。暇な葬儀屋があり、閑古鳥が鳴いている。暑い夏が過ぎ、ようやく待望の死人が出て、葬儀の運びになる。たった二人しかいない葬儀屋の従業員が霊柩車に乗り込んで隣の村の墓地に向かうが、途中で道に迷ってしまう。
なんというか、他愛もないというか、よく言えば力の抜けた脱力系の「奇妙な味」小説である。間抜けな事件が連続して起きるがドタバタ喜劇というほどのドタバタ性はなく、なんとなくユーモラスな雰囲気で読ませる。全体にほんわかしたムードだが、ラストは意外にもブラックなオチがつく。まあ正直印象薄いが、軽妙でエスプリのある文章はまあまあ魅力的だった。
何がやりたいのか良く分からず中途半端という気もするが、逆に強烈さとは無縁の中庸性、ほどほどの感じがむしろこの小説の個性なのかも知れない。ほどほどユーモラス、ほどほどブラック、ほどほど洒落た感じ。こういうのを洗練性として珍重する人もいるのだろう。しかしまあ、何の感動もない話だなあ。
あとがによれば、発表当時フランスではかなり好評だったそうだ。「ふーん」程度の読後感だった私としては不思議である。あんまり書くことも思いつかない。
昔斜め読みした本を再読した。薄い本で読みやすい文章なのであっという間に読み終わる。
舞台はフランスの小さな村。暇な葬儀屋があり、閑古鳥が鳴いている。暑い夏が過ぎ、ようやく待望の死人が出て、葬儀の運びになる。たった二人しかいない葬儀屋の従業員が霊柩車に乗り込んで隣の村の墓地に向かうが、途中で道に迷ってしまう。
なんというか、他愛もないというか、よく言えば力の抜けた脱力系の「奇妙な味」小説である。間抜けな事件が連続して起きるがドタバタ喜劇というほどのドタバタ性はなく、なんとなくユーモラスな雰囲気で読ませる。全体にほんわかしたムードだが、ラストは意外にもブラックなオチがつく。まあ正直印象薄いが、軽妙でエスプリのある文章はまあまあ魅力的だった。
何がやりたいのか良く分からず中途半端という気もするが、逆に強烈さとは無縁の中庸性、ほどほどの感じがむしろこの小説の個性なのかも知れない。ほどほどユーモラス、ほどほどブラック、ほどほど洒落た感じ。こういうのを洗練性として珍重する人もいるのだろう。しかしまあ、何の感動もない話だなあ。
あとがによれば、発表当時フランスではかなり好評だったそうだ。「ふーん」程度の読後感だった私としては不思議である。あんまり書くことも思いつかない。
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