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芭蕉の俳句(102)

金曜日、。旧暦、6月19日。

暑かった。洗濯を2回した。夕方、雷。雨なし。落雷で電車止まる。



赤さの虚空蔵にて、八月廿八日、奥の院

鳩の声身に入みわたる岩戸かな   (漆島)

■岩戸は虚空蔵菩薩を祀った奥の院の岩の戸のこと。芭蕉は、音を契機に句を作ることが多い。耳の人だったと言えるように思う。この句も山鳩の声が身に沁みわたると詠んでいて、その声が聞こえてきそうな気配がある。だが、この句の音は静寂と対になって詠まれている。山鳩の声が染みわたるのは、あたりの静寂があってこそである。山鳩の声を契機にしながら、実は岩戸の静寂を詠んでいる。静寂とは世界の静寂であり、山鳩がそこから出てきてそこへ還る静寂でもあるだろう。

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